『The Pictorial Key to the Tarot(§2 TRUMPS MAJOR)』翻訳・解読【戦車】Vol.1

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こんにちは。

『タロットの世界』へお越しくださりありがとうございます。

今回から、マルセイユタロット大アルカナ7番の「戦車」に入ります。

マルセイユタロット(ニコラ・コンヴェル版/グリモー版)「戦車」
マルセイユタロット:「戦車」
ニコラ・コンヴェル版/グリモー版

以前、いつの日か「戦車」のカードを扱ったことがあるのですが、どうして取り上げたのか、もう思い出せないのです。

自分で調べておきながら、毎度あまりの情報の多さにどんどんかき消されていってしまうという…私自身の記憶という媒体のキャパシティーを思い知られます。

ホステスをしていた頃は、お客様が覚えていないお客様のお客様(ちょっとややこしいですかね)の名前を憶えているというだけで仕事になっていたのですが…段々と衰えてきてしまいましたかね。(泣)

遡ると、「あっ、アルビジョワ派とかその辺の時かぁ~」とその頃の記事が見付かりました。もしご興味ある方がいらっしゃいましたら、ぜひご一読ください。

『The Pictorial Key to the Tarot(PART1)』を解読しながら訳していく Vol.33
『The Pictorial Key to the Tarot(PART1)』を解読しながら訳していく Vol.34

では、本題へ入りたいと思います。

前回の記事はこちら

『The Pictorial Key to the Tarot(§2 TRUMPS MAJOR)』日本語訳|マルセイユタロット【恋人】Vol.2 | タロットの世界

マルセイユタロットの「恋人たち」(後半)。象徴として描かれたキューピッドを巡る考察を通じて、当時の解釈を辿ります。

今回の文章:「戦車」の変遷――白馬とスフィンクス

今回は、三つの文章を前半として扱っていきますが、一文目は短いので、二文目と合わせて見ていきます。

7. The Chariot.

This is represented in some extant codices as being drawn by two sphinxes, and the device is in consonance with the symbolism, but it must not be supposed that such was its original form; the variation was invented to support a particular historical hypothesis.

In the eighteenth century white horses were yoked to the car.

※原文にある改行時に用いられるハイフン(-)は省略しています。

Arthur Edward Waite
『The Pictorial Key to the Tarot』より

後半は四つの文章からなります。

では、よろしくお願いいたします。

一文目、二文目:「戦車」のカードに見るスフィンクスの起源

最初は〝7. The Chariot.〟と〝This is represented in some extant codices as being drawn by two sphinxes, and the device is in consonance with the symbolism, but it must not be supposed that such was its original form; the variation was invented to support a particular historical hypothesis.〟を見ていきます。

意味を忘れてしまった単語、聞いたこともない単語がいくつもあります。どうか単語の整理にもお付き合いください。

extant → 現存する、今も残っている
codices → 写本、古代や中世の書物(codexの複数形)
device → 工夫、仕掛け、意匠
consonance → 調和、一致
supposed → ~だと思われる、仮定される
invented → 作り出された、創作された
support → 裏付ける、支持する
particular → 特定の、ある特別の
historical hypothesis → 歴史的な仮説

※ここでは代表的なものを挙げています。

〝サポート〟と聞くと「助ける」といった言葉だと思っていたのですが、そもそもは「支える、支援する」というような意味だったのですね。

では、参りましょう。

まずは〝7. The Chariot.〟ですが、こちらは「7、戦車」という意味ですね。

次に〝This is represented in some extant codices〟ですが、こちらが「これは、いくつかの現存する写本に描かれている」というような意味だと思います。

続いて〝as being drawn by two sphinxes〟ですが、こちらは「2匹のスフィンクスに牽かれるものとして」というような意味です。

〝drawn(draw)〟は「描く」だと思っていたのですが、〝馬車を牽く(ひく)〟という時に使う「牽く」という意味もあるそうです。知りませんでした。

そして〝and the device is in consonance with the symbolism〟とありまして、こちらが「そして、その意匠は象徴として調和している」というような意味かなと思います。

「はっ!」と思い出したようにお伝えしますが、今ここで語られている内容は、どちらかと言えば、ウェイト=スミスタロットの「戦車」を指すものだと思います。

左:ウェイト=スミスタロット「戦車」、右:マルセイユタロットの「戦車」
左:ウェイト=スミスタロット「戦車」
右:マルセイユタロットの「戦車」

冒頭で、マルセイユタロットの「戦車」をご覧いただいたかと思うのですが、マルセイユタロットの「戦車」にはスフィンクスではなく馬が描かれています。

「意匠」という訳でぴったりだとは思うのですが、私は使い慣れない(聞き慣れない?)言葉を使うのがあまり好きではありません。漢字からは意味が想像できなかったのですが、平たく言うと、カードのデザインのことでした。

〝design〟ではなく〝device〟という語を用いたのは、自身のカードに「工夫した」というようなニュアンスを込めたかったのかなという気がしました。

次に〝but it must not be supposed that such was its original form〟ですが、こちらが「しかし、それはそのようなものがそれの原形であったと仮定すべきではない」というような意味になりますでしょうか。少し日本語としては不自然ですが。

最後は〝the variation was invented to support a particular historical hypothesis〟とありまして、こちらは「このバリエーションは特定の歴史的な仮説を裏付けるために作り出されたものである」というような意味かと思います。

一度、まとめてみますね。

〝7. The Chariot.〟

→ 7、戦車

〝This is represented in some extant codices as being drawn by two sphinxes, and the device is in consonance with the symbolism, but it must not be supposed that such was its original form; the variation was invented to support a particular historical hypothesis.〟

→ これは、いくつかの現存する写本において、2匹のスフィンクスに牽かれるものとして描かれているそして、その意匠は象徴として調和しているしかし、それはそのようなものがそれの原形であったと仮定すべきではないこのバリエーションは特定の歴史的な仮説を裏付けるために作り出されたものである

マルセイユタロットの馬よりも先に、自身のタロットにも描かれているスフィンクスについて語られていますね。現時点では、このスフィンクスが直接ウェイト=スミスタロットのスフィンクスを指しているのかはわかりませんが。

また、そのスフィンクスが元からあった姿ではないと言い、そのスフィンクスが描かれたデザインは、歴史的な伝説を裏付けるために作り出されたと言っています…が、果たしてどうでしょう。

先へと進めていきましょう。

三文目:18世紀の「戦車」

では、三つ目〝In the eighteenth century white horses were yoked to the car.〟を見ていきましょう。

〝yoked to(繋がれていた)〟だけわかりませんでしたが、短いので一度にいきます。

〝In the eighteenth century white horses were yoked to the car.〟

→ 18世紀には、白い馬たちはその車に繋がれていました。

まずはダイレクトに訳しましたが、意味はわかりますよね。

「その車」は前文の戦車のことですね。つまり、三文目ではマルセイユタロットの「戦車」のことを述べているようですね。

あっさりと終わってしまいましたが、『まとめ』に入りましょう。

まとめ

改めて、今回扱った文章をご紹介します。

7. The Chariot.

This is represented in some extant codices as being drawn by two sphinxes, and the device is in consonance with the symbolism, but it must not be supposed that such was its original form; the variation was invented to support a particular historical hypothesis.

In the eighteenth century white horses were yoked to the car.

Arthur Edward Waite
『The Pictorial Key to the Tarot』より

また、これまでの流れも把握できた方がわかりやすいと思うので、前回の結論もお伝えしておきます。

6、「恋人たち」あるいは「結婚」。
この象徴は、その主題から予想されるように多くの変化を遂げてきました。
18世紀の形態によって初めて考古学の世界に知られるようになったこのカードは、実際には結婚生活を表すものであり、父と母、そして彼らの間に配置された子供が示しています。そして上方には矢を射ようとしている異教のキューピッドは――もちろん、誤って用いられた象徴である。
キューピッドは〝完成された愛〟より〝愛の始まり〟を意味し、その実りを守っています。
このカードは〝Simulacrum fidei〟と題されていたと言われ、その象徴は夫婦の信頼であり、その契約の証としては虹の方がより相応しいものであっただろう。
また、この人物たちは〝真実、名誉、愛〟を表すものと考えられてきたが、私はこれが、言わば道徳的な解説者による後付けの脚色だったのではないかと疑っています。
確かにそれらの意味も持ちますが、他に、より高次の側面が備わっています。

そして、今回のこれまでの訳です(多少不自然でも、なるべく原文に手を加えずダイレクトに訳したものになります)。

→ 7、戦車

→ これは、いくつかの現存する写本において、2匹のスフィンクスに牽かれるものとして描かれている。そして、その意匠は象徴として調和している。しかし、それはそのようなものがそれの原形であったと仮定すべきではない。このバリエーションは特定の歴史的な仮説を裏付けるために作り出されたものである。

→ 18世紀には、白い馬たちはその車に繋がれていました。

最後に、本文の内容をより忠実に整えた(当サイト比)訳がこちらです。

7、戦車
これは、いくつかの現存する写本の中では、二匹のスフィンクスに牽かれるものとして描かれており、その意匠は象徴性と調和しているが、そ
れが元来の姿であったと考えるべきではない。このバリエーションは特定の歴史的な仮説を裏付けるために考案されたものである。
18世紀には、白い馬が戦車に繋がれていました。

このような形にしました。

「その意匠は象徴性と調和している」という部分が少しわかりにくいと思います。

最初は、二匹のスフィンクスを一つの象徴とみなし、他の象徴と調和をなしているという意味だと思ったのですが、象徴そのものですと〝symbol〟という単語になると思ったので、恐らく、カード全体に付与された解釈と二匹のスフィンクスが調和しているという意味だと思います(伝わりますかね汗)。

前半は、これで終わりになります。

個人的には気になる点がいくつかあったのですが、後半に書かれていたら無駄足を踏むことになるので(笑)、後半も見てからいろいろと掘り下げていきたいなと思います。

次回はきっと満身創痍です(ボリュームがすごいということです)、覚悟!!

最後まで見てくださり、ありがとうございました。

また次回。

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