『The Pictorial Key to the Tarot(PART1)』を解読しながら訳していく Vol.8
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こんにちは。
前回の一文を振り返りたいと思います。
『一般的な解釈では〝オカルト〟というものは理解できないよ、もしそんな風に〝オカルト〟を理解しようものなら、むしろそれは〝オカルト〟に傷を付けるようなものだろう。。。』と、いうような内容でした。
細かなニュアンスなどもなるべく見逃さないよう、真剣に研究していますので、もし宜しければ、前回の記事もぜひ見てみてほしいです。
基本的に、長いです。
これでも短く収めようと心掛けてはいるのですが、だからと言って内容を疎かにするつもりはありませんで、、、
『タロットの世界』にお越しいただく際には、ぜひ、おやつとお茶のご用意を。。。
本当なら、私自身がおもてなしできるのが1番良いのですが、、、そうもいきませんからね。。。
では今回も見てまいりましょう。
今回はどんな内容になるでしょうか^^
楽しみです!!
もくじ
今回の一文 『Sapiens dominabitur astris』—真のタロットを理解するために不可欠な忍耐
では今回の一文です。
It almost requires a Frater Sapiens dominabitur astris in the Fellowship of the Rosy Cross to have the patience which is not lost amidst clouds of folly when the consideration of the Tarot is undertaken in accordance with the higher law of symbolism.
Arthur Edward Waite
『The Pictorial Key to the Tarot』より
切りの良さそうなところ、3つに分けます。
〝It almost requires a Frater Sapiens dominabitur astris in the Fellowship of the Rosy Cross〟
〝to have the patience which is not lost amidst clouds of folly〟
〝when the consideration of the Tarot is undertaken in accordance with the higher law of symbolism〟
不思議な単語(名前?)がちらほら、、、
では、今回もよろしくお願いいたします。
ウェイトが愛した『Sapiens dominabitur astris』|薔薇十字団の理念と影響
では〝It almost requires a Frater Sapiens dominabitur astris in the Fellowship of the Rosy Cross〟を見ていきましょう。
単語、、、と言いましょうか、熟語(?)の解説がやや長くなりそうなので、前から少しずつ見ていき、都度、解説をさせていただこうと思います。
まず最初は〝 require(s)〟という単語なのですが、こちらは「必要とする」「要求する」という意味だそうです。
〝request〟のいとこみたいな感じでしょうか?
ですので〝It almost requires〟は「それはだいたい必要とします」という感じでしょうか。。。
いきなり不思議な日本語。。。
そして次の〝a Frater Sapiens dominabitur astris〟なのですが、こちらはですね、おなじみのラテン語だそうです。
読み方は「フラテル・サピエンス・ドミナビトゥル・アストリス」という感じなのですが、1つ1つの意味を知る必要があるかはわかりませんが、念のため、全てを記載しておきます。
- Frater → 兄弟(懐かしいですね)
- Sapiens → 賢者
- dominabitur → 支配する
- astris → 星々
と、それぞれこのような意味となりますが、このフレーズとしての意味は少し違い、「賢者は星々を支配する」というような意味になるそうです。
ですが、それだと「ん?〝Frater(兄弟)〟は何処に行ったのよ?」と思われると思うのですが、それは以前〝Frater〟という言葉は神秘主義の中で使われる「Hey!!兄弟!!」というような意味になると知り、そしてウェイトが尊敬している物語に対して、実際に文の中で使われていたことあったので、「また、それかな?」という仮説を立て、根拠となり得そうなものを探していたら「やっぱりそうっぽいな」というものを見付けられたので、同じラテン語ではあるのですが、〝Frater〟は別枠だという風に捉えました。
そして、その根拠となりそうなものについてですが、今回はローゼンクロイツのような物語ではないのですが、この『Sapiens dominabitur astris』というフレーズは、13世紀~17世紀頃にかけて、占星術の正当性を主張するために使われてきた言葉だったそうです。
私はあまり占星術には詳しくないのですが、というか全然。。。
なので、調べたことをそのままお伝えする形になってしまいますが、『星々は人間の運命を決定するのではなく、賢者は星々を理解し、それを支配する』という考え方を示すものとして、占星術師たちが用いていた言葉だそうです。
個人的には、結局は元々の占星術も、未来を決定付けるための胡散臭い占いではなかったということが見受けられて、嬉しく思っています。。。ぼそっ(小声)
まぁ、いつの時代も『オカルト vs 一般的な枠組み内での理解』みたいな構図になっているのかも知れませんね。
この言葉は、歴史的な占星術にはもちろんのこと、神学、哲学、文学の分野でも広く使われてきた言葉なのだそうです。
また、ウクライナの国防情報局の紋章には、このフレーズが刻まれているそうで、軍事的な象徴としても使われているようです。
Wikipediaで見れましたので、リンクを置いておきます。
気になる方はぜひ見てみてください。▶▶こちら
「あ、本当だー!!」と、なります。
また、ウェイトが所属していた黄金の夜明け団の創設者の1人であるWilliam Wynn Westcott(ウィリアム・ウェスコット)さんは、『Sapiens dominabitur astris』をモットーとしていたヘルメス主義の影響なんかも強く受けているそうで、薔薇十字団の思想なども深く研究していたのだとか。。。
更に、少し先読みになってしまうのですが、この後すぐに出てくる〝the Fellowship of the Rosy Cross〟は1915年にウェイトが独自に立ち上げた神秘主義団体で、今お伝えしたWilliam Wynn Westcottさんの薔薇十字団とはまた別の『薔薇十字友愛会』というものなのですが、本書が出版された時にはまだ公にはされていないはずだと思うので少し調べてみたのですが、詳細はわかりませんでした。
もしかしたら、まだ同好会とか愛好会みたいな形だったかも知れません。
この薔薇十字系の団体もさまざまな形で存在しているのですよね。。。
このように、これらを踏まえますと、何らかの形でウェイトがこの言葉に感銘を受け、敬意を払っている可能性は非常に高いと思われます。
面白いですよね。
ウェイトって、自分の敬愛するものには、本でも言葉であっても、尊敬する人を敬うような接し方(扱い方)をするんですよね。
なんとなくわかります、私も、そうしたくなる気持ち。
少し説明が長くなってしまいましたが、そして、これらを踏まえ〝It almost requires a Frater Sapiens dominabitur astris〟は「それはだいたい『賢者は星々を支配する』を必要とします」というような訳になります。
訳としては少し変ですが、意味はもう、言うまでもありませんよね^^
そして最後、〝in the Fellowship of the Rosy Cross〟ですが、こちらは今お伝えしました「薔薇十字友愛会」の前衛となるものとしておきましょうか?
「薔薇十字愛好会」くらいにしておこうと思います。
少しややこしいかも知れませんけど、それにちょっとかっこ悪く聞こえるかも知れませんけど、まぁ仕方ないです。
その会の中でこの言葉が使われるのかも知れませんね。
ですから〝in the Fellowship of the Rosy Cross〟は「薔薇十字愛好会の中で」というような意味になりますね。
ではまとめます。
〝It almost requires a Frater Sapiens dominabitur astris in the Fellowship of the Rosy Cross〟
→ それは薔薇十字愛好会における、我らが兄弟(or 敬愛する)『賢者は星々を支配する』をほぼ必要とします。
というような感じでしょうか?
かなり直訳に近い形かなと思いますが、割とこれまでの解説で内容も掴めるものがあると思います。
深い考察はまた後にします。
では次に進みます。
『clouds of folly』の意味|象徴学を理解するということは?
はい、では次に〝to have the patience which is not lost amidst clouds of folly〟を見ていきたいと思います。
単語と熟語から整理していきますね。
・patience → 忍耐、辛抱強さ
・amidst → ~の中で、~の真っ只中に
・lost amidst → ~の中で見失われる
・folly → 愚かさ、愚行
※これらはほんの一例です。
こちらは割と文章そのままな気がします。
前から見ていきましょう。
〝to have the patience〟ですが、こちらは「忍耐を持つ」というような意味ですね。
そして続く〝which is not lost amidst clouds of folly〟が、「愚かさという曇(くも)の中でそれが失われないように」というような意味になるかと思います。
敢えて「雲」を「曇」としたのですが、これはただの雲ではなく、「愚かさという雲の渦に飲み込まれそうな中でも」ということを、文字で表現したいなと思ったからです。
なんか、考える間もなくこうしようと身体の方が先に動いた感ありましたが、そういう意図です。
また、これまでにタロットに触れたことがある方であれば「え?そこは〝fool(愚者)じゃないの?〟」と思われた方もいらっしゃるかも知れません。(ウェイト=スミスタロットには〝愚者(fool)〟というカードがあるんですね。)
ですが、
- fool → 愚かな人のことを指す
- folly → 愚かな行いや判断を指す
ということで、少し意味が違うんですね。

まぁ、同じような感じもするかも知れませんが、ここでは単に「雲の中」という意味ではなく、知的な混乱や誤った思考が蔓延しているというようなことを表現したいのだろうと思うので、多分この理解であっているかと思います。
要は今と同じようなことで、この現代のタロット占いに使われるようなタロットの原点であり根幹となるものって、紛れもなくこれ(ウェイト=スミスタロット)ですよね?
ウェイト=スミスタロットの本質を知る方であれば、ご理解いただけると思うのですが、、、
金儲けが悪いとは言いません。
商業的な発展を否定するつもりもありません。
ですが、本来の象徴学を軽んじ、表面的な解釈を装いながら商業的な価値ばかりを追い求めることは、結果として、多くの人たちが望んでいる『真の叡智』から遠ざかっているのではないでしょうか?
この蔓延こそが、真の『clouds of folly』であり、今もなお、多くの人々を暗雲の中へと誘い続けているような気がします。。。
はい、では本題に戻ります。
まとめましょう。
〝to have the patience which is not lost amidst clouds of folly〟
→ 愚かさが渦巻く暗雲の中でも、それらを見失わないよう忍耐を持つこと
というような感じでいかがでしょうか?
けっこういい感じに訳せた気がします。
まとめるのが楽しみです。
では最後です。
ウェイト=スミスタロットを本当の意味で理解するということは?
はい、では最後の〝when the consideration of the Tarot is undertaken in accordance with the higher law of symbolism〟を見ていきたいと思います。
単語と熟語の整理から始めます。
・undertaken → 遂行する、実施する
・accordance → 一致、適合
・in accordance with → ~に従って、~に則って
・higher law → 高次の法則
※これらはほんの一例です。
では順番に見ていきましょう。
〝consideration〟は扱ったことがありましたね。▶▶こちら
まず〝when the consideration of the Tarot〟になりますが、こちらは「タロットを深く考察する時に」というような意味になるかと思います。
ふむふむ、では次は何が出てくるのでしょう?
〝is undertaken〟ですが、こちらは「行われる」という感じでしょうかね。
私の好きな受動態です。
全体の意味を把握してから、また調整したいと思います。
そして、少し長くなりますが〝in accordance with the higher law of symbolism〟が「象徴学の高次なる法則に則って」という意味になるでしょうか。
なるほどなるほど、今回の一文は割と平和に終わりそうです(笑)
いいですね~♪
久しぶりの安堵感♡
ではまとめてみましょう。
〝when the consideration of the Tarot is undertaken in accordance with the higher law of symbolism〟
→ 象徴学の高次なる法則に則ってタロットを深く考察する時
という感じかと思います。
珍しく皮肉めいたものがありません。。。平和。。。
ではまとめに入りたいと思います。
まとめ|結論・解説・考察
では、改めて今回の一文をご紹介します。
It almost requires a Frater Sapiens dominabitur astris in the Fellowship of the Rosy Cross to have the patience which is not lost amidst clouds of folly when the consideration of the Tarot is undertaken in accordance with the higher law of symbolism.
Arthur Edward Waite
『The Pictorial Key to the Tarot』より
そして、今回のこれまでの訳です。
→ それは薔薇十字愛好会における、我らが兄弟(or 敬愛する)『賢者は星々を支配する』をほぼ必要とします。
→ 愚かさが渦巻く暗雲の中でも、それらを見失わないよう忍耐を持つこと
→ 象徴学の高次なる法則に則ってタロットを深く考察する時
また、これまでの流れも把握できた方がわかりやすいと思うので、改めて前回の結論もお伝えしておきます。
オカルトの視点から歴史を眺めると、それは単なる装飾物ではなく、むしろ一般的な解釈の枠を超えることはなく、そこから得られるものはごく限られている。
最後に、これらの考察を踏まえ辿り着いた、当サイトの結論(意訳)がこちらです。
象徴学が持つ高次なる原理に従いタロットを探求する際には、我らが薔薇十字愛好会における『賢者は星々を支配する』に匹敵する忍耐力が必要不可欠である。
混沌とも呼べる暗雲の中で、それらを見失わないためには、それ同等の忍耐が試されることになるだろう。
はい、このようにいたしましたが、いかがでしょうか。
いつも通り、文の構造は無視しましたが、内容はしっかり反映できていると思いますし、日本語としても自然で、意味の伝わる形にできたと思います。
今回の一文には、あまりパンチの効いた皮肉はなかったように思えますが、ここでの言いたいことというのは、つまり「忍耐力のない人に、真のタロットを理解するなんて到底無理だろう。」というようなことだと思います。
実際、細かなところまで気を配って訳していると身としては、『まぁ、確かにそうかな。』と言いたいです、手前味噌ですが。。。
恐らく、多くの方にとってこの一文は、ウェイト自身が「この困難な作業をやり遂げたぞー!!」ということを自慢しているような一文に見えると思います。
『自慢』と言うと少し語弊がある気がしますが、でもそれは間違いではないと思います。
ただ、「実際に偉い人が偉そうにするのと、実際にはちっとも偉くもない人が偉そうにする」のでは、訳が違うと私は思うのですよね。(ぜひ、『進撃の巨人』を見てみてください。)
要は、私にとってはウェイトは本当にすごいなと思うので、本当にすごい人が『すごいだろ!』と言う分には特に何とも思いません。
「うん、すごいよ!!」と、私なら言います。
ですが、大してすごいとも感じられない人から『俺ってすごいでしょ?』と言われるのでは、訳が違うと思うのですよね。
もちろん、タロットのタの字ほど興味のない方にとっては、同様に「何言っちゃってんの?」みたいな文ではあるかも知れませんが、まぁその前にそんな方であれば、恐らくここまでも読まないでしょう。。。
もう何年も前のことになりますが、私が銀座にいた頃は、後者のような大人赤ちゃん、本当にいましたよ。。。
きっとその頃に目撃した『大人赤ちゃん』たちの多くは、きっと今も赤ん坊のままだと思いますが、このようなことを経験する度、人の価値について考えさせられることがありました。
だからこそ、ウェイト=スミスタロットのような、時を超えても尚、愛され続けるものに対しては、価値があるものなのだと実感せずにはいられません。
古くから伝わる、音楽や絵画のように、ウェイトが『art』『higher art』と言っていたのを思い返すと、「確かにな、、、」と思います。
ですから、時を超え、改めて私が心からウェイトに称賛の言葉を贈りたいと思います。
『ウェイトすごいよ!!』
本当に、いつかイギリス行きたいですね~♪
ウェイトのお墓があるビショップなんとか、、、▶▶こちら
少し話が逸れてしまいましたが、これまでのことをやや振り返ると、「真のタロットというものは、いかに超人的な能力を持った者だとしても、更なる努力が求められる作業である」というようなことなのだと思います。
そしてそれができる人こそ、『Sapiens dominabitur astris』すなわち「星々を支配する賢者」ということなのではないでしょうか?
確かに謙遜のようなものは見え隠れしますが、真のタロットを理解する=知の探究への挑戦のような伏線のようなものも、やや感じられます。
こういうの好きですけどね。
「ほぉ~、やってやろうじゃないの!!」みたな気持ちにさせられます、あくまで〝好き〟とか〝楽しい〟が前提にあるからだと思いますけども。
だってそうじゃないですか?
こんなにも素晴らしい世界観を作ったのですから、そんなの誰かにわかってもらいたいに決まってるじゃないですか?
私なんて酷いものですよ?
まだ記事が1つもない状態の、このサイトのお問い合わせページを友人に見せて、『すごいでしょ!!これ全部私が作ったんだから!!』と称賛を強要するくらいですから。。。
あれ?
私も大人赤ちゃんだったんですかね、、、(遠い目)
お後が宜しいようで。。。
今回はこれで終わります。
最後まで見てくださり、ありがとうございました。
ではまた次回。


