『The Pictorial Key to the Tarot(§2 TRUMPS MAJOR)』翻訳・解読【皇帝】

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『The Pictorial Key to the Tarot(§2 TRUMP MAJOR)』翻訳・解読【皇帝】のアイキャッチ画像。

こんにちは。

気付くと、家にストックしていた大量のおやつがなくなっていました。

いざ外に買いに出掛けようとすると、既に雪が積もっていて「あっ………」と思いました(私は徒歩しか交通手段がないのです)。

きっと熊も冬眠を始める頃だとは思いますが、これでは満足に外に行くこともできず、自ずと翻訳に集中せざるを得ない環境が整ってしまいました。

辛いというほどではないのですが、こんな時、私は「あぁ、導かれているんだろうなぁ…」なんていう風に思ってしまいます。

というわけで、今回も導かれるように訳を進めていきたいと思います。

今回は、マルセイユタロット4番「皇帝」のカードになります。

マルセイユタロット(ニコラ・コンヴェル版/グリモー版)の「皇帝」
ニコラ・コンヴェル版/グリモー版
マルセイユタロット:「皇帝」

しかしながら、まだ4枚目ではありますが、「マルセイユタロットの解説、あんまりしてなくない?」という気持ちが否めません。

§2に入る直前、【PART1】の最終回では、その当時のマルセイユタロットの解釈を簡潔に一覧にするという話でした。

確かに、全く無いというわけではありません。

ですが、当時のマルセイユタロットの解釈よりも、ウェイト自身の解釈や意見(しかも多くは批判や否定的なもの)の方が圧倒的に多く、また「高位の女司祭」のカードの紹介欄では、自身が設けたカード名や解釈をさも昔から存在していたかのような記述をしていました――まぁ、これもウェイトらしいと言えばそうなのですが…。

後に別の章で自身のカードの説明をするわけですから、ここでは当時のマルセイユタロットの解釈の紹介をメインにしてほしかったなぁという気持ちがあります。

今回はどのようなことが語られるのでしょうか。

では、早速見ていきましょう。

前回の記事はこちら

『The Pictorial Key to the Tarot(§2 TRUMPS MAJOR)』日本語訳|マルセイユタロット【女帝】 | タロットの世界

マルセイユタロットの「女帝」を語るウェイト。他のカードに比べ語られる内容が少なく、当時一般的且つ代表的だったエリファス・レヴィの解釈にも触れました。

今回の文章:「皇帝」のカードに見る伝統と介入の境界線

今回の文章はこちらです。

4. The Emperor, by imputation the spouse of the former.

He is occasionally represented as wearing, in addition to his personal insignia, the stars or ribbons of some order of chivalry.

I mention this to shew that the cards are a medley of old and new emblems.

Those who insist upon the evidence of the one may deal, if they can, with the other.

No effectual argument for the antiquity of a particular design can be drawn from the fact that it incorporates old material; but there is also none which can be based on sporadic novelties, the unintelligent hand of an editor or of a late draughtsman.

Arthur Edward Waite
『The Pictorial Key to the Tarot』より

今回は5つの文章があります。最後が長文ですが、また一文ずつ見ていきたいと思います。

恐らく「高位の女司祭」ほど大変ではないだろうと予想しています。

では、よろしくお願いいたします。

一文目:「皇帝」は「女帝」の配偶者と見なされる解釈

では、一文目の〝4. The Emperor, by imputation the spouse of the former.〟を見ていきましょう。

こんな短い文章であるにも関わらず、知らない単語ばかりでショックです。

ということで、単語の確認からしていきます。

by imputation → 推定、見なし
spouse → 配偶者(夫/妻)
former → 直前に言及された人物(ここでは女帝)

※ここでは代表的なものを挙げています。

一度に訳します。

〝4. The Emperor, by imputation the spouse of the former.〟

→ 4、皇帝、推定では前者(女帝)の配偶者と見なされる。

ほぼ直訳ですが、「皇帝」のカードは前者(女帝)の夫とされている、というような意味でしょう。ただし、使われている単語〝spouse〟自体は「配偶者」という意味で、性別を表すものではないという点にはご注意を。

これが、前回語られていた「皇帝と対の関係」ということだったのでしょうか。

しかし、マルセイユタロットのことなのか、ウェイト=スミスタロットのことなのか、今の段階ではわかりません。

ですが、一般的に「女帝と皇帝」と言えば〝夫婦〟という関係性だとは思うので、どちらがということでもないのかも知れませんね。

「推定では」という表現をしていますが、やはりこちらに関しても、ここではまだウェイトの一解釈として見なした方が良い気がします。

では、先へ進みましょう。

二文目:「皇帝」のカードの描写について

二文目は〝He is occasionally represented as wearing, in addition to his personal insignia, the stars or ribbons of some order of chivalry.〟です。

まずは、単語や熟語の整理から行っていきましょう。

occasionally → 時折、場合によっては
as wearing → ~を身に着けている姿として
in addition to → ~加えて
personal insignia → 個人の記章、紋章、権威を表すシンボル
order of chivalry → 騎士団、騎士の勲位制度

※ここでは代表的なものを挙げています。

最初は〝He is occasionally represented as wearing〟ですが、こちらは「彼は時折身に着けている姿として描かれることがある」という意味です。

〝represented〟は前回にも出てきた単語なのですが、「描写される/表される」という意味で、今後も何度も出てきそうですね。

ちなみに〝occasionally〟は「オケイジョナリィ」と読むそうです。

私は「オッサ?オッカ?」と全然読めていませんでした。

続いて〝in addition to his personal insignia〟ですが、こちらがは「彼自身の記章に加えて」というような意味です。

そして〝the stars or ribbons of some order of chivalry〟とありまして、こちらは「ある騎士団の星やリボンを」というような感じでしょうか。

「星やリボン」としましたが、「ある騎士団の」ということであれば、「星章」というような言い方でも良いかも知れません。

一応「リボンの紋章なんて他に言い方があるのかな?」と思い調べてみたのですが、実は紋章ってとっても種類が多く「あ、止めよ…」と、即断念しました。

日本は、あまり紋章というものに馴染みがないように感じられたのですが、どちらかと言うと日本は〝家紋〟なのかも知れませんよね。そういう意味で、紋章も多くの種類があって当然かと思いました。

では、一度まとめてましょう。

〝He is occasionally represented as wearing, in addition to his personal insignia, the stars or ribbons of some order of chivalry.〟

→ 彼は時折、自身の記章に加えて、ある騎士団の星章やリボンを身に着けている姿として描かれることがある。

こちらも、そのままでも内容は伝わってくるものがあるかと思います。

しかし、これがどちらの「皇帝」について述べられていることなのか、いまいちわかりませんね。

左:ウェイト=スミスタロット「皇帝」
右:マルセイユタロット「皇帝」

「紋章」と聞くと、マルセイユタロットのことを示しているような気もするのですが、いずれも星章やリボンは付いていませんよね。

マルセイユタロットの方の、ネックレスみたいもののことを指しているのでしょうか?

ですが、それであれば「星章やリボン」という言い方はしないような気がします。

他のマルセイユタロットであれば、それらしいものが付いているのか確認してきたのですが、さっと見た感じでは、私が知るマルセイユタロットの「皇帝」には、星やリボンのような物が描かれているものは見当たりませんでした。

「時折」と言ってはいるものの、むしろそう描かれていることの方が稀なのではないでしょうか。

続きが気になりますね。

続けられそうなので、このままいけるところまで進めてしまいます。

三文目:カードに描かれる古い象徴と新しい象徴の寄せ集め

では、三文目〝I mention this to shew that the cards are a medley of old and new emblems.〟を見ていきます。

いつも通り、単語等のチェックから始めます。

mention → 言及する、触れる
shew → 示す、見せる、明らかにする
medley → 寄せ集め

※ここでは代表的なものを挙げています。

〝shew〟は17~19世紀の英語の文献でよく見られた showの古い綴りだそうで、現在はほとんど使われていないそうです。

以前〝shewn〟という単語が使われていたことが一度だけあり、その時にもお伝えしていたのですが、私も全然覚えていませんでした。

まず〝I mention this to shew that〟ですが、こちらは「私は~であることを示すためにこのことに言及する」というような意味です。

その内容について〝the cards are a medley of old and new emblems〟とありまして、こちらが「そのカードは古いと新しい象徴の寄せ集め」というような感じでしょうか。

ここでの〝cards〟は、タロット全体を指していると思いますが、現状、そこにウェイト=スミスタロットを含めるかは、少し慎重になる必要があると思います。

何故なら、これまでウェイトは、自身のタロットやウェイトがタロットとして認めているものに対してのみ〝Tarot〟という語を使い、基本的にはそれ以外のものを〝card(s)〟や〝it〟と呼び、決して〝Tarot〟とは呼びません。

もう少し先へ進めば、全貌が見えてくるのでしょうか。

一度まとめてみましょう。

〝I mention this to shew that the cards are a medley of old and new emblems.〟

→ 私は、そのカードが古いと新しい象徴の寄せ集めであることを示すためにこのことに言及する。

かなり愚直な訳にしましたが、要は、タロット全般の絵柄のことについて述べているようですね。

そして、古い象徴と新しい象徴の寄せ集めだと述べていて、これについてこの後言及する、というようなことを言っているのだと思います。

個人的には〝medley〟が「寄せ集め」だったという意味に驚いています。

昔はよくカラオケに行っていた時期がありましたが、「メドレー」って、「メドレー」という言葉として覚えてしまっていて、それが「寄せ集め」という意味だなんて思ってもみませんでした。

水泳も習っていたのですが、「メドレー」と言えば〝バタフライ→背泳ぎ→平泳ぎ→クロール〟と、この一連がメドレーだと思っていたので、「寄せ集め」と言うより「選抜」みたいなイメージだったんですね。

「寄せ集め」かぁ……余談でした。

では、続きを見ていきましょう。

四文目:遠回しな批判

四文目は〝Those who insist upon the evidence of the one may deal, if they can, with the other.〟です。

まずは、単語等のチェックから行っていきましょう。

those who → ~する人々
insist upon → ~を強く主張する、こだわる、固執
the one → 一方の
deal → 対処する、扱う
the other → 他方の(もう一方の)

※ここでは代表的なものを挙げています。

では、まず〝Those who insist upon the evidence of the one〟ですが、こちらは「一方の証拠を強く主張する人々は」というような意味です。

そして〝may deal, if they can, with the other〟とありまして、こちらが「扱うことができるなら、もし彼らができるなら、もう一方と」と、なんとも奇々怪々な日本語になります。

かなり愚直に訳しましたが、これはかなり調整が必要そうです。

微調整程度かも知れませんが、今この場で紐解いてみましょう。

この「扱うことができるなら」というのは、後に出てくる「もう一方(の証拠)」が対象です。

そして「彼ら」というのは、前半の「一方の証拠を強く主張する人々」のことを指しています。

つまり、「一方の証拠を強く主張する者たちが、もう一方の証拠を扱う」ということになるのだと思いますが、ここに「~かも知れない」という意味を持つ〝may〟の存在があるので、「一方の証拠を強く主張する者たちは、もう一方の証拠を扱うことができるんだよね?」という、少し挑発的なニュアンスになります。

要するに、「Aを主張するなら、当然Bも扱えなくてはならない」という批判的なニュアンスを帯びているそうです(AI調べ)。

ここは何回読み直してみても、原文に沿ってしまうと「もしできることなら、一方の証拠を強く主張する者たちは、もう一方の証拠も扱うことができるだろう」というような訳が私には限界です。

ただし、この「もしできるなら~できるだろう」という日本語もかなり違和感があります…。

個人的な見解として聞いてほしいのですが、かなり飛躍してしまいますが、最終的なウェイトの言いたいことというのは「どちらの証拠についてもそれほど理解していないのに、片方の証拠だけを頑なに主張するんじゃない」というようなことだと思います。

結局という言い方もなんですが、いつものように「大して知らないのに…」とか「その解釈は間違っている」というような言い分を、ただ違う言い方で表現しているだけのような気がします。

今回は、いつもよりかなり遠回しな言い方だったということなのではないでしょうか。

ひとまず直訳ではかなりわかりづらいので、私の限界訳を記載しておきます。

〝Those who insist upon the evidence of the one may deal, if they can, with the other.〟

→ もしできるなら、一方の証拠を強く主張する者たちは、もう一方の証拠も扱うことができるだろう

それでも、日本語としてはかなり不自然ではあるので、最終的な訳は、私の見解寄りにさせてもらおうかなと思います。

ちょっとこの一文は大変でした。

とは言え、次が最後の文章となりますので、このまま突き進んでしまいたいと思います。

五文目:デザインの古さを証明する根拠とは

最後は〝No effectual argument for the antiquity of a particular design can be drawn from the fact that it incorporates old material; but there is also none which can be based on sporadic novelties, the unintelligent hand of an editor or of a late draughtsman.〟です。

最後だけ長いですが、頑張りましょう。

いつも通り単語等の整理から行っていきます。少し多めです。

effectual → 有効な、効果的な
argument → 論拠
antiquity → 古さ、由緒、古代
particular → 特定の
drawn from → ~から導かれる、~から引き出される
incorporates → ~を取り込む/組み込む
sporadic → 散発的な、断片的な、まばらな
novelties → 新奇性、新しい要素
unintelligent → 無理解な、知性のない
draughtsman → 製図者、図案家

※ここでは代表的なものを挙げています。

では、少しずつ見ていきましょう。

まず〝No effectual argument for the antiquity of a particular design〟ですが、こちらは「特定のデザインの古さを証明する有効な論拠はない」というような意味です。

突然、何のことを言い出したのかよくわからないのですが、ひとまずこのまま訳を進めてみます。

続いて〝can be drawn from the fact that it incorporates old material〟ですが、こちらは「それが古い素材を取り入れているという事実からは引き出される」というような意味かと思います。

ですが、文章全体が〝No〟から始まっていますので、「引き出されない」という否定になります。

次に〝but there is also none〟ですが、こちらが「しかしまた~も存在しない」という意味です。

そして〝which can be based on〟とありまして、こちらが「これは以下に基づくことができる」というような意味になります。

それから〝sporadic novelties〟ですが、こちらが「散発的な新しい要素」ということで、繋げますと「しかしまた、散発的な新しい要素に基づくことができるものも存在しない」というような意味になります。

しかし、依然として内容がよくわかりません。

最後は〝the unintelligent hand of an editor or of a late draughtsman.〟ですが、こちらも少しずつ見ていきましょう。

前半が〝the unintelligent hand of an editor〟で、こちらは「編集者の理解のない手」というような意味でしょうか。これは、かなり辛辣な表現ですね。

後半が〝or of a late draughtsman〟とありまして、こちらが「あるいは、後の図案家の」というような意味になります。

合わせまして「編集者の理解のない手や、後の図案家」となりますが、この〝the unintelligent hand〟は前後どちらにも掛かっているので「あるいは、編集者の理解のない手や、後の図案家の理解のない手」というような意味になるかと思います。

かなり複雑な文章でしたね。

私自身、混乱しています。

一度まとめてみましょう。

〝No effectual argument for the antiquity of a particular design can be drawn from the fact that it incorporates old material; but there is also none which can be based on sporadic novelties, the unintelligent hand of an editor or of a late draughtsman.〟

→ 特定のデザインの古さを証明する有効な論拠は、それが古い素材を取り入れているという事実からは引き出されないし、また、散発的な新しい要素、編集者の理解のない手や、あるいは後の図案家の理解のない手に基づくことが(論拠)できるものも存在しない

このような感じでしょうか。

これ、意味伝わりますでしょうか…。

割と、翻訳アプリやソフトを使ってみても同じような感じなんですよね。

個人的には、ちょっと言葉が足りない気がするので、私の解釈を加えて再度文章を構成してみます。

「古い素材を取り入れているからといって、それが古いデザインだと証明する証拠にはならないし、散りぢりの新しい要素や、後世の理解のない編集者や製作者の手直しがあるからといって、それもまた古さを証明するものにはならない」というようなことを言っているのだと思いますが、唐突過ぎて「へ?何の話?」となってしまうような内容な気がします。

物凄く大袈裟に言うと「ここに書かれている内容では、(ある特定の)デザインの古さを証明する証拠にならない」というようなことを言っているのだとは思います。

しかし、何のことを言っているのでしょうか。

なんとなくでも、内容そのものはご理解いただけているかと思うのですが、何のデザインのことを言っているのでしょう?

「皇帝」のカードの欄に書かれた内容ですから、「皇帝」に関することだとは思うのですが、全然見当もつきません。

一度、全部の訳をまとめてみましょう。

まとめ

では改めて、今回扱った文章をご紹介します。

4. The Emperor, by imputation the spouse of the former.

He is occasionally represented as wearing, in addition to his personal insignia, the stars or ribbons of some order of chivalry.

I mention this to shew that the cards are a medley of old and new emblems.

Those who insist upon the evidence of the one may deal, if they can, with the other.

No effectual argument for the antiquity of a particular design can be drawn from the fact that it incorporates old material; but there is also none which can be based on sporadic novelties, the unintelligent hand of an editor or of a late draughtsman.

Arthur Edward Waite
『The Pictorial Key to the Tarot』より

また、これまでの流れも把握できた方がわかりやすいと思うので、再度、前回の結論をお伝えしておきます。

「女帝」のカードは、正面を向いた顔で描かれることがあるが、一方、彼女と対となる皇帝は横顔である。
この違いに象徴的な意味を見出そうとする傾向も見られるが、それは内的な意味を持たないと述べるのが適切でしょう。
「女帝」は普遍的な豊饒の観念と、一般的な意味では活動と結び付けられてきました。

そして、今回のこれまでの訳です(多少不自然でも、なるべく原文に手を加えずダイレクトに訳したものになります)。

→ 4、皇帝、推定では前者(女帝)の配偶者と見なされる。

→ 彼は時折、自身の記章に加えて、ある騎士団の星章やリボンを身に着けている姿として描かれることがある。

→ 私は、そのカードが古いと新しい象徴の寄せ集めであることを示すためにこのことに言及する。

→ もしできるなら、一方の証拠を強く主張する者たちは、もう一方の証拠も扱うことができるだろう

→ 特定のデザインの古さを証明する有効な論拠は、それが古い素材を取り入れているという事実からは引き出されないし、また、散発的な新しい要素、編集者の理解のない手や、あるいは後の図案家の理解のない手に基づくことが(論拠)できるものも存在しない

最後に、本文の内容をより忠実に整えた(当サイト比)訳がこちらです。

4、「皇帝」は前者(女帝)の配偶者と見なすことができる。
彼は時に、自身の徽章に加え、騎士団の星章やリボンを身に着けた姿で描かれることがある。
私がこれについて言及するのは、どのカードであっても、古い象徴と新しい象徴の混在であるということを示すためである。
一方の証拠を強く主張する者――それが可能ならば、もう一方の証拠も扱うことができるだろう。
古い素材を取り入れている事実があるからといって、その図像の歴史を証明する有効な論拠が導き出されることはなく、同様に、散発的な新奇さや、理解のない編集者や後世の制作者による介入があっても、そこから導き出される有効な論拠は存在しない。

はい、このように仕上げました。

自分なりには、かなり自然な日本語に仕上がったと思います。手前味噌ですが。

やはり〝if they can〟の部分が少し難しかったのですが、多分この理解で大丈夫だと思います。

「徽章」も「きしょう」と読みますが、「記章」とは意味が若干異なり、こちらの方が適しているという判断で「徽章」にしました。

最後に、少しだけ補足をお話しして終わりにしたいと思います。

解説・考察

道中でも述べましたが、「皇帝」の文章は、「真の理解ある者ならば、どんな象徴でも扱えるはずだよね?」というやや挑戦的な内容であり、「いかに新しい象徴を取り入れようと、後の編集者や製作者がいかに手を加えようとも、象徴の新旧からは、その古さ(歴史)を導き出せる有効な根拠はない」というようなことを伝えています。

ただ、現時点では「何故、これを言っているのかな?」「これを言って、ウェイトは何をしたかったのだろう?」と考えてみても、あまりそれらしい答えが見付かりません。

「古い象徴や新しい象徴が、その歴史を語るものにはならない」は、逆を言えば「古い象徴があるから古いもの、新しい象徴があるから新しいものとはならない」ということになると思うのですが、そのような回路を封じたかったのか。

あるいは、もしかするとですが、この時点(1910年頃)でウェイトがタロット界で〝新参者〟という扱いをされていたのだとしたのなら…?

「こういったことを言いたくなるのかも知れないな」という気にはなります。

また、「一方を強く主張することが許される立場にある人間であれば、もう一方の理解にも富んでいるということだよね?」というのは、逆を言えば「本当に理解している者なら、何であっても説明ができるはずだ」ということですよね。

つまりこれは、いつもの「大半の人が真のタロットを知らない」ということの、また別の言い回しだと思いますが――今後、これらを語ったことが「なるほど、そういうことだったのか!!」となれる日が来るといいです。

解説は以上になります。

ということで、お疲れ様でした。

いやぁ~、驚きですね。

みなさんもお気付きだったと思いますが、「皇帝」のカードに関する解釈は何一つとして述べられていませんでしたよね。(笑)

「女帝の配偶者」などとは言っていましたが、それも解釈というより「推定」の範囲で、正直「それ要る?」と言いたくなりました。

こちらは母国語でもない英語を頑張って日本語に訳しているのに、「それでいて語られた内容がその程度か!!」と、空しくなります。

そう、そうなんです。

ここでは、カードの解釈なんてものはさておき、「皇帝」のカードを紹介ということを建前(きっかけ)に、タロットの絵柄について、自身の意見を通すための切り口に過ぎないんですよね。

私はこれが、ウェイト(自身)、あるいはウェイト=スミスタロットにまつわる何らかの布石や予防線のようなものなのだと考えています。

さすがに、私ももう気付いてしまいました。理解してしまいました。

恐らくウェイトは最初から、この§2で当時のマルセイユタロットの解釈を紹介する気などなかったのだと思いました(先のことはわかりませんが)。

「隠者」の解説が3ページ強に及ぶ内容になっているというのも、そのほとんどが、ウェイトの解釈を述べる場になっているのでしょう…。

楽しみが半減…と言うにはまだ早計かも知れませんが、しつこいようですが、私はここでは当時のマルセイユタロットの解説を聞けると思っていたので、やはり残念な気持ちです。

ですが、また別の角度からの楽しみができてしまいましたね。

次は、5番「教皇」のカードです。

どんな内容はが語られるのでしょうか。

では、最後まで見てくださりありがとうございました。

また次回、お会いしましょう。

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