『The Pictorial Key to the Tarot(PART1)』を解読しながら訳していく Vol.28
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こんにちは。
いかがお過ごしですか?
リアルタイムで見てくだっている方たちに、「リアルタイムで見ていてくださっているからこそ」の何かしらをお届けしたいと、いつも思っているのですが、訳を始めると、つい忘れてしまいます。(と言いますか、長過ぎるので「もういいよね」という判断になってしまいます)
この暑さですからね、もう「暑いですねぇ~」ということくらいしか、言うこともありません。。。(酷いですね)
さて、前回の一文は、『タロットがアルビジョワ派の秘密の象徴言語だった可能性がある』という、これまで誰も触れてこなかった可能性(仮説)を、ウェイトが持ち前の皮肉を効かせて語っている内容でした。
「やれエジプトだ」「やれインドだ」などと、もはや〝考える〟ということを放棄し、ただただ誰かが言ったことを繰り返し伝えてきたであろう多くの人たちに、まるで、ウェイトが一本の釘を打ち込んだかのようでした、ぐさっと。
今回の一文もまた、見慣れない単語がちらほら、どのような内容が繰り広げられるのか、楽しみです。
では、冷たいお茶なんかをご用意の上、ゆる~っとお付き合いください。
もくじ
今回の一文:
今回の一文です。
I commend this suggestion to the lineal descendants in the spirit of Gabriele Rossetti and Eugène Aroux, to Mr. Harold Bayley as another New Light on the Renais-sance, and as a taper at least in the darkness which, with great respect, might be service-able to the zealous and all-searching mind of Mrs. Cooper-Oakley.
Arthur Edward Waite
『The Pictorial Key to the Tarot』より
こちらを、3つに分けて見ていきたいと思います。
〝I commend this suggestion to the lineal descendants in the spirit of Gabriele Rossetti and Eugène Aroux〟
〝to Mr. Harold Bayley as another New Light on the Renais-sance〟
〝and as a taper at least in the darkness which, with great respect, might be service-able to the zealous and all-searching mind of Mrs. Cooper-Oakley〟
本文をそのまま引用しています。赤字の部分は改行時に使用されるハイフン(-)で間違いではありません。ハイフンを除いたものが元の単語になります。
わからないことが多いことに変わりはないのですが、段々と内容が濃くなってきた気がします。(個人調べ)
以前は、使われている単語を調べたとて、「はぁ?」と一筋縄では理解できないことも多く、1つのことを理解するのに平気で半日とか掛かることもありましたが、最近は割としっかり〝○○!!〟と出てきてくれる単語が多くなってきたので嬉しいです。
今回は、「人の名前かな?」と思われる単語がちらほら並んでいますね。
何故なのでしょう?
では早速、見ていきましょう!!
よろしくお願いいたします。
突如現れた2人の人物――彼らの意志を継承する者たちへ捧げるウェイトの提案とは?
ではまず、〝I commend this suggestion to the lineal descendants in the spirit of Gabriele Rossetti and Eugène Aroux〟を見ていきます。
いつも通り、単語や熟語の整理から行っていきましょう。
・commend → 提案する、称賛する、推薦する
・commend ... to ... → ~を~に勧める/捧げる
・suggestion → 提案、意見
・lineal → 直系の、血統上の、思想的な継承(かなり幅広い)
・descendants → 子孫、末裔、後継者、派生物(こちらもかなり幅広い)
・lineal descendants → 直系の子孫、精神や思想を真っ直ぐ受け継いだ者
・Gabriele Rossetti → ガブリエーレ・ロセッティ
・Eugène Aroux → ウジェーヌ・アロウ
※これらはほんの一例です。
すみません、気付いたらほとんどでしたね。
いつも通り、読めても、意味のわからない単語ばかりでした。
また、人の名前もリストに載せてしまいましたが、この方たちについては、また後ほど触れていきたいと思うのですが、そうですね、、、
今、この場では『タロットに直接関わった人たちではないけれど、〝象徴に秘められた意味を読み解く〟という思想の持ち主であり、後の思想に影響を与えた先駆者』というような認識でいてくだされば良いかなと思います。
もしかしたら、実際の読み方(発音)は少し違うかも知れませんが、穏やかに見守っていただけますと幸いです。
特にEugène Arouxさん(以後ウジェーヌ・アロウ)はフランス語なのですが、この方については、日本語で書かれている記事がなんと1つしか出てきませんでした。。。(そんなことってあります!?)
「それはむしろ、物凄く貴重なんじゃない?」と、個人的にはそのように思うのですが、せっかくそのようなお宝を見付けられましたので、ぜひここに共有させてください。
ウジェーヌの思想にも触れていて、今回の一文で「何故ウェイトが、この方の名前を出したのか?」という問いに対する手助けになるかも知れません。(私もまだいまいち理解できていませんが、後半の辺りからウジェーヌの名が現れます)
もしご興味がありましたら、ぜひこの貴重なお宝記事も読んでみてください。
・ブログ『事実だけとは限りません』仁木稔
『ダンテとテンプル騎士団』
また、Gabriele Rossettiさん(以後ガブリエーレ・ロセッティ)に至っては、同姓同名の、スキートという射撃の金メダリストの選手が出てきてびっくりしました!!(ちなみに〝スキート〟という種目を今初めて知りました。。。)
よって、ガブリエーレの記事を探すのもなかなか大変でした。
既に、冒頭からいろいろをお伝えしてしまいましたが、今回はなかなか〝やりがい〟がありそうですね。
頑張りましょう!!
では、まず最初は〝I commend this suggestion〟ですが、こちらは「私はこの提案を捧げます」という意味です。
英語なので仕方ないのですが、少し前まで「アルビジョワ派~」と、タロットの起源の可能性や仮説について話していたので、急に内容が変わったような気がしてしまうので、ついおかしくて笑ってしまうんですよね。
気を取り直しまして、では、一体どのような提案をするのでしょうか?
次に〝to the lineal descendants〟とあるわけなのですが、こちらはいろいろを加味しまして「思想の継承者たちに(へ)」というような意味になると思います。
複数形ですので「~たち」となります。
一般的な?直訳をしてしまうと、多分「直系の子孫」「血統上の子孫」というような訳になると思うのですが、〝 lineal descendants〟を分解して見ていきますと、それぞれの単語が、かなり幅広い意味を持つ単語のようでした。
〝descendants〟は、基本は「子孫」全般を指すそうなのですが、文脈によっては「思想的な継承」というような意味を持たせることもできるそうなのです。(基本的には補助となる単語が必要みたいですが)
そして〝lineal〟が付くことにより、「思想や精神などの流れを直線的に受け継いでいる正当な後継者」というような意味が強まるそうです。
ちなみに「ライニアル・ディセンダンツ」と読みます。(何故か私は〝ビザンツ帝国〟を思い出します)
最近、気付けば、解説を加えながら進めてしまっているのですが、大丈夫でしたか?
前は、「先に結果だけをお伝えした方がいいかな♪」なんて思い、意気揚々と各々の章(節?)をなるべく短めに、そして後から解説を、、、としていたのですが、正直、私自身はこっちの方がやりやすいのです。
そして、自分もわかりやすいということがわかったので、多分、今後こういう形で進めていくのかなという気がしています。
そもそも量が多いものですが、もしかしたら、見る方によっては、「読みづらくなった、、、」と思われる方もいらっしゃるかも知れません。
ですが、どうかご協力をお願いいたします。(正直、私自身もこんなに膨大になるとは思っていなかったのです)
では、先へ進みます。
では、最後の〝 in the spirit of Gabriele Rossetti and Eugène Aroux〟ですが、こちらは「ガブリエーレ・ロセッティとウジェーヌ・アロウの精神において/則って」というような意味になると思います。
最初は、「魂の中に!?」と脳内変換されたのですが、これもきっとゲームの影響でしょうね。
確かに〝sprit〟には「魂」という意味もあるのですが、どちらかと言えば「精神/志/気概」というような意味の方が一般的なようです。
ちなみに「気分/気持ち」「忠誠心/団結力」「法や理念の本質」「蒸留酒」と、実は幅広く意味を持っていました。
では、一度まとめてみましょう。
〝I commend this suggestion to the lineal descendants in the spirit of Gabriele Rossetti and Eugène Aroux〟
→ 私はこの提案を、ガブリエーレ・ロセッティとウジェーヌ・アロウの精神に則り、(直線的に)受け継いでいる者たちへ捧げます。
という感じでしょうか。
まだ、どんな提案かは出てきませんでしたね。
訳自体はそこまで難しくありませんでしたが、この2人の人物を追いかけるか否か、、、迷いますね。(素直に大変そう)
では、次のパートへ進みましょう。
ルネサンスに〝もう1つの新たな光〟を灯した人物への献辞
では、次の〝to Mr. Harold Bayley as another New Light on the Renaissance〟を見ていきたいと思います。
太字になっているため少しわかりにくいかも知れませんが、〝New Light on the Renaissance〟はイタリック体で表記されています。
つまり、〝New Light on the Renaissance〟は実在する著作のタイトルなのですが、これまでにも何度か似た場面はあったのですが、何故か今ふと「わかりづらっ!」と思ったのでお伝えしました。
英文では、書籍、映画、絵画などをイタリック体で表記するのが基本的なルールなんですね。
ただ、本来のタイトルは『A New Light on the Renaissance』だと思うんです。
これは、、、
久しぶりに来ましたね。
恐らくこれは、ウェイトにとってお気に入りの著作で、それをもじって、何かしらの意図を込めて本文に引用している可能性が高いと思います。
また〝Mr. Harold Bayley(以後ハロルド・ベイリー)〟は見てわかるように、またしても人物の名前で、この『A New Light on the Renaissance』の作者だそうです。
「何故こちらにだけ〝Mr.〟が付いているのかな?」と思ったのですが、多分それは、ウェイトと同じような時代に生きていた人物だったからだと思います。
『A New Light on the Renaissance』も、ウェイト=スミスタロットの発表と同じ1909年に出版されたものでした。
さて、、、
ここではわからない単語がなかったので、今回はどうやらサクッと終わりそうですね。
ではまず、〝to Mr. Harold Bayley〟ですが、「ハロルド・ベイリー氏に(へ)」という意味ですね。
そして〝as another New Light on the Renaissance〟と来るわけなのですが、、、
が、しかし、、、
何故サクッと終わらないのでしょうか?(笑)
一度、すごい愚直訳をしますね。
すると、「また別の新しいルネサンスの光として」という感じになると思うのですが、ここだけを見ているからなのか、ちょっと情報量が少なくて「急に何の話?」という感じが否めませんね。
〝ルネサンス〟だったり、〝光〟に関する話なんて何処にもありませんでしたよね?
何なのでしょう?
何処かで繋がるのかしら。。。
ひとまず、このまま進めてみます。
まだ先はありますので。
ということで、一度まとめてみますね。
〝to Mr. Harold Bayley as another New Light on the Renaissance〟
→ また別の新しいルネサンスの光として、ハロルド・ベイリー氏へ
という感じになるかと思います。
恐らく、こういう〝ルネサンス〟とか〝ゴシック〟とか〝ロココ〟という単語を苦手とする方は、きっと私以外にもいらっしゃると思います。
私たちが学校で教わるような歴史(世界史)は元より、文学史や美術史の区分としても使われる言葉で、ちょっと聞いただけでは「何?」と、イメージの湧きづらい単語ではないかなと思います。
こういう単語も、いずれ、タロットの歴史を基にした年表みたいなものを作りたいと考えています。(かなり先のことになりそうですが、、、)
あくまで自分用として、似たようなものを手書きしたものはあるのですが、さすがにちょっとお見せできない。。。(個人的には手書きは好きなのですが)
さっとお伝えしますと、〝ルネサンス〟は14~16世紀のヨーロッパで起きた、古代ギリシャやローマの、学問や文化の〝再生〟を目指す復興運動のことを指し、それは、イタリアのフィレンツェから始まったそうです。
実際〝ルネサンス〟には「再生」や「復興」という意味があります。
美術史で言う〝ルネサンス〟には、きっとみなさんも1度は聞いたことのある、有名な画家がたくさんいると思いますよ。
それでは、最後のパートへ参りましょう。
〝熱心な探究心〟に捧ぐ灯――とある女性へ贈られたウェイトの献辞
はい、では最後の〝and as a taper at least in the darkness which, with great respect, might be serviceable to the zealous and all-searching mind of Mrs. Cooper-Oakley〟を見ていきたいと思います。
また、単語や熟語の整理から行っていきましょう。
・taper → 蝋燭(の種類)
・darkness → 無知、混沌、未解明の領域、暗闇
・serviceable → 役に立つ、有用な
・zealous → 熱心な、情熱的な
・all-searching → あらゆるものを探究する(徹底的な探究心)
・mind → 精神、知性、思考
・Mrs. Cooper-Oakley → クーパー=オークリー夫人
※これらはほんの一例です。
では、まず初めに〝and as a taper at least in the darkness〟ですが、こちらは「そして、少なくとも暗闇の中の1本の蝋燭として」というような意味になると思います。
なんとなくでも、伝わってくるものがあると思います。
ちなみに「蝋燭って〝キャンドル(candle)〟じゃないの?」と思われた方、いらっしゃいますでしょうか?
その考えはあっていると思います。
そうですね、、、
ですが、外国、それも貴族のような豪華な家の食卓に並ぶような蝋燭、とお伝えしたら、きっと「あ、そういう蝋燭なんだ!」とイメージが湧きやすいかなと思います。

つまり、キャンドルの中でも、〝テーパー〟は細長い、上記の画像のような蝋燭で、一種類になります。
では、先へ進みましょう。
次の〝which〟は、「直前の〝darkness(暗闇)〟の部分を補足する文が始まるよ~」という、いわゆる関係代名詞というものになりますが、ここでは訳さず、このまま様子を見て進めたいと思います。
そして〝with great respect〟とありますが、こちらは愚直訳ですと「物凄く大きな敬意を払って」というような意味になると思いますが、ウェイトらしく語るのであれば(あくまで想像です)「深い敬意を込めて」とか「深い敬意と共に」とか、そのような感じだと思います。
これまでのウェイトの文章は、ほとんどが皮肉を含んでいるかのような内容が基本となっていますので、今回の一文は、かなり稀なパターンと言えるかも知れません。
続いて〝 might be serviceable to〟とありまして、こちらは「~にとって役に立つかも知れない」という感じですかね。
〝might〟につきましては、前回扱いましたので割愛します。
そして、最後に〝the zealous and all-searching mind of Mrs. Cooper-Oakley〟とありますが、こちらが「クーパー・オークリー夫人の熱心で徹底的な探究心」というような意味になるかと思います。
また後ほど詳しくお伝えしますが、この〝Mrs. Cooper-Oakley〟(以後クーパー夫人)は、神智学や象徴思想の探究者として知られる人物だそうです。
クーパー夫人(1854-1914)もまた、ウェイトと同じ時代を生きた人物で、ウェイトにとっては特別な存在だったかも知れませんね。(詳しくは後述しています)
この、一見割と平凡そうに見える一文に、いきなり4人もの新しい人物が突如現れたわけなのですが、「ウェイトよ、何故一度に4人も出してきた、、、(あくまで私の近い未来にうなだれているだけです)」という面持ちです。
『まとめ』頑張らせていただきます、ふんぬぅっ!!
では、一度まとめてみましょう。
〝and as a taper at least in the darkness which, with great respect, might be serviceable to the zealous and all-searching mind of Mrs. Cooper-Oakley〟
→ そして、少なくとも暗闇の中の1本の蝋燭として、クーパー・オークリー夫人の熱心で徹底的な探究心にとって役に立つかも知れないものとして、敬意と共に。
はい、ちょっとまだ日本語としては不完全ですが、なんとなくでも、言いたいことの意味は伝わってくるものがありますよね。
さて、、、『まとめ』に入りましょうか。
今回は、物凄い膨大な量になりそうですね。(ぜひとも、お茶のお代わりのご用意を)
まとめ|結論・解説・考察
では、改めて今回の一文をご紹介します。
I commend this suggestion to the lineal descendants in the spirit of Gabriele Rossetti and Eugène Aroux, to Mr. Harold Bayley as another New Light on the Renais-sance, and as a taper at least in the darkness which, with great respect, might be service-able to the zealous and all-searching mind of Mrs. Cooper-Oakley.
Arthur Edward Waite
『The Pictorial Key to the Tarot』より
そして、今回のこれまでの訳です。
→ 私はこの提案を、ガブリエーレ・ロセッティとウジェーヌ・アロウの精神に則り、(直線的に)受け継いでいる者たちへ捧げます。
→ また別の新しいルネサンスの光として、ハロルド・ベイリー氏へ
→ そして、少なくとも暗闇の中の1本の蝋燭として、クーパー・オークリー夫人の熱心で徹底的な探究心にとって役に立つかも知れないものとして、敬意と共に。
また、これまでの流れも把握できた方がわかりやすいと思うので、改めて前回の結論もお伝えしておきます。
少なくともこれまでに、眩いと言わんばかりの、ある1つの可能性は見逃され続けてきました。
それは――タロットがもしかすると、アルビジョワ派の秘密の象徴的な言語としての役割を担っていた可能性があり、更には、それがタロットの起源だったかも知れない――そんな発想すら、誰一人として思い浮かべたことはなかったからです。
最後に、本文の内容をより忠実に整えた(当サイト比)訳がこちらです。
私は――
ガブリエーレ・ロセッティ及び、ウジェーヌ・アロウの精神を受け継ぐ者たちに、
また、ルネサンスに別の新たな光をもたらしたハロルド・ベイリー氏に、
そして、暗闇の中、小さく光を放つ灯として、情熱的で探究心溢れるクーパー=オークリー夫人の精神に――
僅かながらにでも役に立つことを願って、深い敬意と共にこの提案を捧げます。
いやぁ~、ダッシュ(―)本当に便利ですね。
それにしても、いかがでしょうか?
私的には、けっこうしっくり来る感じに仕上げられたと思っているのですが、要は、4人の何かしらのスペシャリストに送る献辞、及び賛辞のような一文だったみたいですね。
また、冒頭の方で「どんな提案が出てくるのでしょう?」というようなことをお伝えしてしまったのですが、この〝提案〟って、もしかしたら前回の一文のこと(タロットがアルビジョワ派の秘密の伝達手段だったかも知れないという起源の可能性及び仮説)だったのかも知れないなと思いました。
あまり〝提案〟らしい提案はなかったですものね。
つまり、この何かしらのスペシャリストと思われる4人の登場人物(ウェイトが尊敬していると思われる)に、自分の提案を捧げられるほどの自信がある可能性(仮説)だった、ということなのではないでしょうか?
では、お待ちかね。
今回、新たに名前が挙がった方々全員に、自己紹介なんかをお願いしちゃいましょうかね。
宜しければ、ぜひ最後までお付き合いください^^
今回登場した4人+見えざる1人のご紹介
はい、では今回新たに登場した方たちに、早速自己紹介をお願いしたいところなのですが、すみません。
「え?そんな人出てきてないじゃん。」と思われてしまうのはごもっともなのですが、この御四方(と言うのかしら?)のご紹介をする前に、どうしても1人、お伝えしなくてはならない人物がいます。
それは、、、
ダンテ!!
仰る通り、今回の一文にはダンテの〝ダ〟の字も出てきていないのですが、どうしても前半の2人、ガブリエーレとウジェーヌを語るには、「このダンテ様を無視しちゃぁ、いけねぇ~よぉ~?」と本能が言うのです。
ということで、まずはこの『見えないけれど確かに存在する』、そんなDante Alighieri(ダンテ・アリギエーリ、以後ダンテ)について、少しばかり触れてみたいと思います。
ちなみに、慣れ慣れしく「ダンテ!!」なんて呼んでいますが、私はダンテについて、まったく何も知りません。(他の4名についてもですが)
どうか、私の学びにもお付き合いください。
ダンテ(Dante Alighieri)とは何者なのか?
現代でも〝資格マニア〟と呼ばれるような人がいらっしゃいますが、ダンテもまた、似たニオイがします。
詩人であり、思想家であり、哲学者でもあり、政治家でもあり、言語理論家でもあり、まるで肩書きのデパートのような人ですよね。
そんなダンテは、1265年、イタリアのフィレンツェで誕生しました。
幼い頃の生い立ちは、未だ謎が多いそうですが、聡明で、ラテン語なんかも理解していたと伝えられています。(昔は、誰もが教育を受けられるわけではなく、文字の読み書きがままならない人も多くいました)
彼の代表的な作品に、『神曲(The Divine Comedy)』というものがあります。
今でこそ、すごい良い曲のことを「神曲だ」なんて言ったりしますが、まるで現在という未来を予知していたかのようなタイトルですよね。
ちなみにダンテの『神曲』は「しんきょく」と読みます。
それに〝曲〟と言いながらも、実は『神曲』は〝音楽〟ではありません、〝詩(叙事詩)〟なんですね。
面白いですよね。
この『神曲』は、なんと自らが地獄・煉獄・天国を旅する壮大な物語を描きつつも、人間の魂の成長や救済を象徴的に表現したような作品で、なんと完成まで14年もの歳月がかかったそうです。

『神曲』でも特に有名な地獄篇第三歌
ですが、ここで大事なことは、「ダンテが何を描いたのか」ということよりも、「どう描いたのか」というところなんですね。
ダンテは、当時の知識人が使っていたラテン語(なるほど!だからラテン語って随所に面影があるんですね)ではなく、敢えて、自分の母語である、トスカーナ方言(今のイタリア語の基)で書いたそうです。
つまり、〝象徴〟という目に見えないものを、誰にでも届く言葉で描こうとした、というわけなんですね。
「いきなり〝象徴〟と言われても、、、」という感じですよね。
いくらこの『The Pictorial Key to the Tarot』の訳の中で〝象徴〟という概念を都度扱ってきていると言っても、ちょっと〝もの〟が変わるとイメージがしづらかったりすると思います。
私も「全然、意味がわからない!!」と、散々AIに噛み付きました。
すごくざっくりにはなりますが、要は「あるものを通して、別の意味や概念を伝える表現」というようなことですね。
実際『神曲』の中で、ダンテが旅する場面は、ただただ怖い話ということではなく、「人間が罪と向き合い、乗り越えていく」という、精神の旅を表しているそうです。
火や闇、数字や登場人物、、、それぞれの、目に見えない思想や感情を〝見える形〟として表現しているのだとか。
ダンテは、そのような〝象徴〟を、難しい言葉ではなく、誰もが読める言葉で描いたそうです。
また、私が見たYouTubeの動画では『ダンテがより多くの人々に聖書の世界観を伝えることを目的としていた』と説明されていました。(となると、熱心なキリスト教徒だったということなのかも知れません)
そうした姿勢や考え方(思想)が、後の象徴思想家たち、、、ガブリエーレとウジェーヌに深く影響を与え、もしかすると、ウェイト自身にも大きな影響を与えたのかも知れませんね。。。
何故、ダンテなのか?――仮想ウェイト視点からの関連性の考察
本文の中でウェイトが、自分の提案(恐らくアルビジョワ派の起源説のこと)を捧げたいと記述した、ガブリエーレとウジェーヌは、実は、どちらも「ダンテの作品には、表に出ていない〝隠された意味〟がある」という考えを持っていたそうです。
どちらも、『神曲』をただの〝詩〟として読むのではなく、〝象徴的な暗号〟として読み解こうとしていました。
まるで、何処ぞの誰かさんみたいですね。。。ぼそっ(小声)
- ガブリエーレは、ダンテの詩に秘教的な愛の言語(Fedeli d’Amore)を見出し、そこに〝隠された伝達手段〟があると考えていました。
- ウジェーヌは、ダンテの作品にカタリ派(異端的なキリスト教思想)の痕跡を見つけ、〝異端的象徴の地図〟として読み替えていました。
って、なるほど!!
この部分は、ウェイトが私たちに言っていた「アルビジョワ派」の仮説と通ずるものがありますね。
と言いますか、こうした人たちの影響を受け、ウェイトもまた「タロットもひょっとしたら、象徴言語だったのかも、、、!?」というような考えに至った、ということなのかも知れません。
つまり、ダンテ → ガブリエーレ&ウジェーヌ → ウェイト → タロット(→ そして私たち^^)というように、決して歴史的な出来事ではないかも知れませんが、長い時を経ながら、誰知ることもなく、静か~に、思想の継承のようなことが起きていたということなのではないでしょうか?(ちなみにダンテ~ウェイトまでは600年程の乖離があります)
ということで、「ダンテ先輩を無視することはできない」ということの、真意をお伝えできたのではないかと思います。
と言いますか、もしかしたら、ここではダンテ先輩を知ることが1番重要だったかも知れません。
そうすることで、本来の登場人物4人の自己紹介が、かなり楽になった気がします。
では、本編へ戻りましょう。
本編の4人――思想や象徴の探究者たち
では、ダンテ先輩より灯を授かった御四方1人1人に、自己紹介をお願いしましょう。(ここでは簡単にお話ししますね)
Gabriele Rossetti(ガブリエーレ・ロセッティ)
・ガブリエーレ・ロセッティ(1783-1854)
イタリアの出身の詩人であり、学者、思想家。
庶民の出自でありながら、文学と政治思想において深い洞察力を発揮し、その知性と信念によって国際的な評価を得ました。(この方もすごいですね)
「人はもっと自由に生きるべきだ」「王様や教会がすべてを決めるのは違う」――そのような信念を持っていたために、当時の政治的体制から危険視され、亡命を余儀なくされました。
そして、後にイギリスへ渡ります。
ダンテの詩に秘教的な暗示や暗号性を見出し、特に「Fedeli d’Amore(忠誠なる愛の者たち)」という表現には「愛の言葉を通して思想を伝える秘密結社が存在したのでは」と考えました。
この解釈は後に、息子のDante Gabriel Rossetti(ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ)に影響を与え、彼(息子)の象徴詩や絵画など、芸術的な形で再解釈されました。(ダンテ先輩への愛が伝わってきますよね)
ちなみに、英語版のWikipediaでは、ガブリエーレは〝貴族〟との記載があるのですが、いろいろを見比べますと〝鍛冶屋の息子〟という記述の方があっている気がしたのでそう記載しましたが、他意はありません。
また現在では、ダンテの詩が暗号だったと主張する研究者の方は存在するそうですが、多くの研究者の方たちが「『神曲』は象徴的・寓意的ではあるが、暗号とは言えない」と考えているそうです。
ですが少なからず、こうした人たちの存在が、今の私たちにも、ある程度の〝自由〟を与えてくれているきっかけにもなっているのかも知れないなと思いました。
【参考資料】
・Encyclopædia Britannica
∟ Gabriele Rossetti
亡命の背景、出自(鍛冶屋の息子)、詩人・思想家としての歩みなどが簡潔に紹介されていて、ガブリエーレの思想的立場や、ダンテ研究への貢献も記載があります。
・Wikipedia(英語版)
∟ Gabriele Rossetti
「Italian nobleman(イタリアの貴族)」と記載されている一方で、亡命の理由や主な著作、家族との関係性など、複数の情報が整理されています。他資料との比較に有用です。
Eugène Aroux(ウジェーヌ・アロウ)
・ウジェーヌ・アロウ(1793–1859)
フランス出身の政治家であり、翻訳者、思想家でもありました。(デジャヴ!?)
若い頃から自由主義的な立場を取り、王政復古期には反体制派として活動。
後に議員や検査官として公職に就きながらも、宗教と国家の関係に疑問を示し、「国家は特定の宗教に従属すべきではない」という立場を貫きましたが、そのような思想を持っていたため、政府から圧力を受けることもありました。
政治活動から身を引いた後は、文学と思想の研究に没頭。
ダンテの『神曲』をフランス語にしながら、「ダンテは異端者であり、革命家であり、社会主義者だった」という大胆な解釈を展開します。
ウジェーヌもまた『Fedeli d’Amore(忠誠なる愛の者たち)』という表現に注目し、ダンテを『Fedeli d’Amore』という秘密結社の一員と見なし、詩の中に政治的・宗教的メッセージが暗号として込められていると主張しました。
この解釈は、ロセッティの思想を受け継ぎつつも、〝賞賛〟ではなく〝警告〟として提示された点が特徴的です。
つまり、ウジェーヌは「ダンテの思想は危険だ」と考え、それを暴こうとしていたというわけなのです。
ちなみに、『Fedeli d’Amore』が実在する秘密結社であったり、ダンテがその一員だったという説が事実がどうかは、歴史的な根拠は乏しいそうです。
それにしても、仮にただの〝詩〟だったとして、それをそんなふうな見方ができてしまうのも、なんだか気の毒な気がします。
事実はわかりませんが、決して悪く言いたいわけではないのですが、そのような発想が浮かんでしまうこと自体、そうならざるを得ない状況だったのか、、、〝当時〟の重苦しさがひしひしと伝わってくる気がしました。
【参考資料】
・『Dante hérétique, révolutionnaire et socialiste』(1854)
ウジェーヌ本人の代表的な著作で「Fedeli d’Amore」や象徴的暗号の解釈も展開されています。(フランス語)
・University of Tennessee
∟ Dante and the Fedeli d’Amore
アメリカ南部を代表する名門州立大学、テネシー大学(University of Tennessee)の公式講義資料。
「Fedeli d’Amore」を神秘主義的視点から紹介し、ウジェーヌの思想を理解するのに適していると思います。
Harold Bayley(ハロルド・ベイリー)
※ハロルド・ベイリーに関しましては、ほとんどと言っていいくらいプロフィールのような詳細に書かれたものが見付かりませんでした。
そのため、ここに書かれている情報は、あくまで現在見られる『Harold Bayley』に関して書かれたものを、AIと私とで共同整理したものになります。参考程度にご覧ください。
・ハロルド・ベイリー(1868-1933)
イギリス出身の美術史家、著述家で、象徴や紋章、言語の起源に強い関心を持っていました。
代表作『A New Light on the Renaissance』(1909)では、印刷業者のマークや水印(〝透かし/ウォーターマーク〟のことだと思います)、紋章などの図像を通して、古代〜中世〜ルネサンスを通じて受け継がれた〝見えざる言語〟の探究をし続けました。
彼は、詩や図像は意味を持った象徴であり、古代から続く〝見えざる言語〟の痕跡と捉えていました。
そうした解釈は、時に大胆で「飛躍し過ぎている」と評されることもあったそうですが、ハロルド自身は「象徴は人類の記憶をつなぐ鍵である」と信じ、同時代の象徴主義者や神秘思想家たちとも響き合っていたようです。
ガブリエーレやウジェーヌのように、ダンテを直接扱っていたわけではありませんが、彼の『詩や図像は意味を持った象徴である』という信念は、ウェイトが敬意を抱くほどの熱意だったのでしょう。。。
【後日追記】この記事を書き終えた後、改めて下記の資料を読み返していました(軽く目を通した程度ですが)。するとその中に〝Divina Commedia〟という『神曲』のイタリア語表記が見つかりました。激しく追究したわけではありませんが、ハロルドもまたダンテから何かしらの影響を受けていたと考えても良いかも知れません。
【参考資料】
・『A New Light on the Renaissance』(1909)
彼の象徴研究の原点とも言える作品で、印刷業者のマーク、水印、紋章などを通じて、ルネサンス期に受け継がれた〝見えざる言語〟を探求しています。
Mrs. Cooper-Oakley(クーパー=オークリー夫人)
・イザベル・クーパー=オークリー(1854-1914)
インド生まれ。
ラホールで官僚を務めていた父が、女性の教育の価値を信じていた人物だったため、クーパー夫人は、当時としては非常に恵まれた教育環境の中で育ちました。(ラホールはパキスタン北東部の主要都市で当時はイギリスの植民地でした)
23歳の時、事故に遭い、2年間歩けなくなるという重症を負いました。
しかし、療養中の彼女はヘレナ・ペトロヴナ・ブラヴァツキー(1831-1891)の『Isis Unveiled(ベールをとったイシス)』と出会い、神智学に目覚めます。(小さい〝ッ〟ではないのでご注意、よく〝バッキ―〟と誤表記されるそうです。)
回復後はケンブリッジ大学のガートン・カレッジで哲学を学び、同じく神智学に関心を持っていた同級生のアルフレッド・ジョン・オークリーと出会い、1884年に結婚。
その後、2人はブラヴァツキーとともにインド・アディヤールへ渡り、神智学協会の活動に深く関わるようになります。(え?影響を受けた著作の作者と出会っているだけでもすごいのに、更に一緒にインドに移り住むとか、しかも旦那さんも一緒に、、、そんなことってあるんですか!?)
クーパー夫人は、神智学の思想を西洋の秘教伝統と結びつける研究に熱意を注ぎ、特にフリーメイソン、聖杯伝説、テンプル騎士団、サン=ジェルマン伯爵などに関する著作を多数残しました。
特に彼女が扱った「Fratres Lucis(光の兄弟団)」に関する未公開文書の調査は、ウェイトの他の著作である『The Brotherhood of the Rosy Cross』(1924)でも言及されており、クーパー夫人の資料収集力と象徴解釈の熱意を認め、高く評価していることが記録されています。ただし、ウェイトは、クーパー夫人の「批判的思考の欠如」や「証拠評価の甘さ」についても率直に述べており、敬意と距離感の両方を持っていたことが伺えます。
つまり、思想的な共鳴や、資料的な信頼はあったが、学術的な評価は、、、ということだったのかも知れません。
ちなみに〝神智学〟には、オカルト的な要素を含む部分もありますが、ヘレナ自身は「神智学は宗教ではなく、神聖な知識または科学」と位置付けていたそうです。
【参考資料】
・Wikipedia(英語版)
∟ Isabel Cooper-Oakley
生涯の概要、家族構成、教育歴(Girton College)、神智学運動への参加、著作一覧などが網羅されています。
・『The Brotherhood of the Rosy Cross』(1924)
ウェイトの著作で、第18章「Fratres Lucis」において、クーパー=オークリー夫人が未公開文書を調査した人物として言及されています。
・Wikipedia
∟ Helena Petrovna Blavatsky
クーパー夫人を調べる際に、気になって調べてみたのですが、想像の斜め上を行く女性でしたのでぜひとも共有させてください。
以上、今回の一文に登場した四人の思想家たちと、今なお多くの人に愛されるダンテについてのご紹介でした。
少しでも、みなさんの想像力や理解の手助けとなっていたら嬉しく思います。
ちなみに、ゲーム好きの私が言うのもなんですが、「ダンテ先輩の御尊顔を♪」と思いまして検索してみますと、実在するダンテより、ゲームキャラクターのダンテしか出てこない現実は、少し考えものだと思います。。。(ゲームのダンテもかっこいいのですが)
まぁ、これに限ったことではないのですが、正直「Googleさん、もうちょっと何とかしましょうよ」という感じがしました。
では、今回はこの辺でお暇させていただこうと思います。
ここまで読んでくださった方、いらっしゃるのでしょうか。。。
きっと物凄く大変だったと思います。
最後までお付き合いくださり、本当にありがとうございました。
また次回、お会いしましょう。


