『The Pictorial Key to the Tarot(§2 TRUMPS MAJOR)』翻訳・解読【隠者】Vol.1

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『The Pictorial Key to the Tarot(§2 TRUMP MAJOR)』翻訳・解読【隠者】のアイキャッチ画像。

こんにちは。

『タロットの世界』へお越しくださり、ありがとうございます。

リアルタイムで見てくださっている方には、「明けましておめでとうございます」ですね。

本年もよろしくお願いいたします。

さて、とは言ったものの…この『The Pictorial Key to the Tarot』の訳が、今年中に終わるかどうかは既に怪しいところです。(笑)

ほぼ毎日のようにPCに向かっては、ひたすら翻訳と解読作業をしていたのは間違いありませんが、注いだ時間や労力を考えますと「あれ?こんだけ?」と、思っていたほど進んでいない状況に口から魂が出かけていました…。

気持ち的には「今年中には終わらせたいな」と思う反面、速さを追い求めたところで、それは『真の理解』には繋がらないとも思います(少しウェイト風に言うと)。

つまり、やはり今年も一つひとつ丁寧に、出来る限り抜かりなく、変わらずこつこつ進めていくしかないのだと思います。

気付くとつい気負っていることがあるので、適度にリラックスしながら、ふんわり進めていければなと思います。

今年に限らず、来年も、そのまた来年も、長らくお付き合いいただけましたら嬉しく思います。

では、今年最初に取り上げるカード「隠者」に入ります。

マルセイユタロット(ニコラ・コンヴェル版/グリモー版)の「隠者」のカード
マルセイユタロット:「隠者」
ニコラ・コンヴェル版/グリモー版

一応、この§2は「(当時の)マルセイユタロット一覧表」ということだったのですが、「隠者」の説明文は3ページにも及びます。対し、例えば「女帝」は6行ほど。このような違いから、ウェイトにとって「隠者」は何かしら特別な思い入れがあるように感じられます。

私自身、22枚あるうちの大アルカナの中でも何故か「隠者が好き♪」という気持ちがあり、物凄く楽しみにしていました。

では、前置きはこの辺にして本題に入りましょう。

前回の記事はこちら

『The Pictorial Key to the Tarot(§2 TRUMPS MAJOR)』日本語訳|マルセイユタロット【力】 | タロットの世界

タロット大アルカナ8番「力」を解説。女性像やライオンの象徴、さらに有機的な力・道徳的な力・力の原理といった多面的な意味を解読します。コート・ド・ジェブランの図像…

今回の文章:歴代オカルティストによる「隠者」の解釈

今回扱う文章はこちらです。

9. The Hermit, as he is termed in common parlance, stands next on the list; he is also the Capuchin, and in more philosophical language the Sage.

He is said to be in search of that Truth which is located far off in the sequence, and of Justice which has preceded him on the way.

But this is a card of attainment, as we shall see later, rather than a card of quest.

It is said also that his lantern contains the Light of Occult Science and that his staff is a Magic Wand.

※原文にある改行時に用いられるハイフン(-)は省略しています。

Arthur Edward Waite
『The Pictorial Key to the Tarot』より

どのくらい「隠者」の回が続くかまだ見当がつきませんが、なるべく話のまとまりごとに訳していけたらと考えています。

ただ、さっと見ただけでもウェイトらしい世界観が広まっています。特に使われている用語が、私自身聞いたこともない単語やフレーズが多々あり、一筋縄ではいかない予感がしております。

ぜひいつも通り、お茶とお菓子をご用意の上、ゆるりとご覧ください。

では、また一文ずつじっくりと見ていきましょう。

よろしくお願いいたします。

一文目:「隠者」導入部――呼称

最初の文章は〝9. The Hermit, as he is termed in common parlance, stands next on the list; he is also the Capuchin, and in more philosophical language the Sage.〟です。

単語の確認から行っていきましょう(ちなみに〝私のわからない単語で〟という意味ですので、よろしくお願いします)。

hermit → 隠者、世捨て人、世俗を離れて内省/修行する人物像(仙人)
termed → ~と呼ばれる
common → 一般的な、普通の
parlance → 言い回し、話し方、用語
Capuchin → カプチン修道士
philosophical language → 哲学的な言葉遣い、哲学的表現
sage → 賢者、知恵や洞察の権威

※ここでは一般的なものを挙げています。

また都度、解説を交えながら進めたいと思います。

まず〝9. The Hermit, as he is termed in common parlance〟ですが、こちらは「9、隠者、彼が一般的な用語で呼ばれるように」というような意味だと思います。

いつも通り、多少日本語として不自然だとしても、まずはダイレクトな訳に寄せます。

次に〝stands next on the list〟とありまして、こちらが「リストの次に立っている」という意味になります。

よくわかりづらいと思うのですが、ここでの〝list〟は、この§2全体(大アルカナ一覧)のことを指していると考えられ、つまり「カード並びでは次に位置します」というようなことを指していると考えるのが自然かと思います。

つまり、マルセイユタロットなら8番「正義」の次に位置するカードが「隠者」という意味かと思います。

ウェイトは、自身のタロット体系である8番「力」のカードを8番目に取り上げていましたが、いずれにしても、「8番目の次のカード」ということを言いたいのだと思います。

そう捉えますと、カード並びについては敢えて触れなかったようにも思えますが…この件につきましては、この辺りに留めておきましょう。

続いて〝he is also the Capuchin〟とありまして、こちらが「彼はカプチン修道士とも(呼ばれ)」という意味です。

そして〝and in more philosophical language the Sage〟ですが、こちらが「そして、より哲学的な表現では賢者です」というような意味です。

ぜひ、みなさんにも「カプチンとは何か?」調べてみてほしいです。検索結果を見てびっくりしました。

では、一度まとめてみます。

〝9. The Hermit, as he is termed in common parlance, stands next on the list; he is also the Capuchin, and in more philosophical language the Sage.〟

→ 9、隠者、彼が一般的な用語で呼ばれるように、カード並びでは次に位置します。彼はカプチン修道士とも(呼ばれ)、そして、より哲学的な表現では賢者です。

日本語としては不自然ですが、内容は伝わってきますよね。

先に自然な日本語に調整します。

9、「隠者」、一般的にはそのような用語で呼ばれ、カードの順序では次に位置する。彼はカプチン修道士とも呼ばれ、より哲学的な表現では賢者である。

このような感じでしょうか。

ここで、この一文の中で一番の「?」となる「カプチン修道士」について、少しだけ触れておこうと思います。

カプチン修道士とは?

正式名称を〝Ordo Fratrum Minorum Capuccinorum(カプチン・フランシスコ修道会)〟と言います。
カトリック系の教会に属する修道士のことを指し、清貧主義(質素な暮らし)を掲げていました。

「カプチン」という名称は、修道服に付いている尖った頭巾(カプッチョ)に由来したそうで、ゲームやアニメなんかの世界では、修道士のモチーフとしてよく見られる姿かも知れません。

尖った頭巾を被った修道士風のキャラクターのイメージ
こんな感じです(ロマンシング サ・ガ3より)
© SQUARE ENIX
Planned & Developed by ArtePiazza
ILLUSTRATION: TOMOMI KOBAYASHI

また、「カプチン」と検索するととっても愛らしい猿の画像が出てきて驚いたのですが、修道士の頭巾姿が猿の毛並みに似ているとされたことから、オマキザル属の名前にも使われています。
コーヒーの「カプチーノ」も同じ語源だそうで、元はカプチン修道士の服の色に由来すると言われているそうです。

また、この「カプチン修道士」という呼称は Eliphas Levi(エリファス・レヴィ)によるものであり、「賢者」は Court de Gébelin(コート・ド・ジェブラン)が用いた呼称だと思いますが、ウェイトはそこから引用している可能性が高いと思います。

ここではコート・ド・ジェブランの呼称を「哲学的」と言っていますが…やはり敢えて名前は伏せているようにも感じられます…。

今更かも知れませんが…ウェイトにとって『タロット』のベース(基盤)となるものに、エリファス・レヴィとコート・ド・ジェブランの存在が欠かせないということに今気付きました。

まだ序盤の頃は、ウェイトの記述では両者のことをあまり良く言っているイメージがありませんでした。

遠回しに「嫌う」「批判する」「否定する」「見下す」ということが見え隠れしていると感じていたからです。

当時の私はまだウェイトしか知りませんでしたので、「現代のタロットの基盤を築いたウェイト(つまり漠然と〝すごい人〟というような解釈でいました)が嫌うなら、微妙な二人なのかな」と、なんとなくあまり良いイメージを持っていませんでした。

しかしここのところ、コート・ド・ジェブランについてはさておき、エリファス・レヴィなんかは今でも通ずるタロットのベースを描いた人物だということを知りました。

そして、ここまで進めた中で「ウェイトもめちゃくちゃ影響を受けているじゃないか」と感じました。

私も不本意ながら、一喜一憂しながら読み進めていることは否めません。どうかその点につきしましてはご寛大に受け止めていただきたいのですが、つまるところ、ウェイトは他者のことを否定しつつも、やはり必要な時には容赦なく取り入れていると思うのです。

本当に私の一個人的な意見に過ぎませんが、私の思う『人とは』という在り方からはかなりかけ離れていて、正直、私にとってのウェイトはそこまで尊敬の対象にはならないと思います。

ただし、最初から「タロットに自身の人生を捧げる」というようなことを言っている点に関しましては、一貫して遂行されているように思えます。そこは「すごいな」と感じています。

なかなか〝すごい人=人格者〟とはならないのかも知れませんね…。

ウェイトファンの方に嫌な思いをさせたかったわけではないのですが、私自身の今の率直な思いもお伝えしたかったです。

では気持ちを切り替えまして、ここで、ウェイト=スミスタロットの「隠者」もご紹介しておきたいと思います。

左:ウェイト=スミスタロット「隠者」、右:マルセイユタロットの「隠者」
左:ウェイト=スミスタロット「隠者」
右:マルセイユタロットの「隠者」

全体的なフォルムはそこまで変わらないですが、色調なんかはまるで正反対ですよね。

では、次へ進みたいと思います。

二文目:「隠者」の探究――遠くの真理と先行する正義

二つ目の文章は〝He is said to be in search of that Truth which is located far off in the sequence, and of Justice which has preceded him on the way.〟です。

知らない単語がほとんどないので、このまま読み進めたいと思います。

まず〝He is said to be in search of〟ですが、こちらは「彼は~を探していると言われている」というような意味です。

続いて〝that Truth〟とありまして、こちらが「ある真実」という意味です。

直訳しますと「あの/その真実」になりますが、ここでは特定の何かを示しているようでもなかったので、どのような真実であっても「とある真実」→「ある真実」でも許容範囲かなと思いました。

つまり、何かしらの〝真実〟や〝真理〟ということなのだと思います。

次に〝which is located far off in the sequence〟とありまして、こちらが「その(カード)の順序のずっと先に位置する」というような意味でしょう。

今気付きましたが、「位置する」や「順番」を意味する単語も、ここ最近では様々な形で出てきていますね…。

まだ10分の1も終わっていないというのになんですが、これは2周目が必要な気がしてきました…。

気を取り直しまして〝and of Justice〟、こちらが「そして正義の」という意味です。

そして〝which has preceded him on the way〟ですが、こちらが「(正義に対し)道の上で彼に先行した」というような意味です。

一通り訳してみても、あまりぴんと来ません…。

一度まとめてみましょう。

〝He is said to be in search of that Truth which is located far off in the sequence, and of Justice which has preceded him on the way.〟

→ 彼は、その(カード)の順序のずっと先に位置するある真理を、そして道の上で彼に先行した正義を探していると言われている。

訳は大きく外してはいないと思うのですが…みなさん、この内容掴めますか?

大アルカナの順番のことを指しているようなのですが、先にある「真理」あるいは「真実」だとしても、それと結び付きのあるカードを現状私は知りません。

「先」と言っていますが、順番的に後を意味している「先」なのか、生命の木で見た時の位置として「先(つまり隠者より上)」ということなのか…読み進めていれば、いつかはわかると信じたいです。

ちなみに「隠者」は4と6の間に位置付けられています。

後半の「彼に先行した正義」というのは、本来8番目で語られるはずであった「正義」のカードのことだと思うのですが…なら自身(ウェイト=スミスタロット)の体系である8番「力」には触れず、従来のマルセイユタロットの8番をそのまま語ってくれれば良かったのにと感じてしまいます。正直、物凄く大変です。(笑)

【後日追記】
コート・ド・ジェブランのタロットに関する資料を読んでいたところ、コート・ド・ジェブランは「賢者(隠者)」を「賢者、すなわち真理と正義の探究者(La Sage ou le Chercheur de la Verité & du Juste)」と題していたことがわかりました。
ウェイトがこの記述を直接引用しているのかは定かではありませんが、全く関係ないことだとは思えなかったので共有しておきます。

では、次の文章へ参りたいと思います。

三文目:到達を象徴するカード

三文目は〝But this is a card of attainment, as we shall see later, rather than a card of quest.〟です。

そこまで知らない単語がないので、このまま読み進めていきます。

まず〝But this is a card of attainment〟ですが、こちらは「しかし、これは到達のカードです」というような意味です。

〝attainment〟は「達成」という意味が一般的な気がしますが、「隠者」ですからね。なんとなく「到達」とした方がそれっぽい気がしました。

続いて〝as we shall see later〟ですが、こちらが「後で私たちが見るように」というような意味でしょう。

〝see〟も「見る」が一般的かと思いますが、〝I see(わかったよ)〟という使い方もできます。恐らく「後で知る(理解する)」というニュアンスなのかなと思います。

日本語的には「後述しますが」というような表現が近いのかなという気もします。

そして〝rather than a card of quest〟ですが、「探究のカードよりも」というような意味になります。

実は私…みなさんもご存知『ドラゴンクエスト』が、幼い頃から当たり前のように身近なものでした。

なので、これまで当たり前のように『ドラクエ』と口にしていたのですが、〝quest〟って「探究」という意味だったのですね。知りませんでした。

かと言って〝何〟とも考えたことさえなく、ただ『ドラクエ』と、『ドラクエ』という言葉として認識していました。

すると…「龍の探究」という意味だったのでしょうか?

それも少し違うような気もしますが…余談でした(「冒険」というニュアンスの方が強いかも知れません)。

では、一度まとめてみましょう。

〝But this is a card of attainment, as we shall see later, rather than a card of quest.〟

→ しかし、これは到達のカードであり、後ほど私たちが知るように、探究のカードよりも

少し日本語として違和感がありますね。

少し調整してしまいましょう。

しかし後ほどわかるように、これは探究のカードではなく、到達のカードです。

というような感じでしょうか。

ここではウェイト=スミスタロットの解釈を述べているのでしょうか…。

さっと調べてみると、エリファス・レヴィの「隠者」も、コート・ド・ジェブランの「隠者」も、どちらも一言で言うならば「探究」を意味するようでした。

つまり、それらをばさっと「違う」と主張している一文になっているわけです。

次が最後の一文になります。

四文目:「隠者」の描写と象徴

では、最後は〝It is said also that his lantern contains the Light of Occult Science and that his staff is a Magic Wand.〟です。

こちらも知らない単語があまりないので、このまま読み進めていきたいと思います。

まず〝It is said also that〟ですが、こちらは「それはまた~と言われている」という意味です。

次に〝his lantern contains the Light of Occult Science〟ですが、こちらが「彼のランタンにはオカルトの光が含まれる」というような意味です。

「宿っている」と表現した方が、それっぽい感じが得られる知れません。

また、一般的に〝occult〟は「神秘学」とされることが多いと思うのですが、私は敢えて〝occult〟は「オカルト」と訳しています。

以前『オカルトとは何か?』という記事を書いた際に、単に神秘学とするのは違うなと感じました。神秘学とすると、本来「オカルト」が持つ意味や世界観を大幅に縮小してしまう気がしたのです。

日本では「オカルト」と聞くと、「怪奇現象」や「心霊」「ミステリー」といったものと結び付けられやすいですが、本来のオカルトは実はそういったものを含みません。基本的には〝秘教的な知識体系〟のことを指し、占星術や錬金術、カバラやタロット(予言といった類は含みません)などを含む広い意味を持っています。よって「オカルトの光」とするのが適切かと思いました。

そして、最後が〝and that his staff is a Magic Wand〟とありまして、こちらが「そして、その彼の杖は魔法の杖である(ということを)」という意味です。

〝that〟を直訳すると「ということ」となるのですが、これを用いると日本語的に不自然なので省きます。

一度まとめてみましょう。

〝It is said also that his lantern contains the Light of Occult Science and that his staff is a Magic Wand.〟

→ それはまた、彼のランタンにはオカルトの光が宿っていること、そしてその彼の杖は魔法の杖であると言われている。

こちらは問題なさそうですね。

ただ、「杖」を意味する語が2種類(staff/wand)使われているのが少し気になります。

実際「杖」を意味する単語は多くあるのですが…。

またしてもゲームネタで申し訳ないのですが、〝武器〟というシステムがあるゲームではこうした単語はしょっちゅう出てきます。

さっとでも違いがわかればいいなと思い、視覚的に便利な表にまとめました。何かしら参考になれば幸いです。

表現意味・ニュアンス使われる場面
staff長い杖。歩行の支えや権威の象徴として使われる旅人や隠者の杖
僧侶・司祭の杖
wand魔法の杖。短めで儀式や魔術に用いられる魔法使い・魔術師
儀式や占術の場面
stick / walking stick一般的な棒状の杖。登山や歩行補助に使われるハイキング
日常生活での歩行補助
scepter王権の象徴としての装飾的な杖王や女王の権威の象徴
儀式・戴冠式
rod細長い棒。魔術的な文脈では「魔法の棒」としても使われる魔術師の道具
宗教儀式・象徴的表現

こうした違いを知ると…「何故ウェイトは2種類の杖を使ったのか?」と、そんな風には思いませんか?

もう一度見ていただきたいのですが…

左:ウェイト=スミスタロット「隠者」、右:マルセイユタロットの「隠者」
左:ウェイト=スミスタロット「隠者」
右:マルセイユタロットの「隠者」

マルセイユタロットとウェイト=スミスタロット、両隠者の杖は明らかに別物です。

前文の解説から、「ここからは、ほとんどウェイト=スミスタロットの「隠者」のことなのかな」と感じていたのですが、ここに来て急に「短めの杖(wand)」という語を用いられました。

もしこれが「短めの杖」ではなく、単に「魔法的な杖」を表す語として用いていたのなら、この話はなかったことにしていただきたいのですが…やはり、ウェイト=スミスタロットの「隠者」の杖こそ、あまり魔法的な杖には見えず、それこそ〝staff〟なんですよね。仙人さまとかが持っていそうな。

更に、「言われている」と聞くと、まるで世間一般の人々がそのように呼ばれているように感じますが、実際この一文で語られいてる内容は〝ウェイト自身が述べている〟ことだと思います。

またしてもこのような曖昧な表現をしているのは、ウェイトの何らかの意図が込められていると感じずにはいられません。何とは言いませんが…。

では、まとめに入りましょう。

まとめ

改めて、今回扱った文章をご紹介します。

9. The Hermit, as he is termed in common parlance, stands next on the list; he is also the Capuchin, and in more philosophical language the Sage.
He is said to be in search of that Truth which is located far off in the sequence, and of Justice which has preceded him on the way.
But this is a card of attainment, as we shall see later, rather than a card of quest.
It is said also that his lantern contains the Light of Occult Science and that his staff is a Magic Wand.

Arthur Edward Waite
『The Pictorial Key to the Tarot』より

また、これまでの流れも把握できた方がわかりやすいと思うので、前回の「力」もお伝えしておきます。

8、力
これは枢要徳の一つであり、これについてはまた後ほど述べる。
この女性像は通常、ライオンの口を閉じている姿として描かれている。
しかしコート・ド・ジェブランによって印刷された古い形態は、彼女は明らかにライオンの口を開けている。
象徴的には最初の解釈の方が優れているが、いずれも一般的な理解における「力」の一例であり、支配という概念を伝えている。
それは、その人物像が、有機的な力、道徳的な力、そしてあらゆる力の原理を表していると言われてきた。

そして、今回のこれまでの訳です(多少不自然でも、なるべく原文に手を加えずダイレクトに訳したものになります)。

→ 9、「隠者」、一般的にはそのような用語で呼ばれ、カードの順序では次に位置する。彼はカプチン修道士とも呼ばれ、より哲学的な表現では賢者である。

→ 彼は、その(カード)の順序のずっと先に位置するある真理を、そして道の上で彼に先行した正義を探していると言われている。

→ しかし後ほどわかるように、これは探究のカードではなく、到達のカードです。

→ それはまた、彼のランタンにはオカルトの光が宿っていること、そしてその彼の杖は魔法の杖であると言われている。

最後に、本文の内容をより忠実に整えた(当サイト比)訳がこちらです。

9、「隠者」、一般的にはそのような用語で呼ばれ、カードの順序では次に位置付けられる。彼は〝カプチン修道士〟とも呼ばれ、より哲学的な表現では〝賢者〟とされる。
彼は、カードの順序で先に位置する〝真理〟を、そして道中彼に先行した〝正義〟を探し求めていると言われる。
しかし、後に見られるように、これは探究のカードと言うより到達のカードである。
また、彼のランタンにはオカルトの光が宿り、彼の杖は魔法の杖であるとも言われている。

このような形に整えました。

もともとわかりにくい内容ではなかったと思いますが、日本語としてもよりわかりやすい文章にできたのではないかと思っています。

なんとなくですが、ウェイトは「隠者」を「彼」と擬人化しているようにも見えます。本来は訳さなくても良い気がしますが、敢えて「彼は」と訳してみました。

探究ではなく到達のカードと言った理由も、この先わかると良いですね。

今回も必要なことは、都度解説を交えてきたと思いますので、改めて解説等は必要ないと思います。

§2では、このような流れの方が良いかも知れませんね。

では、今回はここまでになります。

最後まで見てくださり、ありがとうございました。

また次回、お会いましょう(まだまだ「隠者」が続きます)。

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