『The Pictorial Key to the Tarot(PART1)』を解読しながら訳していく Vol.17
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こんにちは。
前回は、これから公になる『真のタロット』の秘義(ほんの一部)に先立って、ウェイトの配慮が見られる一文でした。
それは、秘義を守る団員たちへの、ウェイトなりの配慮だったのではないでしょうか。
今回はとても楽しそうです。
既に、少し先回りをして資料などを集めていたのですが、早くお伝えしたいので、早速本題に入りたいと思います。
もくじ
今回の一文:『The Tarot of the Bohemians』再出版とその背景
では、今回の一文です。
In my preface to The Tarot of the Bohemians, which, rather by an accident of things, has recently come to be re-issued after long period, I have said what was then possible or seemed most necessary.
Arthur Edward Waite
『The Pictorial Key to the Tarot』より
今回は2つに分けて見ていきます。
〝In my preface to The Tarot of the Bohemians, which, rather by an accident of things, has recently come to be re-issued after long period〟
〝I have said what was then possible or seemed most necessary〟
この【PART1】に入ってから、比較的、ウェイトの文章も普通、、、と言いましょうか、少し易しくなりました。
本文の中に『The Tarot of the Bohemians』の斜め文字(イタリック)が見えたので、一瞬「やばい、また変なのが出てきた!!(歓喜)」と思っていたのですが、先日の『ラッパ』ほどではありませんでした。
段々と、通常の英語らしい英語の文章になってきているので、あまり負担も掛からなくなってきました。
もしかしたら、また難しいと感じる文章は出てくると思いますが、そこまで難しくなさそうであれば、割とぐいぐい進めてもいいのかなぁと思う今日この頃。
では、今回もよろしくお願いいたします。
『The Tarot of the Bohemians』の再版は本当に偶然なのか?
では、〝In my preface to The Tarot of the Bohemians, which, rather by an accident of things, has recently come to be re-issued after long period〟から見ていきます。
単語や熟語の意味の確認から始めます。
・accident → 偶然、予期せぬ出来事
・recently → 最近
・come to be → ~となる
・re-issued → 再版される
・period → 期間、時代
※これらはほんの一例です。
「ピリオド(period)」って「終わり」を表す言葉ではなかったのですね。
文の終わりに打つ、句点(。)のようなものですから、てっきり「終わり」を表すものなんだと思っていました。
では参りましょう!!
まず〝In my preface to The Tarot of the Bohemians〟ですが、こちらは「『The Tarot of the Bohemians』の序文において」という感じでしょうか。
この『The Tarot of the Bohemians』というのは、以前お話しした「タロットの起源はエジプトにあり!!」という起源説を推し進めた人、Papus(パピュス)の出版物です。(現状、タロットの起源はエジプトではありません)
【後日追記】この「以前お話しした」というのはEtteillaのことで、Papusと勘違いをしていましたが、内容に大きな違いがなかったのでそのままにしています。
そして、その中にウェイトの序文が載っていると言っているわけなのですが、はて、、、?
ウェイトはパピュスに良い印象を持っていなかったはず、確か、、、
これは一体どういうことなのでしょう?
こちらはまた『まとめ&解説』の方で詳しく取り上げていますので、ぜひそちらもご覧になってみてください。
正直、今回の目玉はそこで、そこに最も熱を込めました!!
早くみなさんにお伝えしたくて、うずうずしているのです。
すごく楽しみです。
では次です。
〝which, rather by an accident of things〟ですが、こちらは「むしろ、いろいろある物事のうちの1つの偶然によって」というような意味になると思いますが、文の全体を見て合わせたいと思います。
みなさんには、あまり不要な先入観を植え付けるつもりではないのですが、個人的にはこの部分はかなり不自然に感じます。
なんと言いましょうか、普通に「『偶然にも!!』ということを表せる単語一言で良くない?」と思ってしまうのですね。
何故、『偶然』という一語で済みそうなことを表現をするのに、ここまで回りくどい言い方をしているのでしょう?
みなさんはどう思われますか?
私には、これが偶然じゃないからこそ、むしろここまで『偶然』を強調しているように思えてしまうのです。
また『まとめ』で考察を述べますね、すぐ横道に逸れてしまうので。。。
そして続く〝has recently come to be re-issued〟ですが、こちらは「最近、再出版された」という意味でしょうか。
この〝come to be〟には「突然決まった」というよりは「ある流れの中でそういうことになった」というようなニュアンスがあるそうなのですが、、、「果たして、それは『偶然』と呼ぶのだろうか、、、」と私は思ってしまったのですが、私がひねくれているのでしょうか、、、?
個人的には、ちっとも偶然さは伝わってこない文章だなぁと思っています。
では最後になりますが〝after long period〟で、こちらは直訳しますと「長い期間の後で」という意味になりますが、「長い時を経て」という表現が適切かなと思います。
では、まとめてみましょう。
〝In my preface to The Tarot of the Bohemians, which, rather by an accident of things, has recently come to be re-issued after long period〟
→ 『The Tarot of the Bohemians』の序文において、どちらかと言うと、いろいろある物事のうちの1つの偶然によって、長い時を経て最近再出版された。
というような感じでしょうか?
敢えて直訳の形にしましたが、日本語としては不自然ですが、意味はわかりますよね。
あくまでも個人的にはですが「これは偶然じゃないだろ、ウェイトよ。。。」と、そう私のサイドエフェクトが言っています、、、ふふふ。
では次を見てみましょう。
『The Tarot of the Bohemians』での序文—ウェイトの意図とその重要性
はい、では次に〝I have said what was then possible or seemed most necessary〟を見ていきましょう。
文末にある〝necessary〟が「必要な」とか「不可欠な」という意味だそうです。
他はわかるので、このまま見ていきます。
〝I have said what was then possible〟こちらは「私は言った、その時可能だったことを」という感じかと思います。
あっ!!
大事なことをお伝えするのを忘れていました。
過去形の文章では、〝then(それから)〟という単語は「その時」という意味になるそうです。
「知ってるよ」という声が飛んできそうですが、念のため。。。(私は知らなったので、しばし「?」でした)
そして、続く〝or seemed most necessary〟が「もしくは最も必要だと思われたこと」という意味になるかと思います。
『The Tarot of the Bohemians』の序文で自身の伝えた内容について説明しているのかな?と思います。
『当時の状況の中では最も必要だと思うことを述べた』というようなニュアンスがあるそうで、逆を言えば『今ならもっと他の必要なことを述べれる』とも言えるのかな?という気がします。
では、まとめます。
〝I have said what was then possible or seemed most necessary〟
→ 私は言った、その時可能だったこと、もしくは最も必要だと思われることを
という感じでしょうかね。
こちらもだいぶ直訳に近い形にしてありますが、いずれにしても意味はわかりますよね。
では、お待ちかね、、、『まとめ』に入りたいと思います。
まとめ|結論・解説・考察
では、改めて今回の一文をご紹介します。
In my preface to The Tarot of the Bohemians, which, rather by an accident of things, has recently come to be re-issued after long period, I have said what was then possible or seemed most necessary.
Arthur Edward Waite
『The Pictorial Key to the Tarot』より
そして、今回のこれまでの訳です。
→ 『The Tarot of the Bohemians』の序文において、どちらかと言うと、いろいろある物事のうちの1つの偶然によって、長い時を経て最近再出版された。
→ 私は言った、その時可能だったこと、もしくは最も必要だと思われることを
また、これまでの流れも把握できた方がわかりやすいと思うので、改めて前回の結論もお伝えしておきます。
故に、この秘義を守る団員たちは、このことについて何ら警戒する必要はない。
最後に、これらの考察を踏まえ辿り着いた、当サイトの結論(意訳)がこちらです。
とある偶然により、最近『The Tarot of the Bohemians』が長い時を経て再版されました。その中にある私が書いた序文では、当時公にすることが可能だったこと、また最も必要だと思われることについて述べました。
このような形にしました。
いかがでしょうか?
例により、文の構造はほとんど無視していますが、日本語としてはかなり自然な形に仕上がったと思います。
では、ここから、この一文に関しての解説や考察を述べていきたいと思います。
私はこれを待っていました。
ぜひ最後までご覧ください^^
解説・考察
今回の一文は、意訳せずとも十分に理解できる内容だったと思います。
よって、改めて文章の意味をご説明する必要はないかと思います。
ところで、、、
この『偶然』は、本当に単なる偶然だったのでしょうか?
みなさんはどう思われましたか?
私は、ウェイトが言うほどの『偶然』さは、実はないんじゃないかな?と思っています。。。
ここからは、それについて詳しくお話しさせてもらえればと思います。。。
まずなんですが、この今回の一文に登場してきました『The Tarot of the Bohemians』という本について、改めて、少し説明させてください。
『The Tarot of the Bohemians』について
【The Tarot of the Bohemians】
原題:Clef absolue de la science occulte
著者:Papus
本名:Gérard Anaclet Vincent Encausse
【初版】
1892年:Chapman and Hall, Londonから出版
1896年:英訳版が同じくイギリスの G. Redwayから出版 (訳:A.P.Morton)
【第2版】
1910年:William Rider & Sonから出版
※『第2版』としましたが、『改訂版』などと言う方が、内容としてはあっているかも知れません。
何か気付くことはありませんか?
先ほどお伝えしました『本当に偶然なのか?』という着眼点は、割と的を射ていたように思います。
偶然?
いや、絶対違うでしょー!?
見てください、【第2版】の出版社名。
『William Rider & Son』——またの名を『ライダー社』(日本国内において)——つまり、我らがウェイト=スミスタロットの出版元にして、この『The Pictorial Key to the Tarot』の出版元でもある出版社。。。
これは、偶然を装った必然、、、と言っても過言ではないでしょう。。。
良く言えば戦略的、悪く言えば限りなく虚偽に近い事実、、、とでも言いましょうか。
どうりで、単に『偶然』とは言わず、『いろいろある物事の中の偶然と一致して』などと曖昧な表現をしていたのだと思いました。
物凄く不自然でしたもんね。
ですが、そうすることによって、仮にも、嘘つきとは見なされずに済む、、、もしかしたらそのような意図があったかも知れません。
話術(文学?)に長けているウェイトですから、このような戦術を取ることは造作もないことだったでしょう。
とはいえ、『苦肉の策』ではあるかも知れません、、、
恐らくですが、先ほどもお伝えした通り、ウェイトはパピュスをあまり好ましく思っていないと思います。
『ウェイトはパピュスに批判的だった』と記載されたサイトもよく見掛けます。
ですが、残念ながら、民衆の間ではパピュスの方が広く知られていたでしょうし、恐らく社会的な影響力も強かったと考えられます。
それはこれまでの記事の何処かでも、何度か触れたことがあると思います。(触れてないかな?、、、もし触れてなかったらごめんなさい。)
つまり、これは完全にパピュスの知名度を利用した、ある種の『戦略』のようなものだったのではないか?と私は考えます。
実際のところはわかりませんが、恐らくウェイトにとってもパピュスは『一介の作家』であり、そしてオカルティストとは認めていなかっただろうと、個人的にはそのように考えております。
とはいえ、一応、黄金の夜明け団の分派みたいなところに属していたそうで、もしかするといつかの〝writers〟には、このパピュスも含まれていたのかも知れません。(ちなみにパピュスもまぁまぁ問題児だったそうです。。。)
でも、ウェイトにとっての真実の『タロット』を、より多くの人に伝えたかったのは言うまでもありません。。。
パピュスの名に縋るような真似をするのは、きっと本人も不本意だったはずです。
ですが、ウェイトは『真のタロットを世に伝える』ということに誓いを立てていますからね。
プライドよりも使命を全うしようとするこの行動は、もしかすると、ウェイトの揺るぎない覚悟の表れだったのかも知れません。
いかがでしょう?
そして更に!!
私の中で「ほ~ら、やっぱり偶然じゃないじゃん」という気持ちをより強固にする『あるもの』を発見してしまいました。。。
それがこちらです、はい、どん!!

【右】偶然ライダー社から出版されたという第2版の『The Tarot of the Bohemians』
こちらは、どちらも『The Tarot of the Bohemians』の表紙なのですが、どう見ても(右)「これは〝運命の輪〟では、、、」という感じが否めません。
と言いますか、、、

完全に『運命の輪』ですよね。。。
これではまるで、ウェイトの著作物のようです。。。
この2版が出版されたのは『The Pictorial Key to the Tarot』が出版された1909年から、およそ1年後の1910年なんですね。
確かに〝物事〟というのは『偶然』という産物の寄せ集めかも知れません。
ですが、これはただの『偶然』にしてはぁ、、、出来過ぎている気がしませんか?
さて、この『The Tarot of the Bohemians』の著者、パピュス(1865-1916)は51歳という若さでこの世を去っています。
パピュスはオカルティストの前にお医様だったのそうなのですが、第一次世界大戦には軍医として参戦した人物でもあったそうです。
しかし1914年、戦争の最中で結核にかかっててしまい、その影響で2年後の1916年に亡くなってしまったそうです。
あまり悪く言うのは良くない気がしてきましたが、、、
個人的には「何故そのような人が『タロットはエジプトが起源だ!!』などという説を推し広めたのか?」という疑問は尽きません。。。
ですが、ここではオカルトの視点だけで考えたいのですが、ちょっと言い過ぎかも知れませんが、これを知ってしまうと、もしかしたらウェイトの中には、既に何かしらの思惑のようなものがあったのでは?というような気もしてしまいます。。。
うーん、正直、複雑な気持ちです。。。
まぁ、、、真偽や善悪、人の気持ちや感情といったものはさておき、事実として、このような形で再版されているわけなんですね。
で、私「これ(The Tarot of the Bohemians)ウェイトの序文のとこだけでも見れないのかな?」と思ったので探してみました。
すると、ありました!!
やりました!!
しかも、この『The Pictorial Key to the Tarot』もそうなのですが、〝パブリックドメイン〟といって、著作権が切れていたので、ネットでも公開が可能になっていたのです。(ただし、ものによっては制約がある場合もあります)
無料で読めるということです!!
一応、リンクを貼っておきます。
【初版】『The Tarot of the Bohemians』▶▶こちら
【第2版】『The Tarot of the Bohemians』▶▶こちら
念のためにお伝えしておきますが、ウェイトの序文が見られるのは【第2版】の方です。
最初の方から14ページほどあります。
「おいおい、自身の『The Pictorial Key to the Tarot』の序文よりも随分と長いじゃないか!!」という感じがしてしまいます(笑)
実際、『The Pictorial Key to the Tarot』以上に、1ページ1ページが隙間なく文字で埋め尽くされており、非常に長く感じられるかと思います。
すべて英文になりますが、最近のGoogleChromeはPDFでもコピー&ペーストができるようになったので、翻訳アプリやAIなんかにそのままコピペすれば、多少表向きな意味にはなってしまうかも知れませんが、翻訳ができます。
良かったら見てみてくださいね。
ぱっと見、普通にヘブライ文字とかも出てきていて、私も興味が湧いてしまいました。(少し前にヘブライ語を勉強していたんです、全然上達していませんが)
できれば、私も、そのウェイトの序文のところだけでも訳せたらいいなぁ~とは思ったのですが、現状はこちらが最優先ですね。
ぶれずに突き進みたいと思います。
また、最後になりますが、ごめんなさい。。。
私、途中までパピュスのことを、少し前に取り上げたEtteilla(エッテイヤ/エッテイラ)と勘違いしていて、道中パピュスが「タロットのエジプト起源説を推し進めた人」というような言い方をしてしまったのですが、、、
ところが、それがまさかの間違いではなくてですね、、、(笑)
そもそも、Etteillaがタロットのエジプト起源説を広めた張本人であるのは間違いないのですが、なんとパピュスも後に、同じくその説を積極的に推し進めていたことが判明しました。
間違っていたはずのに、同じ結論に辿り着いてしまいました。。。
「すごい前から書き直さなきゃ、、、」と、一瞬地獄に突き落とされたかのような気分でしたが、今一度確認しましたら、結果オーライでした!!
まさか、そのような形で収まるとは、、、(笑)
本家(初版)の『The Tarot of the Bohemians』から、あらゆる『エジプト』に関する記述を抽出し、翻訳して確認しましたので、多分この解釈で大丈夫かと思われます。
ここで本編に戻ります。
では何故、ウェイトは、これほどまでに偶然とは思えないこれらの事柄を『偶然』という言葉で表現したのでしょうか?
私が考えられることとしては1つ、、、
今の時代、ネットを使えば当たり前のように、調べたいことの答えがほとんど簡単に見つかります。
今はAIも進化し、誤情報も多いですが、それでも〝検索をする〟ということにおいては、格別に楽になりました。
しかし、ウェイトの時代にはそのような便利グッズは存在しませんでした。
中世を舞台にした漫画などでもよく見かけるのですが、その頃の〝新聞〟や〝本〟には、民衆の心理を操るほどのとても強大な影響力がありました。
情報は限られ、誰もが真実に辿り着けるわけではなく、多くの民衆は与えられた情報の中でしか物事を判断することができなかった、というわけです。
それは少し前の日本でも同じことが言えるかなと思います。(今もかな、、、)
時代は進化し、今ではインターネットが普及し、検索ひとつで膨大な情報を得ることができます。
しかし、それもまた、必ずしも『真実』『正しい情報』であるとは限りません。
誤情報が溢れ、操作された情報を、意図せず受け入れてしまうこともあるでしょう。
この点においては、民衆が〝真実〟を手にすることの難しさは、かつての時代と然程大きく変わってはいないということなのかも知れません。。。
そして、かつては〝新聞〟が強い影響力を持っていたように、当時の人々にとって〝本〟という存在もまた、世界を知るための貴重な手段だったと考えられます。
これらの存在は、限られた情報の中で、時には真実を伝え、また時には意図的に広められることもあったでしょう。。。
ウェイトが『偶然』という言葉を用いた背景には、こうした歴史的な文化や社会的な影響があったのではないでしょうか?
これなら少し、私も納得ができる気がします。。。
以上となります。
今後、どのような展開が待ち受けているのでしょうか。
楽しみです。
では、最後まで見てくださりありがとうございます。
また次回。


