『The Pictorial Key to the Tarot(§2 TRUMPS MAJOR)』翻訳・解読【女教皇】

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『The Pictorial Key to the Tarot(§2 TRUMP MAJOR)』翻訳・解読【女教皇】のアイキャッチ画像。

こんにちは。
気付けば、今年ももう終わりですね。
10月末、東京から帰ってきた日が1℃で、既に「もう冬か~」みたいな気持ちにはなっていましたが。

こちらは、陽が出ている時間がとても短いんですね。

去年この地へ来た時は、稀に見る大雪の年だったそうで、それはそれはもう毎日、辺り一面が真っ白でした。

そのため、夜になっても、そこまで多くはない街頭でも、雪に反射してくれてけっこう明るかったんです。

ですが、今はまだ雪が降ることはあって積もるほどではないので、何と言いますか……めちゃめちゃ暗いんです。

加えて、みなさんもご存知かと思うのですが、熊が出るでんすよね。

段々と冬眠の時期に入ってきてはいるそうなのですが、割と近場でも出没しているようで、徒歩しか選択肢のない私にはまぁまぁ恐ろしい環境です。行きたいタイミングで出掛けることも難しく、「こりゃ翻訳しろってことだな」と、黙々と翻訳作業に励んでおります。

では、前置きはこの辺にして本題へ入りましょう。

§2に入り、これまで1910年頃のマルセイユタロット「奇術師」に付けられていた様々な解釈を見てきました。

前回の一文では、エリファス・レヴィをはじめ、哲学者や神秘主義に関わる者、そして、あるフランス人解説者の一人の解釈を取り上げていました。

また、当サイトでは「フランス人解説者の一人」という記述が「怪しい……(きっと誰かのことを指しているに違いない)」と思い、こちらに関する考察も挙げました。

今回は、マルセイユタロット2番「女教皇」になります。

ニコラ・コンヴェル版(グリモ―版)「LE PAPESS(女教皇)」のカード。
マルセイユタロット
ニコラ・コンヴェル版(グリモ―版)
「LE PAPESS(女教皇)」

これまで読んでくださっている方にはお伝えしたことがある気がするのですが、当サイトでは、マルセイユタロットの2番は「女教皇」を表したもの、ウェイト=スミスタロットの2番は「女司祭」を表したもの明確に異なるものだと考えています。

巷では、「女教皇」と「女司祭」が一括りにされたり、あるいは混同されることが多いようですが、これまでの訳を進める中でそう思ったことだったので、当サイトではそのように区別をするようになりました。ご理解のほど、よろしくお願いいたします。

念のため、その時の記事を置いておきます。宜しければ、併せてご覧ください。▶▶ こちら

今回の文章:「女教皇」と言いつつ「高位の女司祭」を解説するウェイト

今回は3つ、全部訳してしまいます。

2. The High Priestess, the Pope Joan, or Female Pontiff; early expositors have sought to term this card the Mother, or Pope's Wife, which is opposed to the symbolism.

It is sometimes held to represent the Divine Law and the Gnosis, in which case the Priestess corresponds to the idea of the Shekinah.

She is the secret Tradition and the higher sense of the instituted Mysteries.

Arthur Edward Waite
『The Pictorial Key to the Tarot』より

これらを一文ずつ見ていこうと思います。

今回、訳すだけならそこまで難しいものではなさそうです。しかし、使われている単語が「知らないとわからない」というものも多く、内容を理解するのがやや大変そうです。

どう進めるのが、みなさんにとってもわかりやすいか悩ましいのですが、今回は一度訳してしまってから、それから内容について解説していこうかなと思います。

このような世界観に詳しい方にとっては何てことないことかも知れませんが、この「女教皇」の部分を理解するのは、個人的には難しそうだなと思っています。

何故なら、文を訳しただけでは理解できる内容ではない、と思うからです。

脅かすわけではありませんが――本文に〝Gnosis(グノーシス)〟という単語が出てきていますが、私は今この『グノーシス』を学んでいる最中です。ですが、よっぽどやる気がない時でないと腰が重たいのも事実で、なかなか学びを得られている実感がありません。取り掛かる速度も物凄く遅いですし。

つまり、単語の意味を知ったとして、その先にまた様々な背景や歴史が広がっているということをお伝えしたいです。

そして、ウェイトは自身でもそれらのことを知った上で「わかる人だけわかればいい」というスタイルで記述しているので、ネイティブの方であっても「難解」と言われているのは、そういうところからだと思います。

ですから、そんな時こそ、それこそ最初の〝1〟が重要ですよね。

一気に理解したいのは山々です。私もそうです。

ですが、物事には順序というものがあります(少し古臭い考え方かも知れませんが)。

私も完璧に理解できるか、そしてそれをきちんとお話しすることができるかはわかりませんが、きっと一つひとつ、ゆっくりでもやっていけばきっと理解できると思います!!

一緒に頑張っていきましょう!!

では、よろしくお願いいたします。

一文目:マルセイユタロット2番「女教皇」の呼び名を巡っているようだが…

では、一つ目の文章、〝2. The High Priestess, the Pope Joan, or Female Pontiff; early expositors have sought to term this card the Mother, or Pope's Wife, which is opposed to the symbolism.〟を見ていきましょう。

まず、さっと単語の確認をします。

High Priestess → 高位の女司祭
Pope Joan → ポープ・ジョーン/ジョアン(女教皇ヨハンナ)
Female Pontiff → 女性の教皇(pontiff=最高位聖職者)
expositors → 解説者、説明者
have sought to term → ~と呼ぼうとしてきた/名付けようとしてきた
opposed to → ~に反する/矛盾している

※ここでは代表的なものを挙げています。

最初は〝2. The High Priestess, the Pope Joan, or Female Pontiff〟ですが、こちらは「2、女司祭、女教皇ヨハンナ、または女性の教皇」という意味ですね。

次に〝early expositors have sought to term this card the Mother, or Pope's Wife〟とありまして、こちらが「初期の解説者たちは、このカードを母、または教皇の妻と呼ぼうとしてきた」というような意味です。

最後に〝which is opposed to the symbolism〟ですが、こちらが「それは、その象徴に反している」というような意味になると思います。

何も挟まないと、こんなにも早いものなのですね……。

一度まとめてみます。

〝2. The High Priestess, the Pope Joan, or Female Pontiff; early expositors have sought to term this card the Mother, or Pope's Wife, which is opposed to the symbolism.〟

→ 2、「高位の女司祭」、「女教皇ヨハンナ」、または「女性の教皇」。初期の解説者たちは、このカードを母、または教皇の妻と呼ぼうとしてきたが、それはその象徴に反している。

ほぼ直訳に近いですが、このままでも言っていることは伝わってきますよね。

ひとまずは、このまま先へ進めていきます。

二文目:ウェイトが「高位の女司祭」に設けた解釈

では、二つ目の文章〝It is sometimes held to represent the Divine Law and the Gnosis, in which case the Priestess corresponds to the idea of the Shekinah.〟です。

また、単語から見ていきます。

held → 持たれた、保持された、考えられた
to represent → ~を表す/象徴する
Divine Law → 神の法
in which case → その場合は
Priestess → 女司祭(女性の聖職者)
corresponds to → ~に対応する
idea of the Shekinah → シェキーナの概念

※ここでは代表的なものを挙げています。

「?」が浮かぶ単語があるかと思いますが、ひとまずはこのまま進めていきましょう。

まず、少し長いのですが〝It is sometimes held to represent the Divine Law and the Gnosis〟とありまして、こちらが「それは時に、神の法とグノーシスを表すものと考えられる」というような意味になると思います。

そして、後半の〝 in which case the Priestess corresponds to the idea of the Shekinah〟ですが、こちらは「その場合、女司祭はシェキナーの概念に対応する」という意味になります。

さて、この一文はあまり聞き慣れない単語(用語)が混じっていると思いますが、今はまだ我慢です。(笑)

一度まとめて、先へと進めましょう。

〝It is sometimes held to represent the Divine Law and the Gnosis, in which case the Priestess corresponds to the idea of the Shekinah.〟

→ それは(「女教皇」のカード)は時に「神の法」や「グノーシス」を表すものと考えられ、その場合、女司祭は「シェキナー」の概念に対応する。

うーん、どうでしょう。

言っていること自体は伝わると思いますが、内容に関してはちょっと…ですね。

みなさんには、この一文がどのように捉えられているのか気になります。

これまで『タロットの世界』を隅々まで読んでくださった方なら、もしかしたら思うことがあるかも知れません(もし、そんな方がいらっしゃいましたら本当にありがとうございます)。

もしかしたら間違っているかも知れませんし、先入観を植え付けてしまいそうで少し気が引けるのですが、今、私が感じている「うーん?」という点について、先に少しお話しさせてください。(自分も忘れてしまいそうなので…すみません)

  • まだ2枚目なのに恐縮ですが、何故ここでは、エリファス・レヴィや他の者たちの解釈について触れられていないのか。
  • 私が持っている数少ないウェイト=スミスタロットの解説書の「高位の女司祭(ウェイト=スミスタロットの2番)」の説明書きにも、「シェキナー」という単語が載っていました。かなり前のにことになるのですが、そのことから、「シェキナー」の概念というものはウェイトが「高位の女司祭」のカードに紐付けた解釈だと思っていました。だとすると、ここに登場する「シェキナー」の概念は何処からやってきたのでしょうか?
  • ウェイトは以前にも、恐らく自身の「高位の女司祭」のカードを指して、アルビジョワ派(詳しい内容はこちらの考察をご覧ください▶▶こちら)との関連性もほのめかしていました。時系列的には成立しない話なのですが、ウェイトはそれが事実であるかのように文中で語っていました。つまり、私的には、ウェイトの中では自身の「高位の女司祭」というカードに特別な思い入れがあると考えていて、今回もその可能性がありそうだと考えています。

ということで、稀に降臨する「ん?」と感じたことをお伝えしてみたのですが、いかがでしょう。

「シェキナー」の概念については、ひとまずは「神様がいつも見守ってくれているような安心感や温もり」と思っていただければ良いかと思います(物凄いざっくりで恐縮ですが)。

ところで、一つ良いことを思い付きました!!

後程、エリファス・レヴィにとっての「女教皇」がどうだったかも調べてみればいいんですよね。もしくは、「シェキナーの概念」がいつの頃から付けられた解釈だったのかも。きっと調べたら答えはわかる気がします。

考察の方も楽しみにしていてください^^

では、最後の文章に進みます。

三文目:「高位の女司祭」が象徴する秘義とは

最後は〝She is the secret Tradition and the higher sense of the instituted Mysteries.〟です。

そんなに多くはないですが、ここまで見てきたので、こちらも単語の確認から参りましょう。

higher sense → より高次の意味、深い理解
instituted → 制定された、定められた

※ここでは代表的なものを挙げています。

まずは〝She is the secret Tradition〟ですが、こちらは「彼女は秘密の伝統です」という意味です。

そして〝and the higher sense of the instituted Mysteries.〟とありまして、こちらは「そして、定められた秘義のより高次の意味です」というような意味になると思います。

まとめます。

〝She is the secret Tradition and the higher sense of the instituted Mysteries.〟

→ 彼女は秘密の伝統であり、定められた秘儀のより高次の意味です。

この一文は、直訳だと少しわかりづらいかも知れません。

もう少し整えて内容を理解できるようにしないといけませんよね。

この〝secret〟や〝Mysteries〟などの単語が、ウェイトがどのような意味を持たせて使っているか、私もまだいまいち掴めていません。

ふんわりと「こんな感じかな?」と思うくらいで、毎回出てくる度に悩まされます。

またこの辺りも、深掘りしていきましょう。

では、まとめに入ります。

まとめ|最終的な訳

改めて、今回扱った文章をご紹介します。

2. The High Priestess, the Pope Joan, or Female Pontiff; early expositors have sought to term this card the Mother, or Pope's Wife, which is opposed to the symbolism.

It is sometimes held to represent the Divine Law and the Gnosis, in which case the Priestess corresponds to the idea of the Shekinah.

She is the secret Tradition and the higher sense of the instituted Mysteries.

Arthur Edward Waite
『The Pictorial Key to the Tarot』より

また、これまでの流れも把握できた方がわかりやすいと思うので、再度、前回の結論をお伝えしておきます。

例えば、エリファス・レヴィは「奇術師」は数を生み出す源である〝1〟を意味すると述べ、また他の者たちは、それは宇宙全体を一つとする〝1〟であると言い、また、昨今のフランス人解説者の一人によると、一般的な感覚ではそれを〝意志〟と考えているようだ。

そして、今回のこれまでの訳です(多少不自然でも、なるべく原文に手を加えずダイレクトに訳したものになります)。

→ 2、「高位の女司祭」、「女教皇ヨハンナ」、または「女性の教皇」。初期の解説者たちは、このカードを母、または教皇の妻と呼ぼうとしてきたが、それはその象徴に反している。

→ それは(「女教皇」のカード)は時に「神の法」や「グノーシス」を表すものと考えられ、その場合、女司祭は「シェキナー」の概念に対応する。

→ 彼女は秘密の伝統であり、定められた秘儀のより高次の意味です。

最後に、本文の内容をより忠実に整えた(当サイト比)訳がこちらです。

2、「高位の女司祭」、「女教皇ヨハンナ」、あるいは「女性の教皇」。
初期の解説者たちは、このカードを「母」、または「教皇の妻」と名付けようとしてきたが、それはその象徴に反している。
時に「神の法」や「グノーシス」を表すものと考えられ、その場合、女司祭は「シェキナー」の概念に対応します。
彼女は秘教の伝承であり、設けられた秘儀の中でもより高位の意味を象徴しています。

このように仕上げました。

あまり変わっていませんが、恐らくこの解釈で大丈夫だろうという見解です。

では、ここからは、この「女教皇」の内容について、ひたすら解説と考察を挙げていきます。

正直、ここからが大変です。

いつもお伝えしていることになりますが、今日タロットに興味を持たれた方にも伝わるよう、なるべく専門用語を使わず、でも知識が深まるようなお話しができるよう心掛けているのですね。

知らないから調べているのに、そこで知らない言葉ばかり出てきたら、好きになる前に嫌になってしまいますよね。

どうか頑張りますので、ぜひ最後までお付き合いください。

考察

とは言ったものの、何から説明をしたら良いものか……。

あっ!!

念のため、再度お伝えしておきたいことがあります。

冒頭でもお伝えしたことになりますが、当サイトではマルセイユタロットの大アルカナ2番を「女教皇」、ウェイト=スミスタロットの大アルカナ2番を「高位の女司祭」と呼んでいます(たまに「高位の」を付けることを忘れていることがあるかも知れません)。

タロットカード比較:ウェイト=スミスタロットの「女司祭」とニコラ・コンヴェル版の「女教皇」。
【左】:ウェイト=スミスタロット「女司祭」
【右】マルセイユタロット(グリモー版)「女教皇」

これは単に区別するためではなく、これまで訳を進める中で純粋に「あっ、違うものだったんだ!」という気付きがあったからです。

正しいかそうでないかは別として、現状そのような経緯があります。

ここからは頻繁に「女教皇」「女司祭」という言葉が飛び交うと思うので、あらかじめこうしてお伝えすることによって混同を避けたいと思いました。よろしくお願いいたします。

では、まず道中でお伝えした件について、見解を考察として挙げます。

考察:ウェイトによる印象操作の可能性:エリファス・レヴィの「女教皇」

今回の一文、もとい「女教皇」全体の説明についてですが、私はこれがウェイトによる印象操作のような文章である可能性が高いと考えています。

根拠としましては、やはり1番「奇術師」の部分ではそれまでの他者の解釈を挙げていたのにも関わらず、何故ここでは同様に取り上げなかったのか?という点です。

調べてみますと、エリファス・レヴィは「女教皇」のカードにヘブライ文字の〝ב(ベス)〟を対応させていることがわかりました。

私はエリファス・レヴィのタロットについては完全なる門外漢ですが、ウェイト=スミスタロットの大アルカナにも全てヘブライ文字が対応させられています(ウェイト=スミスタロットでは「女司祭」には〝ג(ギメル)〟が対応させられています)。

ヘブライ語のアルファベットというのは全部で22文字あり(大アルカナも全部で22枚ですよね)、それぞれの文字に意味が込められています。

〝ב〟は「家」を意味する文字で、2番目の文字になります(ちなみに〝ג〟は3番目の文字で「駱駝」を意味します)。

「え?何故急にヘブライ文字?」と思われる方もいらっしゃるかも知れませんが、ここではその詳細については割愛します。大事なところではあるのですが、その説明までしてしまうと、ひたすら本題から逸れていってしまうと思うのです。ですので、申し訳ないのですが、今は「そういうものなんだ」と軽く受け止めていただけると助かります。

更に、エリファス・レヴィは「女教皇」を、「秘教的伝承」「隠された知識」の象徴としていました。

つまり、ウェイトの記述にある〝secret Tradition(秘教的伝承)〟は、エリファス・レヴィの影響を受けていないはずがないのです。

それなのに、ウェイトは「初期の解説者」と一括し、これまでその者たちによって「母」や「教皇の妻」と名付けられそうだったというような言い方をしています。

ですが、そもそもこのカードは、カードゲームとして誕生した時から基本的には「女教皇」のはずです。エリファス・レヴィも「女教皇(La Papesse)」として扱っていたのに、何故そのことについては触れないのでしょうか。

まだ2枚目なので、あまり疑いの目を持ちたくはないのですが、どうしても「ん?」と思ってしまうので反応せざるを得ません。

また、一文目の名称の並びにも少し違和感があります。

「奇術師」のところでは、『「魔術師」、「手品師」、あるいは「大道芸人」、低俗な誤魔化しの世界に属する賭博師、そしていかさま師。これは通俗的な解釈であり…』と並べていたので、てっきり「女教皇」のところでも、これまでの通俗的な名称を並べているのだと思っていました。

ですが、最初の〝The High Priestess(高位の女司祭)〟は、ウェイト=スミスタロットで新たに加わった名称のはずです。

念のため調べましたが、ウェイト=スミスタロット以前のタロットに「The High Priestess(高位の女司祭)」と呼ばれたカードは存在しないようでした(残りの二つはそれまでの名称と考えて良いでしょう)。

すごい細かいことを言いますが、厳密に言うと、この『The Pictorial Key to the Tarot』の前に、『The Key to the Tarot(同じく1910年刊行)』という挿絵のないバージョンのものがあります。そこでも同じ記述が確認できました。
ウェイト=スミスタロットの制作は1909年、出版が1910年ですから、多く見積もっても「The High Priestess(高位の女司祭)」という名称が世に広まってからはまだ一年にも満たないはずです。それなのに、ウェイトは強気に「高位の女司祭」という名称を先頭に持ってきています。

つまり、これまで存在しなかった、自分で名付けたまだ歴史の浅い名称を、さも既存の呼称の一つであるかのように先頭に置いている、というようにも見えなくはないのです。

加えて、「奇術師」のカードのところでは、それまでにあった解釈がちゃんと語られていましたよね。それが「真の理解ではない」とは言っていたものの、きちんと記述がされていました。

私が「別の他の本を読んでいたということで知っていた」というのは、もしかするとウェイトからすれば反則かも知れませんが、この「シェキナー」の概念というのも、やはりウェイトが設けた解釈に過ぎず、この「女教皇」の説明で、ウェイトはほぼ自分の解釈しか述べていないことになります。

これらのことに加え、これまでのウェイトの文章を読んだ時の「ん?」と疑問が浮かんだ時の感覚を思い出しますと、印象操作…と言うと少し強過ぎるかも知れませんが、それに近しいものを感じます。

【PART1】の最終回で言っていた「他の理由」とは、こういうことだったのでしょうか。

とは言え、私は、このことについて善悪をどうこう言いたいわけではありません。

ですが、ひとまずは「そういうもの」として扱います。

では、これらを踏まえた上で、細かなを解説していきたいと思います。

解説

では、解説をしていきたいと思います。

今回は、マルセイユタロットの大アルカナ2番「女教皇」のカードについての説明文でした(一応〝表向きには〟ということは付け加えておきましょう)。

名称について

カードの名称はいくつかあり、「高位の女司祭」「女教皇ヨハンナ」「女性の教皇」、これらのような呼び方があると語っていました。

道中でもお伝えしましたが、当サイトでは、この「高位の女司祭」はウェイト=スミスタロットの大アルカナ2番のカードの名称という解釈です。

元来、女性が〝ローマ教皇〟に就任することは制度上認められいません。ですから、時代の背景等を加味すると、元は遊戯用(実際には賭博用だったという説も見付けました)のカードゲームだったとは言え、「女性の教皇」というカードを作ったのは、もしかしたら製作者の何かしらの意図があったのかも知れません。

そして、この「女教皇ヨハンナ」というのは〝9世紀頃に存在していたかも知れない〟とされている女性のローマ教皇のことです。事実関係はわかりませんが、YouTubeなどでも動画があるので、興味のある方はぜひ一度見てみてください。

それと、当たり前のように「ヨハンナ」と呼んでいましたが、「ヨハンナ」は日本語的(もしくはラテン語)な言い方で、基本的には英語読みの「Joan(ジョーン)」が一般的だと思います(私は先に「ヨハンナ」で覚えてしまっていたので…)。

さて、呼び方がいろいろあるということについてはわかりました。

今度は、このカードが意味する内容、すなわち〝象徴〟ということになるのですが、それが、これまでの解説者によると「母」や「教皇の妻」を表すものということでした。しかし、ウェイトは「それは象徴に反する」と言っております。

ちなみになんですが、ここでの「母」や「教皇の妻」というのは、単に性別としての「女性」を指しているわけではないそうで、もっと神秘的で知識を守るような存在を意味していたそうです。

一見、「なら、反してないんじゃない?」と、割とウェイトの思想には近い気はするのですが、どうやら、ウェイトはそれ以上に「女教皇」改め「高位の女司祭」のカードに強い思い入れありそうです。

と言いますのも、以前「高位の女司祭」のカードを扱った際に、「あれ?おかしいな」と感じたことがありました。

そこでは、「女司祭」のカードについて語っているにも関わらず、文中では一切「女教皇」という語を使わなかった、ということです。その直前には、「教皇」や「司祭」についても触れていたのにも関わらず。

私には、それが意図的に避けているように感じられました。そこには、ウェイトが熱心なキリスト教信仰者であったことが関係しているのではないかなと考えています。

もしかすると、キリスト教、もしくはウェイト的には「女教皇ヨハンナ」という存在はあってはならないものだったのかも知れません(あくまで想像です)。そのため「その象徴に反する」という言葉は、一見すると「女教皇」を指しているように見えますが、実際は「高位の女司祭」という象徴に反すると言っているようにも思えます。

更に、当時の記事を見てもわかるように、ウェイトは自身の「女司祭」にはかなり寛容で、時系列的には成立しないであろう歴史を関係付けるようなことも主張しています。

ここで一つ注意しなくてはならないのが、ウェイトはそうしたことをほのめかしてはいるものの、あくまで「~かも知れない」というベースで書いている点です。決して断定はしていないのです。これが少し厄介なところです。

しかし、僭越ながら私のサイドエフェクト(つまり勘です)は言っています。

そのような書き方では、当時鵜呑みにする人は少なからずいたでしょうし、恐らく、ウェイトはそれを見越してのことだったと思います。

これまでにもウェイトは、時折そのような記述の仕方をしています。

ということで、話を本題に戻します。

神の法、グノーシス、シェキナーの概念――それぞれの用語について

ではここからは、実際には、ウェイト自身が設けた象徴とも言える、今回一番の『?』ポイント――〝神の法〟〝グノーシス〟〝シェキナーの概念〟について触れていきたいと思います。

ただし、詳細を掘り下げていくのではなく、この文全体の意味を理解できるようになることが目的です。

そのため、以下は私自身の解釈とまとめになりますので〝ざっくり〟とした解説ということ、ご了承ください。

神の法について

ではまず、この「神の法」という言葉自体が何なのか、を突き止めていきましょう。

〝法〟という字があるものの「神の法」は、法律のようなものではありません。物凄く大きな意味で捉えると「宇宙の仕組み」「自然の仕組み」「神が定めた秩序」「霊的な真理」などのことを指すそうです。

遥か昔から、宗教、哲学、神秘主義などの間で〝人間のルールでは測りきれない絶対的なもの〟というようなことを表すものとされてきました。

例えば、「毎日陽は昇っては沈む」「人は生まれ、やがていつかは死ぬ」――これは、誰もが変えられない「自然の法則」みたいなものですよね。

また、宗教によっては、その宗教が定める規則のこと(例えば「十戒」や「Torah(トーラー)」など)を「神の法」と呼んだりすることもあるそうです。

単に「神の法」と言っても、人あるいは宗教、団体によっては多少内容が異なるのかな?と感じましたが、広い意味で人知を超えるようなものだと思いました。

ウェイトはキリスト教徒でもあり、神秘主義者でもありました(哲学者と語られるのは見たことがありません)。つまり、ウェイトの思う「神の法」だけでも多様な意味や思いが込められていたと考えることができると思います。

ちなみに、「高位の女司祭」の手元には〝TORA…〟と書かれた巻物があります。

ウェイト=スミスタロット「高位の女司祭」

あくまで、実際のユダヤ教の聖典〝Torah〟とは別物とし、タロットにおける象徴的なものと見なすのが良いかと思いますが、このようなところにもウェイトの語る「神の法」の概念が込められているのかも知れません。

では、「神の法」については以上となります。

グノーシスについて

「グノーシス」――端的に言えば、頭で考えたり覚えたりするような知識ではなく、「気付き」や「悟り」というような表現が適しているかと思います。

きっと、みなさんも体験したことがあると思います。私も決して多くはありませんが、人生の中でそうした気付き=「はっ!?」とさせられた瞬間、そういった「気付き」のようなものを指すのだと思いました。

そもそも「グノーシス」は、ギリシャ語の「γνῶσις(gnōsis)」=「知(knowing)」を意味します。本を読んだり、学習を積み重ねることによって得られる知識とは別物なのですね(端末によってはギリシャ語が文字化けしているかも知れません)。

個人的な感じ方になりますが、頭を使ってどうこうするのではなく、瞬間的に降りてくる、体感する、というような表現が合っている気がします。

もっと大きい意味で「世界の仕組みに気付いた瞬間」というような言い方でも良いかも知れません。少し大袈裟に聞こえるかも知れませんが。

身近なところで例を挙げるのであれば、例えば、いくら本を読み明かそうと泳げるようになるかはわかりませんよね。「泳ぐ」というのは水の中に入って初めて実行されるわけじゃないですか。ですから、ほとんどの方は泳げるようになろうとする時に本は読まないですよね。いきなり実践ですよね。スイミングクラブに通ったり、ジムに行ったり、身近に海のある方であればそんなこと考えるまでもなく海に行き、勝手に泳げるようになっている方もいらっしゃるかも知れません。もっと言うと……「浮く」ことを知らずに覚えている方も少なくはないでしょう。

この例えでご理解いただけるかわかりませんが、また私の実体験を加味してお伝えするのであれば、「考えることもしないようなこと」という表現がぴったりなのですが、身体にすっと〝降りてくる〟〝入ってくる〟〝雷が落ちたように感じる〟、このような体験(体感)だと思います。

つまり、逆説的に捉えると「頭(思考能力)を使って考えているうちは…」ということにもなると思います。

ウェイト=スミスタロットの「女司祭」のカードは、一般的に「直感」を意味するとされていることが多い気がしますが、恐らくこれらのことが原因(要因?)で、そう解釈されてしまうのかなと思います。

ですが個人的には、ちょっと「直感」とは違う気がするんですよね。どちらかと言うと、やはり「気付き」とかそういったセンスの方が強いかなって。

私は「直感」というセンスも好きですが、どちらかと言うと「直感」って物凄く振れ幅が大きいと言いますか、精度みたいなものがあると思うんです。「直感力」――そういった言葉があるくらいですから、鍛えることができますし、精度の良し悪しがあると思うんですね。

ちなみに「右と左、どっちがいいと思う?」とか、そういう場面での「直感」を指しているわけではありませんからね。もし「え?何々?」と興味を持ってくださった方がいらっしゃいましたら、ぜひ〝直観力〟と調べてみてください(個人的には田坂広志さんをおすすめしたいです)。

そう、そういったものよりももっと瞬間的な「気付き」だと思うんですよね。人によっては「悟り」と呼ぶ方もいらっしゃるかも知れません。

ところで、「グノーシス」と聞くと同時に「グノーシス主義」を思い浮かべる方もいらっしゃるかも知れません。

私自身、何度学んでもすぐ忘れてしまうので復習を兼ね、その違いについてさっと触れておきたいと思います。

  • グノーシス
    宗教の名前だと思っている方がいらっしゃるそうなのですが、言ってしまうと「グノーシス」という言葉自体は、〝わかり方〟を表す固有名詞みたいなものとして捉えるのが良いと思います。いろいろをお伝えしてきましたが、総じて、知識ではない〝知〟のことを指します。それは頭を使って得られるものではなく、どちらかと言うと体験を通して感じること、学ぶこと。それらしい言い方をするのであれば「霊的な真理へアクセスした瞬間」とか、それこそ「叡智」とか奥深いものを指していると思います。
  • グノーシス主義
    「グノーシス主義」を語る際、どうしても歴史的なことが紐付いてくるので難しく感じられる方もいらっしゃるかも知れません。ですが、基本的には「○○主義」という言葉があるように、その「○○を良いと思っている(大切にしている)人や団体」を指します。つまり「グノーシス主義」とは、先に説明した「グノーシス」という一種の〝わかり方〟を重んじた人々(団体)のことを言います。

    歴史的には、紀元1~3世紀頃の地中海世界(ギリシャ・ローマ・エジプト・シリアなど)で広がった宗教思想の一つで、初期のキリスト教から派生しました。正統派のキリスト教からは「異端」とされ、迫害や弾圧を受けてきました。グノーシス主義者は『世界は不完全な存在によってつくられ、人の魂は本来もっと高次の神的(霊的)世界に属している』という考え方であり、その救いは〝信仰〟や〝行い〟ではなく、霊的な知=グノーシスを得ることによって訪れると説いていました。

個人的にですが、「グノーシス」という考え方は私自身に合っている気がします。

歴史的なことについてとやかく言うつもりはありませんが、こうして現代の人間が聞いても「おぉ!!」と思うほどの思想です。きっと今の社会でも役立つものがあると思います。だからこそ、当時のキリスト教から見れば異端とされてしまったのだと思います。

きっと実際には物凄く画期的で、広まってしまっては既存の権威を揺るがす恐れがあるほどの〝真理〟に近いものだったのではないかと感じずにはいられません。

もし本当に、その人(団体)自身に確かな自信があったのなら、誰かに対し敵意を表す必要はありませんし、その存在を排除したりする必要もないはずです。本来であれば、ただ存在しているだけのはずですから。

ですが人間、そんなに簡単でも、割り切りの良い生き物でもありませんものね、私自身も含め。

またこれからも、「グノーシス」の理解を深めていきたいなと思います(まだ2枚目ですからね、きっと今後も出てくるはずです)。

では、「グノーシス」については以上です。

シェキナーの概念

他にも「シェキーナ」「シェヒナー」「シェヒーナ」と、微妙に違う呼び方が存在しますが、どれもヘブライ語を日本語読みした時の僅かな違いで、指しているものは同じです。

もしかすると、他のサイトや書物、資料等では別の呼び方がされている場合もあるかも知れませんが、当サイトでは〝Shekinah〟を「シェキナー」と呼ぶことに統一していくと思います。よろしくお願いいたします。

まず「シェキナー」について、さっと解説をしていきます。

「シェキナー」と聞くと、一見人物の名前にも思えますが、実はそうではありません。元々は「住まう」「宿る」という意味を持つ、ヘブライ語の〝שָׁכַן(shakan)〟に由来し、ユダヤ教全般において「神の臨在」を表す概念のことを意味します。

「神殿や幕屋(移動式の神殿)に宿る神の臨在(そこにいること/一緒にいること)」は、ユダヤ教徒の方たちが祈りを捧げる場に、神が共にあることを象徴するそうです。

また、単にユダヤ教と言っても様々な思想があり、中でも神秘的な解釈を行うカバラ思想では、「シェキナー」を神の女性的な側面や母性的な象徴とし、『安息日の花嫁』と呼ばれる安息日の始まりに神聖な花嫁を迎えるかのように祈りと歌で讃える伝統が生まれたそうです。これは「神の臨在」を女性的な存在として詩的に表現したもので、現在も受け継がれているそうです。

ここで、「カバラ」と「カバラ思想」の違いについても少しだけ触れておきたいと思います。

  • カバラ
    ユダヤ教における神秘主義の伝統を指します。「カバラ(Kabbalah)」という言葉自体には「伝承」=「口(言葉)で伝える」という意味があり、ユダヤ教の神秘的な知恵や知識を受け継ぐ体系のことを表します。ウェイト=スミスタロットには欠かせない『生命の木』は、まさしくこのカバラが基盤となっています。
  • カバラ思想
    カバラを思想体系として説明する際の表現(言い方)。学問や宗教学等の文脈で、カバラに基づく世界観や、哲学的な考え方を指す時に使われる言葉です。つまり、カバラを思想として扱う時の〝呼び方〟というような理解で良いかと思います。

正直なところ、私はウェイトの『時に「神の法」や「グノーシス」を表すものと考えられ、その場合、女司祭は「シェキナー」の概念に対応します。』という表現は、あまり適切ではないように感じます(もしかすると、私の解釈(訳)そのものが間違っている可能性もありますし、まだまだ勉強不足なところもあるかとは思いますが…)。

どれも〝見えないもの〟を指していますが、「神の法」と「グノーシス」だけであれば、まだ似通ったところがあるように感じられました。どちらかと言うと人間の理解の範囲を超えたもの、すなわち自然の摂理のようなものが根幹だと思います。一方「シェキナー」の概念は、そういったものよりむしろ人間の思い方(信仰や感じ方)を指しているような気がします。

前者二つは、例えば、どんなに私たちが朝起きて「今日は一日中朝」と思ったとて、太陽はやがて沈み夜が来ますよね。私たちが何と言ったところで変わりようのない「自然の法則」なのです。

しかし「シェキナー」の概念に至っては、例えば「そこに神がいる/いない」でも「神の女性的な面を象徴したもの」だとしても、そのどれもが、その人自身の思い方によって左右されるのではないのだろうかと感じます。

「シェキナー」の概念と、両前者は根本的に異なる気がします。

ですから、個人的には「対応していない」と思うのです。

実際に使われてる単語〝corresponds to〟は、確かに「対応する」という意味ではあるのですが、もしかしたら「共鳴」「共存」「調和」といったようなニュアンスなのかも知れません。

もしそうであれば、ウェイトは「人間の理解が及ばないもの(神の法)」「頭(思考)で得られる知識ではない〝知〟(グノーシス)」「神はそこにいる/神の女性的な側面や母性(シェキーナの概念)」というような三つの概念を、「高位の女司祭」の解釈として設けたことになります。

「高位の女司祭」は一般的に「直感」と解釈されることが多いようですが、ウェイトが設けた解釈はもっと深いところを意味するような気がします。

「直感」という解釈が間違っているとは思いませんが、それに止めてしまうと解釈の幅も必然と狭くなってしまう気がしまうんです。

本来なら「こうした言葉の理解を深めることにより、より一層素敵なリーディングができますように!」なんて言って終わりにできれば良かったのですが、まだほんの序の口です。先はまだまだ長く「高位の女司祭」のカードの説明に進んだ際には、更に多くのことが語られているはずです。「高位の女司祭」とは、また遠い未来に再戦ですね。(笑)

一応、ここ「女教皇」の紹介欄のはずだったんですけどね…ぼそっ。

では、〝神の法〟〝グノーシス〟〝シェキナーの概念〟――これら三つの言葉について、私なりにまとめた調査報告でした。

ですが、まだ続きます。

宜しければ、このままもう少しお付き合いください。

「高位の女司祭」の〝高位〟とは

「え?そんなところまでやるの?」と思われた方もいらっしゃるかも知れません。

ですが、気付いてしまったのです。

こちらで最後になりますので、ぜひこのまま最後までお付き合いいただけましたらとても嬉しく思います。よろしくお願いいたします。

では早速。

この、「高位の女司祭」の〝高位〟とは一体何なのか?ということについて触れていきたいと思うのですが、少なからず私と同じような解釈をされている方もいらっしゃるのではないかと思います。

〝高位〟=女性の司祭の中でも位の高い人のことを指す、と思ってはいませんでしたか?

多分その解釈は間違いではないと思います。私も今回の文章を扱うまでそう思っていましたし、実際にそういう意味は込められていると思います。

ですが、今回の一文の中に『彼女は秘教の伝承であり、設けられた秘儀の中でもより高位の意味を象徴しています。』とあるのですが、私はこれを訳していて気付いてしまったことがあるのです。

この「秘教の伝承」や「秘義」というものが具体的に何を指しているのか、実際はわかりません(現状では)。

ですから、あくまで〝現状〟ということで、鵜呑みにせず「そうなんだ~」という心持ちで聞いていただきたいのですが、この「設けられた秘儀の中でもより高位の意味を象徴」という内容が、私にはぴんと来るものがありました。

「高位って〝こっち〟か!?」と。

図の通り、「高位の女司祭」は配置的な意味でも〝高位〟に位置していると思いませんか?

この図は『生命の木』と言いまして、ウェイト=スミスタロットを理解する上で欠かせないものになります。

ですが、今ここでは『生命の木』そのものについては触れません。また、図はかなり昔に作ったもので、その頃はまだ「女教皇」と呼んでいたので、図では「女教皇」になっています。訂正してからお出ししようと思ったのですがデータが見当たらず…。ご理解のほどよろしくお願いいたします。

ということで、もし、この解釈があっているならば、この「設けられた秘儀」は、恐らく、この『生命の木』のことを指しているのだと思います。

実際に、役職としての位が高いという意味を持つ可能性はもちろんあると思うのですが、今回の文章の内容は、こちらを指しているようにも感じられませんでしょうか。

もし、これが『生命の木』を指すのだとすると、「秘教の伝承であり」と訳した部分は、カバラのことを指すのかなと(たまたまですが、道中にカバラとカバラ思想に触れておいて良かったです)。

ちなみになんですが、ウェイト=スミスタロットと結び付けられている『生命の木』は、本家ユダヤ教の生命の木とは別物です。

ここでお伝えしている『生命の木』は、ユダヤ教の生命の木を基に、後世の神秘主義者(例えば黄金の夜明け団など)がアレンジしたものになります。

これまでウェイトは『秘教』『伝承』『秘義』というような言葉を多用していますが、その詳細については説明したことはありません。よって、ユダヤ教や正統なカバラと同一視しないようご注意ください。

もし「高位」ではなく「高次」を意味していた場合は、この推測は無駄になってしまいますが…何か参考になるものがありましたら嬉しく思います。

では、解説と考察は以上となります。

お疲れ様でした。

全部を読んでくださっている方なんて、いるのかな…。

私も何度も読み返しつつ、誤字や誤解のないよう一生懸命まとめているつもりですが、そもそもまとめるのが得意ではないため、どうしても文章が長くなりがちです。

本当に貴重なお時間を使っていただき、ありがとうございます。

今回、三文を訳すだけならそれほど難しくはなかったのですが、一度に解説となるとやはり大変だなと感じました。

カードによってはボリュームも異なるため、まだしばらくは手探りで進めていくことになると思いますが、引き続きお付き合いいただければ幸いです。

では、また次回。

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