『The Pictorial Key to the Tarot』を解読しながら訳していく Vol.16
この記事は約 11 分で読めます。

こんにちは。
前回は、タロットに込められた真の美しさや、それらを象徴によって表現する理由、さらに言語化における再現性について説明された一文でした。
また、翻訳の制度が少し良くなったのか、そうだと良いのですが、基本的に、ウェイトの一文一文には、表向きの一般的な英語訳と、マニアック向けの知らないと気付けない訳、2種類の訳がある、という発見もありました。
今回も、何1つ見落とさないよう、出来る限り頑張ります。
今回で13/18個目の一文です。
あと少しです。
では、よろしくお願いいたします。
もくじ
今回の一文 『沈黙の規則』について ウェイトの記録と考察
はい、では今回の一文です。
The justification of the rule of silence is no part of my present concern, but I have put on record elsewhere, and quite recently, what it is possible to say on this subject.
Arthur Edward Waite
『The Pictorial Key to the Tarot』より
こちらを3つに分けて見ていきます。
〝The justification of the rule of silence is no part of my present concern,〟
〝but I have put on record elsewhere, and quite recently,〟
〝what it is possible to say on this subject.〟
全然関係ないのですが、これまで「見ていきます」と言う時に「見て行きます」と漢字に変換していたんですね。
いつも「どっちがいいんだろうな~」なんて思いつつも、調べようとしたことがなかったのですが、たった今調べてみると『補助動詞』なんていう言葉があったんですね。
これまで、漢字にする必要のないほとんどの補助動詞を漢字変換していたと思うのですが、今からそういう意識を持てるようになりました!!
すみません、本当に全然関係のない話で。。。
ですが、きっとこういう細かいところまで見てくださっている方も、もしかしたらいてくださるかも知れませんので、どうか温かい気持ちで見てあげてください♡
では参りましょう。
『沈黙の規則』の正当性についてはここでは論じない
はい、ではまず〝The justification of the rule of silence is no part of my present concern,〟をやっていきます。
〝justification〟こちらは「正当化/正当性」という意味で〝The justification〟で何かの/を(The)「正当性/正当化」を表現しています。
何についてなのか?と言いますと〝of the rule of silence〟こちらは「沈黙のルール/規則」というような意味になります。
続いて〝is no part of〟ですが、こちらは「~の一部ではない」という意味で、前にもやったような、やっていないような。。。
そして〝present concern〟です。
贈り物の〝presnet〟は名詞ですが、他に動詞や形容詞としても使うんですね。
ここでは形容詞として使われていいますので「現在の/今の」という意味になるのですが、そんな意味があるだなんて知りませんでした。
動詞だと「提示する/贈る」という意味だそうです。
〝concern〟は「関心/懸念/心配」というような意味があるそうです。
ということですので、〝present concern〟は「今気になっていること」「今関心のあること」「今の目の前の問題」みたいな意味になってくると思います。
では、まとめてみます。
〝The justification of the rule of silence is no part of my present concern,〟
→ 沈黙の規則の正当性は、今の私の関心事の一部ではない。
というような感じになるかと思います。
「沈黙の規則」とは一体、、、また後で調べてみます。
次にいきましょう。
ウェイトは『沈黙の規則』について別の書で記録
次は〝but I have put on record elsewhere, and quite recently,〟になります。
雰囲気を掴みやすそうな文に見えますが、いかがでしょう。。。
〝but I have put on record〟は「しかし、私は記録として残す」というような意味になります。
〝put〟には様々な意味があります。
メジャーなものでは「置く」だと思いますが、他には「記録する」「(公式に)述べる」という意味もあります。
また〝record〟も「記録する」なのですが、こちらは情報を保存するということに特化した「記録する」だそうで、他には「書き残す」「録音する」などという意味もあるみたいです。
そして〝elsewhere〟は「別の場所で」というような意味です。
〝quite recently〟は〝quite(かなり/完全に)〟+〝recently(最近)〟ですので、「ごく最近」というような意味になります。
こちらは大丈夫そうですね。
ではまとめます。
〝but I have put on record elsewhere, and quite recently,〟
→ しかし、私は別の場所で記録を残しました、それもごく最近。
記録、、、?
何の記録なんでしょう。。。
次の〝what〟以降に書かれているかも知れません。
先を急ぎましょう、楽しみです。
『沈黙の規則』に関して言えることとは?
では最後の〝what it is possible to say on this subject.〟です。
こちらは一気にいけそうです。
何を記録しているかということについて書かれている文ですが、〝it is possible〟で「それは可能です」「それはできます」みたいな意味となり、続く〝to say on this subject〟が「このテーマについての述べる」といういうような意味になります。
したがって、、、
〝what it is possible to say on this subject.〟
→ このテーマについて言えること。
というような意味になるかと思います。
今回は割とさらっといけそうです。
では、まとめに入りましょう。
まとめ&解説
では今一度、今回の一文をお見せします。
The justification of the rule of silence is no part of my present concern, but I have put on record elsewhere, and quite recently, what it is possible to say on this subject.
Arthur Edward Waite
『The Pictorial Key to the Tarot』より
また前回の見解も載せます。
『この世の最も美しいものたちが最も美しくあることは必然で、最も深遠なものもまた美しいとあれば、それらはどちらも目を背けたくなるほど輝かしいことに違いない。
それ故、それらを存在として認識する上で最も普遍的な方法が〝象徴〟である。
だが、この物質世界においては同じ言語をもってしてもそれらを完全に再現することはできない。』
また、今回のここまで訳したものです。
→ 沈黙の規則の正当性は、今の私の関心事の一部ではない。
→ しかし、私は別の場所で記録を残しました、それもごく最近。
→ このテーマについて言えること。
これを、あまり文の構造を壊さず、単語の意味も直訳に近いよう、もう少し文章らしくしていきます。
直訳風
沈黙の規則の正当性は、今の私の関心事の一部ではない。しかし私は、このテーマについて言えることを、他の場所で、そしてごく最近、記録として残している。
という感じでしょうか。
言っている意味はわかるのですが、いまいち何が言いたいのかはわかりづらいです。
では、『タロットの世界』の見解です。
タロットの世界の見解
『沈黙の規則』の正当性については、今ここでは議論しない。しかし、このテーマについて私が言うべきことは、別の書に記している。それもごく最近のことである。
という感じですかね。
そもそも、そこまで難しい内容ではありませんでしたので、そこまで変化させる必要もありませんでした。
ここでのポイントは『沈黙の規則』と「他の場所→別の書に記している」というところでしょうか。
こちらについて少し解説をします。
『沈黙の規則』というのは、特にそのそのような言葉(フレーズ)があるわけではないように思います。
「またキリスト教の言葉かな?」「ラテン語、、、それとも何か宗教に関わる言葉?」「魔術や神秘主義に関わるような言葉かしら?」様々な角度から調べてみましたが、ウェイトと直接関わりのありそうなものを見付けることはできませんでした。
このことから、恐らく『沈黙の規則』はウェイトの造語かな?と、そのように想像できるとも思うのですが、一応「これかな?」と、繋がりとして知っておいてもいいんじゃないかな?と思ったものをご紹介します。
まず『沈黙の規則』という、恐らく造語は一旦横に置き、〝沈黙〟にだけ焦点をあてていきます。
するとウェイトはこれまでにも、『The Pictorial Key to the Tarot』以外の書物なんかでも、この〝沈黙〟について語られている場面が多くあるそうです。
実際に、私はその本を読んでいませんから、断言はできないのですが、でもそのようであれば、ウェイトにとって〝沈黙〟というものが特別なものであることは間違いなさそうですよね。
調べてみてわかった範囲にはなりますが、ウェイトが言う『沈黙の規則』を思わせる書物がいくつありました。
- 『The Book of Ceremonial Magic(儀式魔術の書)』
こちらには「魔術的な知識は慎重に扱うべきであり、無闇の公開すべきではない」というような考えが見られるそうで、そういった意味での〝沈黙〟。 - 『A New Encyclopedia of Freemasonry(フリーメイソン新百科)』
こちらではフリーメイソンの伝統の中で〝沈黙〟が重要な要素として扱われているそうです。
恐らくウェイトが「別の場所で(に)書き記した」と言っているのは、このような自身の書物のことなんかも指してるのかな?と思います。
また、ウェイトが属する魔術団体、黄金の夜明け団や薔薇十字団などの秘密結社における思想の中でも〝沈黙〟が重要な役割を果たしていたそうで、十中八九、ウェイトもその影響を受けているでしょう。
他には、そこまで影響力があるかな?と思ったのですが、でもまったくの関係がないとも言い切れないなと思ったので一応お伝えします。
キリスト教の聖ベネディクトゥス戒律という戒律にも沈黙が精神的な成長に不可欠な要素として扱われているそうで、これはそもそもは修道士に向けたものですが、私はキリスト教徒ではありませんが、私もそれには同感で、ウェイトも強烈なキリスト教信仰者ですから、もしかしたらこれも関係があるかも知れません、わかりませんが。
日本語には『口は災いの元』という言葉がありますが、この戒律には「多く話す者は罪を逃れられない」とされ、沈黙を守ることが霊的な鍛錬とされていたそうです。
また中世の修道院においては、沈黙が霊的な集中を促す手段として用いられ、無益な会話を避けることを求められていたそうです。
私は瞑想が好きなんですが、これを聞いて、内面に意識を向けるという意味では「瞑想と少し似ているかも?」と思いました、在り方としては全然違うでしょうけど。
瞑想が宗教的なものなのか、私はそんなことがどうかも知らずに「楽しいから」という理由で時折ふとやり始めるのですが、どんな宗教でも似たようなものはあるんですよね。
座禅(仏教)とかもそういったエッセンスですよね。
あ、瞑想はヒンズー教に属するのかしら、、、元々はヨガのセンスですもんね?
まぁ、こんなところです。
このようなことからもウェイトが〝沈黙〟に対して、特別な感情、または意味を持っているのは間違いないでしょう。。。
他の本の中で『沈黙の規則』みたいなタイトルを付けて、それについて語った章なんかがあるのかも知れませんね。
あ、ちなみになんですが、先ほどお伝えした『聖ベネディクトゥス戒律』なんですが、これは人の名前です。
最初、私は何処かの教会の名前を取った、教会独自の戒律かと思っていましたが、この○○トゥスというのが、なんとなく時代を表してるなぁという感じがしました。
残念ですが、エッグベネディクトとはまったく関係がありませんでした。。。
この○○トゥス(ヌス)という音を聞くと、ちょっとわくわくしてしまいます。
ベネディクトゥス、アウグストゥス、オクタウィアヌス、コンスタンティヌス、、、ローマですよ、ローマ、ふふふふふ。
ベネディクトゥスさんは皇帝ではありませんが。
ベネディクトゥスさんは6世紀頃のイタリア、ヌルシアという、今のノルチャと呼ばれる町で信仰を深めていたそうです。
なんでもノルチャは黒トリュフや生ハムの名産地だそうです。
ちょっと話が弾んで楽しくなってしまいました。。。
ということで、ウェイトが言う『沈黙の規則』にはこのようなことが含まれているのではないかな?と思いました。
それを、この『The Pictorial Key to the Tarot』の中では語らないよ、という意味だと思います。
では今回はここまでです。
最後まで見てくださった方、ありがとうございます。
また次回。


