『The Pictorial Key to the Tarot』を解読しながら訳していく Vol.20
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どうしましょう。。。
〝Reface(序文)〟も残りあと1つとなってしまいました。(今回を抜いてです)
振り返ってみると、たった5ページ訳すのに約1か月半掛かってしまったのですが、1か月半と言うと約45日くらいですから、1ページ訳すのに9日も掛かっているんですね、、、
そう考えるととても時間が掛かっているような気がしますが、でもまぁ、それなりに内容が濃いので、仕方ないですかね。
以前にもお伝えしましたように、もちろん早くできることに越したことはないんですが、やはりそれよりは完成度を重視したいところであります。
少し気が早いですが、たった5ページでも〝終わり〟は1つの区切りとなりますから、少しほっとしています。
では、参りましょう。
今回の一文 タロットの象徴体系とその未来|知られざる芸術家の存在
では今回の一文です。
They have been prepared under my super-vision—in respect of the attribution and meanings—by a lady who has high claims as an artist.
Arthur Edward Waite
『The Pictorial Key to the Tarot』より
どの文章の間にもエムダッシュ(—)が入っていますね。
長くはないですが、いつも通り分けながら見ていきたいと思います。
- 〝They have been prepared under my super-vision〟
- 〝in respect of the attribution and meanings〟
- 〝by a lady who has high claims as an artist.〟
また〝super-vision〟は本の中で改行される時に付けられるハイフンで、〝supervision〟という単語です。
最後の1つ前にしてこの短さ。
最後の一文はまた少し長いのですが、ちょっと嬉しいです。
また、今回の一文には謎のようなものが仕掛けられているようには見えず、自分で打ち込んでいても「あぁ、なるほど♪」と、なんとなくでもわかる一文だったので、それもまた気が楽です、少し。
ブログが長い時って、読む方も大変だとは思うのですが、私も大変なんですね(笑)
今回はまた新たな人物が出てきそうな予感、、、
果たして、すんなり終わることができるのでしょうか。。。
では参りましょう。
ウェイトの監督下で準備されてきたもの
はい、ではまず〝They have been prepared under my super-vision〟ですが、前から順に見ていきたいと思います。
〝They have been prepared〟とありますが、〝prepared〟の原型〝prepare〟は「準備する」というような意味だそうで、それ+「have + been」ですから、「既に準備されている」というようなニュアンスになります。
〝prepare〟は、なんとなく始めてみようかなぁ~といった感じの「準備」ではなく、計画的な作業を含むことが多いそうです。
「十分に考慮した上で、、、」みたいなニュアンスがあるそうです。
〝They〟は前回の小論の第2部の説明にあった、ウェイト=スミスタロットのことを指しているかと思います。
そして〝under my super-vision(supervision)〟とありまして、この〝supervision〟は「監督」や「管理」「指導」といったものを表すそうで、「私の監督のもと~」というような意味になります。
ちなみになんですが、これ実際の本の中でも〝super-vision〟と書かれているのですが、もしかしたら改行時のためのハイフンではない可能性があるみたいです。
そんな、本の中の文字数や並びまで意図的なものなんだったら、なんだかすごい驚きですが、一応copiが言うのでお知らせしますね。
一般的には〝supervision〟であっているみたいなんです。
ですが、もしかしたら〝super-vision〟が意図的かも知れないと言っていて、念のために調べてみましたが、やはり普通に使われる書き方ではないそうなのですが、ウェイト以外にもこの書き方を使っている人がいたんですね。
一応、名前だけでもお伝えしておこうと思います。
〝super-vision〟について
- Julie Hay
現在も心理学やコーチング、メンタリングなどの分野で活躍されている専門の方。
私が見た記事では日本人っぽくも見える女性の方でした。
『Supervision or Super-Vision?』という論文を発表しているんですね。
英語ですが、面白そうなので良ければ見てみてください▶▶こちら - Robert C. Pooley (1989-1978)
英語教育やカリキュラムの開発に関わった学者。
特に教育における監督の役割について研究していたそうです。
こちらの方も『From Supervision to Super-Vision』というタイトルの論文を書いているんですね。
調べてみたらウェイトの本(『The Pictorial Key to the Tarot』)と少し似ていて、最初の〝when〟が全部大文字で始まったり、時代を感じられました。
ということで、もしかすると、単なる改行時のハイフンではないのかも知れません。
何か参考になれば幸いです。
意味はなんとなくわかると思いますが、「より優れた監督者」や「深い洞察を伴う監督」「特別な視点を持った指導者」とか、〝super〟ですからね、「ものすごい監督!!」ということなんだと思います。
ですが、正直、ウェイトは自分を持ち上げるために言っているのではなく、いえ、もしかしたらそういうつもりもあるかも知れませんが、どちらかと言えばビジョンですからね、さまざまな意味があると思うのです。
どちらかと言うと、先を見通せる力がすごい、みたいなことを言いたいのかなって、個人的にはそう感じているんですね。
以前にも、ぱっと見は「俺すごいでしょ!!」と、言っているように見える文があった気がしますが、恐らくそれはまた、表面的で一般の方々に向けられたであろう言い回しで、実際はそうではないかも知れないということを何処かでお伝えしましたよね。
何処だったっけな、、、
多分この辺りかしら?▶▶こちら
よろしければ見てみてくださいね。
若干「自分で言っちゃうんだ、、、」感はありますけども、でも、実際、特別な視点(視野?)を持っていたことには間違いありませんからね。
ではまとめてみましょう。
〝They have been prepared under my super-vision〟
→ それらは私の監督のもと、準備されてきた
というような意味になると思います。
では先へ進みましょう!!
作品の背景と多様な解釈
次は〝in respect of the attribution and meanings〟です。
〝in respect of〟は「~に関して」という言い方の、とてもフォーマルな言い方だそうです。
また特定のテーマや要素への言及を示すということで、似たような意味の言葉ってたくさんあるんですね。
つい先日も「aboutじゃないんだ?」と、〝as to〟というフレーズをやりました。
英語圏本場のウェイトが言っているので、使い方として正しいのだと思いますが、〝as to〟も同じく「~に関して」というような意味で、またややフォーマルで、こちらも特定のテーマや対象に焦点を当てた言い方というものでした。
重厚感的なものを比較すると〝about〟が幅広く一般的且つカジュアル、〝as to〟は〝about〟より重ためでビジネスや公式文等に使いややフォーマル、〝as to〟よりも更に重たい感じなのが〝in respect of〟で契約や法律等の公式文章などに使う、、、という違いがあるそうです。
日本語で例えてみると、、、
あれなんだけど → ~に関して → ~に関しましては
くらいの違いがありそうです。
違うかな。。。
次にいきます。
〝the attribution〟ですが、これは「帰属」「出所」「作者の特定」という意味だそうなのですが、正直私はこれを聞いてもあまりぴんとは来ません。。。
「帰属?貴族ならわかるんだけどな♪」というのが最初に思ったことでした。。。
実際に簡単な例文をお見せした方が意味がわかりやすいかと思います。
- 作品や発言の帰属という意味での使い方
This painting is 〝attributed〟 to Picasso.
→ この絵はピカソ作とされている。 - 原因の帰属/出所という意味での使い方
The delay was 〝attributed〟 to bad weather.
→ 遅延の原因は悪天候だった。 - 著作権や情報源の帰属という意味での使い方
Proper 〝attribution〟 is required when using sources.
→情報の出所を正しく示す必要がある。
はい、という感じなのですが、何か伝わるものがありますか?
「帰属」という言葉は幅広く使えるんだなぁ~と思いました。
何かしら参考になるものがあれば嬉しいです。
そして〝meanings〟は「意味」や「解釈」という意味ですが、複数形なのをお忘れなく。
では、まとめてみましょう。
〝in respect of the attribution and meanings〟
→ 帰属と意味に関して(慎重に考慮しながら)
みたいな感じですかね?
()は、一応そういうニュアンスを持っているよ~という意味で、なくても間違いではないのですが、より細かく伝えるという意図で入れておきます。
また後ほど調整します。
では最後です。
ウェイトが称賛した知られざる芸術家、現る
では最後〝by a lady who has high claims as an artist.〟です。
〝by a lady〟とありますが、こちらは「ある女性によって」という意味です。
ですが、〝lady〟という単語には、単に「女性」と言うよりももっと丁寧な表現だそうです。
より品格を持った印象なのだとか。
そして〝who〟以降にその女性についてのことが書かれています。
それが〝has high claims as an artist〟なのですが、〝claim(s)〟には「主張/権利/資格」という意味があるそうです。
これは複数形になります。
「資格」といっても、履歴書に書くような資格ではなく、「それを手にする権利がある」というような意味での「資格」だそうなのですが、〝high claims〟になると「強く主張する」「高く評価されるべき」といったニュアンスが加わるそうなんですね。
実際にここで使われている文を応用して比較してみましょう、きっとその方がわかりやすいと思います。
- 〝high〟がある〝claims〟の場合
She has 〝high claims〟 as an artist.
→ 彼女は芸術家として高い評価を受けるべきだ。 - 〝high〟のない〝claims〟の場合
She has 〝claims〟 as an artist.
→ 彼女は芸術家だと主張している。
どうでしょう?
〝high〟があるとないだけで、随分と違った意味になりませんか?
日本語にはないセンスだと思います。(少し調べてみたんですが見つけられませんでした)
はい、では全部いけそうですかね。
〝by a lady who has high claims as an artist.〟
→ 芸術家として高く評価されるべき女性によって
というような感じでしょうか。。。
さて、まとめに入りましょう。
まとめ&解説
では、改めて今回の一文をお見せします。
They have been prepared under my super-vision—in respect of the attribution and meanings—by a lady who has high claims as an artist.
Arthur Edward Waite
『The Pictorial Key to the Tarot』より
そして、今回のこれまでの訳です。
→ それらは私の監督のもと、準備されてきた
→ 帰属と意味に関して(慎重に考慮しながら)
→ 芸術家として高く評価されるべき女性によって
また、こちらが前回の見解です。
『第2部では、象徴に込められた意味を、いくつかの高次なる観点から扱っています。
そして、これは完全版として改良されたタロットを紹介する役割を担っています。
それは別途、配色を施したカードという形として入手可能であり、そのデザインは白黒で本書に付け加えられています。』
そう言えば、冒頭で前回を振り返るのを忘れていました。
「あと2つ、、、」という現実がそうさせてしまったのだと思います。
たまにはいいですよね。
前々回から、小論の第2部についての説明がされていて、前回は「本書とは別にカードがある」ということを伝えていました。
ほんのりウェイト=スミスタロットの宣伝も兼ねていたのかも知れません。
それで、今回なのですが、特にそこまで難しい文でもありませんでしたし、それっぽい直訳風の訳は道中にお伝えしてきているので、改めては必要ないかなぁと思いました。
ですので、今回はこのまま見解に入りたいと思います。
タロットの世界の見解
特に意味や帰属に関しましては、私の厳重な監督下において慎重に扱われ、芸術家として高い評価を受けるべくある女性によって、それらは入念に準備されてきました。
いかがでしょう?
使われている単語のメインの意味の他に、ニュアンス的なものも多く含まれている感じがありましたので、それも考慮しながら敢えて事細かくしてみました。
今回の一文はとても短かったので、故に「簡単だ♪」なんて思っていたのですが、意外と難しかったです。
内容が内容だからなのか、ただでさえ硬め(良く言えば厳格?)な文章なのに、いつも以上に硬い感じがありました。
今回ここで〝in respect of〟を使っているのが、まさしくその表れかと思います。
先ほどもお伝えしましたが、少し前の文章には〝as to〟を使っていたので。
元々英語は、前から順に読んでいったからとて、日本語らしい日本語にはなりません。
今回もかなり文法的なことを無視しましたが、でも伝わらなきゃ意味がないと思いますし、私自身、自分もわからなければ意味がないと思っています。
もちろん、それらに至る過程もあってこそだと思いますが、私は。。。
私は至って普通の公立の中学校をぎりぎりで卒業した程度の英語力しかありませんが、文法が要らないとは言いませんが、正直、大人になってからでももっと使える英語を教えてほしかったなと思います。
私の通っていた幼稚園には、シュワネベルトという外国人の先生がいたんですね。
幼稚園に英語の時間があるだなんて、当時では珍しいことだったと思います。
そんなこともあり、私は子供の時から英語が楽しかったのかも知れません。(その時も意味は何1つわかっていないんですけどね)
すみません、また逸れてしまっていました。
危ない、危ない。。。
要は、文法云々よりも、伝わることを優先します、ということが言いたかったです。
気を取り直して、ここでの解説を少しだけ付け加えさせてくださいね。
特にはそんなにはもうないのですが、冒頭でもお伝えしましたように、『ある女性』という新たな人物が登場してきました。
この、世間ではいわゆるウェイト版、ライダー版と呼ばれているタロットを、何故、面倒くさがり屋の私がそこまで頑なに『ウェイト=スミスタロット』と言っているのかが、ここにあります。
そうなんです。
これまでにも何度かお伝えしてきたのですが、この『ウェイト=スミスタロット』の『ウェイト』が表しているものは言うまでもなくArthur Edward Waite(アーサー・エドワード・ウェイト)のことなんですが、一方。。。
当時はまだ無名だったのかも知れません。
芸術家として高い評価を受けるべきとある女性、それがこの『スミス』=Pamela Colman Smith(パメラ・コールマン・スミス)なんですね。
なんでか私はこの事実を、ウェイト=スミスタロットに興味を持った次の日くらいに知ったので、以後そのように呼んでいます。
なんとなく、私もものを作ることが好きなので、一緒に作ったのに、片やその作者を無視してしまうような言い方は、なんとなく好きになれないんですね。
若干長いので、面倒くさいは面倒くさいんですが、私なりに敬意を払っているつもりです。
少し前のEliphas Levi(エリファス・レヴィ)同様、私はパメラについてもあまりよく知らなかったので、私の勉強も兼ね、ここでパメラについて少しだけまとめておきたいと思います。
けっこう興味深い人生を送っているんですよね。
パメラ・コールマン・スミスとは?
Pamela Colman Smith(以後パメラ)1878年生まれ。
ウェイト=スミスタロットのカードのイラストを手掛けた芸術家であり、黄金の夜明け団のメンバーとしても活躍していたそうです。
パメラはジャマイカやイギリスで育ち、NYのPratt Institute(プラット・インスティテュート)という世界的に有名な私立大学で美術を学びました。
その後ロンドンで芸術活動を展開、画家、イラストレーター、舞台美術家、出版、さまざまな方面で才能を発揮していました。
1901年、William Butler Yeats(ウィリアム・バトラー・イェイツ)の紹介で黄金の夜明け団に加入しましたが、後の団の分裂に伴い、ウェイトと共に『聖黄金の夜明け団』に属し、そしてウェイトの依頼によりタロットと関わることになります。
タロットの小アルカナを含む全78枚すべてのイラストを担当し、直感的な解釈を可能にする革新的なデザインを生み出しました。
その象徴体系は、黄金の夜明け団の神秘思想を反映しつつも、パメラ自身の芸術的な感性によってオリジナルの世界観を確立していると言えるでしょう。
しかし、これほどの功績を残しながらも、彼女は商業的な成功には恵まれず、晩年はイギリスの最南西に位置するコーンウォールという多くの芸術家が好んだ場所に暮らしていたそうです。
そして1951年、無一文の状態でその生涯を静かに終えました。
それでも彼女の作品は時を越えて多くの人を魅了し続け、ウェイト=スミスタロットが今もなお世界中で愛され続けています。
きっとそれはこの先も続くことでしょう。
はい、ということなんですが、いかがでしょう?
「え?どういうこと?」と思われた方も多いのではないでしょうか?
私もつい「え?すごい成功者(ここでは経済的な意味で)じゃないの?無一文?」というのが正直な気持ちでした。
たった今お伝えしましたように、今でこそ、このような経歴を並べられたら「ははーっ!!」と、頭が上がらない気がしますが、当時はこれではだめだったんですかね。。。
なんだか胸が痛いです。。。
私、以前に「パメラは画家である前に女優だったそうですよ」なんてお伝えしてしまったのですが、もしかしたら間違っているかも知れません。
改めて調べてみたところ、舞台女優というよりは、舞台の美術さんという感じがしました。
「女優だった」と聞いたことがあったので、それを鵜呑みにしてしまっていたのですが、彼女が女優だったという明確な資料が見つからないんですよね。(インターネットを使って調べられる範囲でしかありませんが。。。)
舞台美術とか衣装デザインとか、そして、当時、舞台に出演していた女優さんたちと仲が良かった、というものなら多くあったのですが。。。
真実はわかりませんが、参考程度に聞いてくださると幸いです。
それにしても、みなさんはどう思いましたか?
彼女の人生を聞いて、、、
私は、同じ女性、作り手として、非常に感慨深いものがありました。
今回はこの程度に止めますが、個人的にはとても興味が湧きました。
今回、このように調べる前にも、名前くらいは知ってはいたのですが、むしろ大枠ではあると思いますが、このような彼女の生を知ってから、より彼女のことを知りたくなりました。
また別に調べてみたいと思います、、、と言ってる側から調べていたり^^
最後になりますが、彼女が暮らしたコーンウォールという場所がとても素敵だったので、Googleマップのリンクを残して終わりにしたいと思います。
開くとコーンウォールに飛びますので良ければ写真とかも見てみてください。▶▶こちら
多少不便でもいいので、私もこのような場所に住みたいです、海を見下ろせる崖っぷち!!
では、今回はこれで終わりにしたいと思います。
最後まで見てくださった方、ありがとうございました。
ではまた次回。


