『The Pictorial Key to the Tarot』を解読しながら訳していく Vol.19
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この記事での『神秘学』における訳や解釈は、現在の解釈とはやや異なります。細かな点にはなりますが、研究過程の一部分として敢えて修正せずに残しています。その変遷も含め、温かく見守っていただけたら幸いです。
はい、ではやっていきましょう。
前回は、ウェイトの言うタロットがトランプの歴史とは無関係であり、ウェイト自身、トランプには何ら関心を持っていないこと、更に、この〝Preface(序文)〟の後の小論がフランスの特定の神秘学派に向けられたものであり、過去50年にわたる幻(誤った解釈)とその核心に迫る試みである、ということが語られていました。
また、この『フランスの特定の神秘学派』が何なのかということにも焦点をあて、タロットとカバラを紐づけた元祖、フランスの神秘思想家エリファス・レヴィがウェイトに与えた影響についての考察もまとめました。
かなり長い一文でしたのでボリュームがありますが、単語のニュアンスなども細かく見ていますので、よろしければそちらも併せてご覧ください。
今回は、小論の第2部について書かれた一文です。
楽しみですね。
では早速見ていきましょう。
もくじ
今回の一文 第2部の解説|改良された完全版タロットへの導き
はい、では今回の一文です。
In the second part, I have dealt with the symbolism according to some of its higher aspects, and this also serves to introduce the complete and rectified Tarot, which is available separately, in the form of coloured cards, the designs of which are added to the present text in black and white.
Arthur Edward Waite
『The Pictorial Key to the Tarot』より
そこまで長いわけではありませんが、文のまとまりを考え、4つに分けました。
〝In the second part, I have dealt with the symbolism according to some of its higher aspects,〟
〝and this also serves to introduce the complete and rectified Tarot,〟
〝which is available separately, in the form of coloured cards,〟
〝the designs of which are added to the present text in black and white.〟
あと2回、、、今回の一文を抜いて残りあと2回です。
また赤く記した〝coloured〟ですが、こちらはイギリス英語の綴りだそうで、アメリカ英語だと〝colored〟になります。
では、よろしくお願いいたします。
第2部について|ウェイト版タロットに込められた象徴
はい、では〝In the second part, I have dealt with the symbolism according to some of its higher aspects,〟ですが、いつも通り前から順に見ていきます。
〝In the second part〟ですが、こちらは「第2部には(では)~」ですね。
これから小論の第2番目の内容について語られていくわけですね。
楽しみです。
そして〝I have dealt with〟は「私は扱いました/論じました/考察しました」というような意味です。
前々回〝dealt〟をやりましたね。
何を扱っているのでしょうか?
〝the symbolism〟は「象徴性」というような意味になりますが、こちらは文の内容によって多少変化すると思います。
続いて〝according to〟ですが〝according〟も以前どこかでやりましたね。
ちょっといつだったかを忘れてしまいましたが、こちらは「~に基づいて」とか「~に従って」というような意味です。
何に基づいて(象徴を)扱っているのか?ということですが、それが〝some its higher aspects〟とあります。
〝higher(高次の)〟は大丈夫そうですかね。
〝aspect〟には「側面」「観点」「特徴/性質」「様相」「状況」などの意味があるそうで、使い方の幅が広そうです。
〝aspect〟と聞いて私は「アスペクト比!?」としか思いつきませんでしたが、こんなにもいろいろな意味を持つ単語なんですね。
もちろん〝アスペクト比〟の〝アスペクト〟も同じ〝aspect〟なんですが、意味という意味よりは「形の側面」というニュアンスを持つそうです。
不思議な単語です。。。
ということで〝some its higher aspects〟は「いくらかのそれらの高次の側面」というような意味になりますが、例により、直訳だと少し変な日本語ですね。
では、まとめてみましょう。
〝In the second part, I have dealt with the symbolism according to some of its higher aspects,〟
→ 第2部では、私はそれらのいくつかの高次の側面に基づいて象徴性を扱いました。
少し日本語としては変な流れですが、なんとなく言わんとしていることはわかりますよね。
では先へ進みましょう。
第2部の役割|完全版として改良されたタロットへの導き
はい、では次の〝and this also serves to introduce the complete and rectified Tarot,〟です。
〝and this also〟は「そしてこれもまた」ですね。
普通の英語、と言うと少し誤解が生じそうですが、こういった頭を悩ませない単語が出てくるとほっとします。。。
続く〝serves to introduce〟は〝serves〟という単語が「役に立つ」「奉仕する」といった感じの意味で、〝to introduce〟は「紹介する」です。
「紹介する」+「役に立つ」わけなので、「紹介する役割を担う/果たす」というような感じになるかと思います。
そして〝the complete and rectified Tarot〟です。
〝the complete〟の〝the〟は特定のものを指す時に使います。
訳すなら「その」とかとなると思いますが、文脈によっては訳さない時も多々あるので、個人的には〝the〟は昔から掴みどころがよくわからない、不思議な単語です。
〝complete〟は「完全な」「完成された」というような意味です。
後ろの〝rectified〟は「修正された」「訂正された」「正された」という意味だそうで、「(その)完全な」+(and)「訂正されたタロット」で「完全且つ修正されたタロット」というような意味になります。
まとめます。
〝and this also serves to introduce the complete and rectified Tarot,〟
→ そして、これもまた完全且つ修正されたタロットを紹介する役割を担う。
どうでしょう?
割と普通に訳せました。
先が気になります。
完全なるタロット|配色による新たな象徴
3つ目は〝which is available separately, in the form of coloured cards,〟です。
〝which〟は前文の〝the complete and rectified Tarot〟を指していると思います。
そして〝(is) available〟は「利用可能な」や「手に入る」という意味だそうで、〝separately(単独に/別々に)〟とありますので「単独で手に入る」というようなことを言っているのだとと思います。
そして何が手に入るのか?と言いますと、、、
それが〝in the from of coloured cards〟なんですが、こちらは大丈夫そうですかね。
「色付けされたカードの形で」というような意味です。
まとめてみましょう。
〝which is available separately, in the form of coloured cards,〟
→ それは、別に、色付けされたカードの形で入手可能である。
というような感じですかね。
現段階で思うことはいろいろとありますが、何より先が気になりますので、先に進みたいと思います。
前作『The Key to the Tarot』の改良も|追加された黒と白のデザイン
はい、では最後です。
最後は〝the designs of which are added to the present text in black and white.〟になります。
〝the designs of which〟は直訳すると「それ(前文の〝coloured cards〟のことだと思います。)の、そのデザイン」ということになりますが、「それの(その)デザインは~」で良い気がします。
続いて〝are added〟ですが、〝added〟は〝add〟の受動態で「追加された」「加えられた」という意味だそうです。
+〝to the present text in black and white〟とありますが、〝present(現在の/今の)〟は少し前にやりましたね。
ということで〝to the present text in black and white〟は「白黒で現在の文章に追加された」というような意味になります。
まとめます。
〝the designs of which are added to the present text in black and white.〟
→ それらは白黒で現在の文章に追加されたデザイン
一旦はこのような訳にしますが、これはかなり愚直に訳したものになります。
ですが、意外と、ストレートにただ直訳したものでも、日本語としての言い方が変なだけで、かえって余計なものがないと言えばないので、これはこれである意味、ダイレクトに伝わってくるものがあると思います。
もちろん、また調整します。
ですが、やはりある程度はそのままの意味を知っていた方が、より理解が深まりやすいかなと思っていますのでそのようにしています。
では、まとめに入りましょう^^
まとめ&解説
では改めて、今回の一文をお見せします。
In the second part, I have dealt with the symbolism according to some of its higher aspects, and this also serves to introduce the complete and rectified Tarot, which is available separately, in the form of coloured cards, the designs of which are added to the present text in black and white.
Arthur Edward Waite
『The Pictorial Key to the Tarot』より
そして、今回のこれまでの訳です。
→ 第2部では、私はそれらのいくつかの高次の側面に基づいて象徴性を扱いました。
→ そして、これもまた完全且つ修正されたタロットを紹介する役割を担う。
→ それは、別に、色付けされたカードの形で入手可能である。
→ それらは白黒で現在の文章に追加されたデザイン
また、こちらが前回の見解です。
『これが、トランプの歴史に貢献するものとして提示されているわけではないということは当然理解されるべきことであろう。
私はそれについて何も知らないし、また関心もない。
この小論は、主にフランスのある特定の神秘学派に捧げ、向けられたものであり、過去50年という歳月の中で、タロットカードをさも歴史的な解釈をしているかのように見せかけてきた全ての幻と、またその核となる源に迫るものである。』
では、今回の一文の直訳風です。
本文の意味や、構造をなるべく壊さないよう、割と忠実に訳したものがこちらです。
直訳風
第2部では、私はそれらの中のいくつかの高次の側面に基づいて扱いました。
そして、これもまた完全且つ修正されたタロットを紹介する役割を果たします。
それは別途、彩色されたカードの形で入手可能であり、そのデザインはこの本文に白黒で追加されました。
最後にこれらを踏まえた、当サイトの見解です。
タロットの世界の見解
第2部では、象徴に込められた意味を、いくつかの高次なる観点から扱っています。
そして、これは完全版として改良されたタロットを紹介する役割を担っています。
それは別途、配色を施したカードという形として入手可能であり、そのデザインは白黒で本書に付け加えられています。
はい、という感じでいかがでしょうか。
少しだけ解説をさせてください。
割と力作です。
今日初めてタロットに興味を持ったという方にでも、タロットなんかまったく興味ないねという方にでも、どんな方が聞いても、なるべくわかりやすい訳を心掛けています。
ですが、神秘用語のなんでもかんでもを平たくし過ぎてしまうと雰囲気も損なわれてしまいますので、なかなかそれが難しいところです。
でもまぁ、それが面白かったりするのですが。
ここで言うならば、例えば〝higher(高次)〟や〝the symbolism(象徴性)〟という言葉は、恐らく普段私たちが生きてる中では、普通には使われない言葉だと思います。
何故なら、私が生まれてきてから今日に至るまで、タロットと関わっていない時にこの言葉を聞いたことがないからです。
字を見れば、いくらかそれに対するイメージみたいなものが湧くとは思うのですが、割とこのような言葉って抽象的でぼんやりしていて、私にとっては「だから何?」「要は何?」「それってどういうこと?」と言いたくなってしまう突っ込みどころ満載の対象となってしまうのですね。
ですので、ここでの直訳風では『それらの中のいくつかの高次の側面に基づいて』と訳していますが、見解では『象徴に込められた意味を、いくつかの高次なる観点から扱って』としました。
もちろん、多くの方に伝わればいいなという思いからですが、先ほどもお伝えしたように、だからと言ってあんまりに改変してしまうもの気が引けます。
というのを踏まえて、いつも『タロットの世界の見解』として直訳を新たに訳し直すんですが、それでも「はぁ、、、?」ってなる部分はけっこうあると思うんですね。
で、今回のこの『高次の側面』及び『高次なる観点』というのも、知っている方、また聞きなれている方にとってはスルーする部分だとは思うのですが、急に中身について解説しだしたかと思いきや、また、わかる人にしかわからないようなことばかり言っている気がします。
できれば私は、私の思う本来のタロットとして、多くの方に面白さをお届けできればと思っています。
ウェイトに代わり、今回の一文をもう少し詳しく説明させてください。
はい、ということでですね、この『それらのいくつかの高次の側面』というものが何なのか?ということなんですが、これは「それら」というのは「象徴性」のことを指していると思っています。
で「いくつかの高次」として、考えられるものはたくさんあると思うのですが、例えばこのウェイト=スミスタロットに組み込まれたユダヤ教のカバラである『生命の木』なんかはまさしく、そのうちの1つの「高次」だと思うんですね。
また、例えば占星術の概念(体系?)も組み込まれていますから、それも1つの「高次」と言えると思います。
錬金術の体系であったり、他にも例えば、〝恋人〟のカードにはキリスト教の聖書が関わっていますが、これは、これまでにもお伝えしてきましたように、ウェイトにとってキリスト教は愛して止まないものですから、それもまた1つの「高次」と呼べるでしょう。

そう思いながらも、少し考えてみますと〝教皇〟や〝女教皇(女司祭とも言いますが私は女教皇と言っています)〟といった名前のカードがありますが、こちらもそもそもはキリスト教の言葉ですよね。
そう言えば、たった今、まさしく今日、コンクラーベ(ローマ教皇を決める選挙のことです)です!!2日目!!
いつか豆の話をしたのを覚えていますか?
それはギリシャの選挙におけるお話でしたが、たった今コンクラーベの中継を見て知ったのですが「白煙なら決定、黒煙なら再投票」とありまして、白と黒って、昔からこのようなことに使われてきていたんですね。
「白黒決着付けようぜ!!」なんて言葉もあるくらいですしね。
しかし、、、5日くらい前からわざわざ、これのために煙突を付けているそうなんですが、それは初期設定ではないんですね?
不思議。。。
私の中の煙突って銭湯とかにある長いやつが煙突なので、わざわざ取り外しができる煙突って一体、、、と、このような行事は昔からあるでしょうに、何故最初から設置されなかったのでしょうか、、、不思議です。。。
こんな時代になっても、そのような演出を、、、なんて言ったら怒られてしまうかも知れませんが、なんか変なのと個人的にはそう思いました。
余談でした。。。
ということで、『いくつかの高次』について、なんとなくイメージできてきたんじゃないかな?と思います。
逆説的に言うと、ウェイト=スミスタロットに組み込んだあらゆる体系や概念のことをまとめて『いくつか高次』と呼んでいるんだと思うんです。
そして、『これは完全版として改良されたタロットを紹介する役割を担っています。』は割とそのままですが、「修正」とするより「改良」とした方が、なんとなく良い気がしました。
なんとなくなんですが、個人的に「直す」「正す」みたいな言い方ってあまり好きじゃないんですね。
今ここでは詳しくは述べませんが。。。
最後に、『それは別途、配色を施したカードという形として入手可能であり』とありますが、それはまさしくみなさんがご存じ、ウェイト=スミスタロットのことを指していると思います。
そして以前にも何処かでお伝えした気がするのですが、この『The Pictorial Key to the Tarot』は、先にあった『『The Key to the Tarot』という本の改良版なんですね。
見てわかる通り、元々の『The Key to the Tarot』には〝Pictorial〟がなく、実際の本の中にもカードの挿絵がないそうです。
ですので、『そのデザインは白黒で本書に付け加えられています。』というのは、「今回、この本には新たにカードのデザインを追加したよ、白黒だけどね」という意味だと思います。
ちなみにこの時代にはもう、カラー印刷の技術はあったそうです。
新聞や雑誌、商業用の大きな広告、ポスターなどさまざまなにあったそうですよ。
ただし、今みたいにプリンターで、というわけにはいきません。
リトグラフ(石版印刷)と呼ばれる技法が主流だったそうで、色が多ければ多いほど手間もお金も掛かったそうです。
白黒なのは一瞬「コストの関係かな?」とも思えなくはありませんが、でももちろんカードも買ってほしいでしょうからね。
個人的にはこの白黒のカード(印刷)も、統一感があって良いと思いますし、ウェイト=スミスタロットは最初から版画印刷ではないそうなのですが、白黒だからなのか版画のようにも見えるこの風合いもかっこいいなとも思います。
要はこのカードのデザイナー、パメラ・コールマン・スミスが色を付ける前のものがそのままそっくり印刷されているわけですから、ある意味貴重な気もします。
前にも言いましたが、これを単なる占いの解説書、として買ってしまうと「なんだよ、なんで白黒なんだよ」と思われてしまう方もいらっしゃるかも知れませんが、個人的にはこれ〝本〟ですので、普通に白黒で正解なんじゃないかなと思います。
ちなみに今はカラー版のものもあるそうですよ。
では以上で解説を終わります。
あくまで1つの考え方として、参考にしていただけましたら幸いです。
では最後まで見てくださり、ありがとうございました。
また次回。


